中国の幅広い減税、 多くの小企業・零細企業に恩恵

2020-02-21 12:22:23

 

中国財政部と税務総局は今年初め、「小規模・零細企業に普遍的恩恵が及ぶ税減免政策の実施に関する通知」を発表した。月間売上高10万元以下の増値税小規模納税者に対する増値税免除や、小規模薄利企業に対する企業所得税基準引き下げなどの優遇措置と共に、税減免の恩恵を受ける小規模薄利企業の範囲を拡大し、小規模・零細企業の発展を後押しする方針を打ち出した。

今年の「政府活動報告」では、年初に発表された小規模・零細企業に普遍的恩恵が及ぶ減税政策を強化する方針が示された。今回の減税は、「放水養魚(現金還流による企業育成)」や成長力の増強に着目し、財政の持続可能性を考慮しながら、企業の負担軽減と市場活力の喚起を図る重大な措置で、税制の整備や所得分配構造の合理化につながる重要な改革でもあり、マクロ政策による安定成長促進、就業保障、構造調整の重大な選択となる。

小規模・零細企業に普遍的恩恵が及ぶ減税措置のうち、増値税適用の「最低基準」が従来の月間売上高3万元から10万元に引き上げられた。これについて、浙江省舟山の「島嶼県」である嵊泗県の小規模・零細企業オーナーたちは想定外のニュースを喜んだ。

中国国家税務総局が発表した最新統計によると、今年12月の新規減税額は18285千万元に上った。大多数の小規模・零細企業が4月に四半期申告を行い、特に大規模な増値税減税などの政策実施によって減税・費用引き下げの効果は一層大きく表れる見通しだ。

中央財経大学税収計画法律研究センター主任の蔡昌氏は、普遍的恩恵の及ぶ減税が減税の対象拡大に注力しているため、小規模零細企業の減税税収負担が一層軽減され、企業が政策の「恩恵」を享受できると説明。「小規模零細企業に普遍的恩恵が及ぶ税減免は、小規模薄利企業が優遇税を享受できる範囲を拡大した。対象企業が1798万社に上り、税収優遇の水準も大きく強化され、小規模零細企業は減税費用引き下げに満足している」との見方を示した。

中国の中小企業は現在、都市部労働就業の80%以上に貢献し、企業総数の90%以上を占めている。北京国家会計学院財税政策応用研究所所長の李旭紅氏は、数の多い小規模零細企業が社会に大量の就業ポストを提供し、就業安定と民生貢献の前向きな促進作用を果たすことができると話した。「小規模零細企業に普遍的恩恵が及ぶ税減免の実施は、政策の受益層を大幅に広げ、小規模零細企業が大きく発展し、市場活力を喚起する重要な措置になる。これによって、小規模零細企業が就業吸収のメインチャンネルとしての重要な作用を発揮するだけでなく、大胆な思考と行動、イノベーション創業をする若者に、夢を実現するための大きな舞台を提供することができる」としている。

「小規模零細企業は発展の新鋭軍であり、イノベーションの重要な源泉だ。小規模零細企業に普遍的恩恵が及ぶ税減免措置を進めれば、創業イノベーションのコストを引き下げ、小規模零細企業の発展原動力を増強する。これが、イノベーション駆動型発展戦略の実施や、イノベーション型国家の建設を後押しする」。李旭紅氏は、「長期的にみると、いかなる企業の成長も小から大への過程を経ており、発展の潜在力を持つ小規模零細企業を多く育成することで、先進技術水準と国際影響力を持つ大企業を増やす基盤を築くことができる」との見方を示した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2019423

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