米国は振り上げた関税の拳をどこに振り下ろすか

2020-02-21 12:22:12

中国商務部元副部長、中国国際経済交流センター副理事長 魏建国=文

 

米国は、510日から2000相当の中国からの輸入製品に対して追加関税を課し、関税率を10%から25%に引き上げた。私が知っている限り、現在、今回の追加関税措置について反対の態度を示した米国国内の団体は少なくないようだ。中でも、米国最大の商業団体で、300万社の会員企業を代表する米国商工会議所は次のように指摘した。貿易の問題は貿易によって解決すべきで、行政が介入して、このように大規模な関税を徴収することは、米国自身の商工業にとって災難である。

国際社会でも、欧州連合や日本などの先進国や、ブラジルやインドなどの発展途上国も米国の動きにショックを受け懸念を表明している。米国の行動がすでに証明したように、アメリカファーストを推し進めるトランプ政権は、相手が同盟国であろうとライバルであろうと、米国の利益を妨げるものには、必ず拳を振り上げる。懸念する雰囲気が漂う中、国際通貨基金や世界銀行などの国際金融機関は、相次いで今年の世界経済の成長率への予測を下方修正した。

関税という拳は、世界経済の回復だけでなく米国自身にも痛みを与えた。今年の米国への外資の投資はマイナス成長となっている。現在の米国が取る強引なやり方は、自国の信用を損なっていると言えよう。たびたび変わる政策に、世界は米国の不確実性を見て取り、あてにならないと考え、米国の約束は信頼を失いかけている。こうした国際社会の信頼の欠如は、ドル基軸体制さえ揺るがしかねない。おそらく米国は、中国に強いた今回の関税大戦が米国自身にどのような損害をもたらすか、十分に予測できていないと思われる。

 

人民中国インターネット版 2019521

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