『発現東亜』

2018-09-28 15:54:39

 宋念申 著

 私たちにとって今日では当たり前になった「中国」と「東アジア」という概念は、実はかなり最近になって形成されたものであり、前者は清の時代に次第に形成され、後者はわずかここ130年でやっと人々に認知されてきたに過ぎない。16世紀に宣教師が「アジア」という言葉をもたらしたが、東アジア人は次第にこのラベルを受け入れ、1885年に福沢諭吉が発表した『脱亜論』の時代からようやく使われ始めた。同書は16世紀以降の東アジア地域の変遷、動揺、発展および相互的に影響し合ってきた歴史について書かれている。その中で気付くのは、朝鮮半島の70年余りにわたる南北の対立や、中国、日本、朝鮮、韓国の複雑に入り組んだ親しみや憎しみの感情は、実際は全て東アジア近代化への道に散りばめられた「遺産」であるということだ。(新星出版社 20187  48元)

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