2月号のおすすめ
新写稿
 2017年2月5日発行<BR>定価400円(本体370円)
 
特集 中日関係の未来を担う若者たち
特集1 歴史が語る青年交流の意義
特集2 先達が語る「あの頃」の感動
特集3 最前線で奮闘する若者たち
特集4 趣味から広がる中国理解
特集5 節目の今こそ青年交流を大切に
特集1 「連環画」からウェブ作品へ
特集2 ブーム支える企業家たち
特集3 新たな担い手8人に注目
特集4 日本人識者が見た可能性
特集5 孫悟空が想像力をつなぐ
中日両国の青年交流は、政治などの影響を受けて起伏を繰り返しつつも両国関係の推進に貢献し、2000年に及ぶ交流の歴史の中で重要な役割を果たしてきた。
 今では交通とインターネットの発達により、中日両国はかつてないほどの「近距離」になっている。一方で、国交正常化以前の1960年代から国交正常化へと続く流れの中で若者の間に起こった「中国ブーム」、改革開放に対する強い関心など、中国の建設に対する期待と情熱が今日に至っても続いているかというと決してそうではなく、心の距離はむしろ年を追うごとに遠ざかっているようにさえ感じる。
 国交正常化45周年を迎える今年、中日関係の未来は新しい歴史の転換点に差し掛かっている。そこで今月号の特集では青年交流の最前線に焦点を当てた。かつて交流を担った人々の情熱にも触れながら、現在交流に携わる若者たちが両国の未来をつなぐ担い手として、中日友好交流史に新たな1ページを書き加えていく姿を取材した。
在日中国人の年越しは
report
蘇東坡が愛した南の島 騎楼立ち並ぶ華僑の里
美しい中国 海南
中国の南海の広大な海原にあるきらめく宝石。それが、美しく豊かな海南島だ。海南島は中国で2番目に大きな島で、中国で唯一、熱帯の海の島からなる省でもある。今から約100万年前、火山の爆発と地殻の変動で大陸から切り離された海南島は、五指山を中心とする、中央が隆起して周囲が平らな地形となり、さまざまな美しい景観を有している。中央に高くそびえる五指山には熱帯の木々がうっそうと生い茂り、四季を通じて青々としている。山系により形成された水系は、山中の峰や坂が年平均2000㍉の降水量を無数の谷間に集め、万泉河に勢い良く流れ込み、両岸の田畑や村々を潤している。島の南端にある天涯海角は、ヤシの木をわたる風や波の音、太陽の降り注ぐ砂浜が人々を魅了してやまない。
 「美しい中国」ではこれから3回に分けて読者のみなさんを海南島にご案内し、島の美しい景色や文化的な魅力を味わっていただく。今月は海南島の北部エリアに焦点を当て、同地の豊かな歴史的・文化的雰囲気を感じる。省都の海口では、海風と騎楼の古い街並みの物語に耳を傾け、この港町の変化と発展を追う。僑郷(華僑の故郷)といわれる文昌では、宋氏一族の邸宅を訪ねて100年にわたる彼らの伝奇を目撃し、おいしい文昌鶏にまつわる郷愁を味わう。千年の古郡と称される{だん しゅう}儋州では、古代の貶官(左遷)文化を感じ、蘇東坡が残した文化遺産の魅力を知る。
美しい中国
民間に生まれた文化が宮廷、官府で発展、洗練
 保定は元代から都を防衛する首都の南門という戦略的要衝の役割を担ったが、政治的、軍事的に重要な地位を与えられたことは、保定に商業の発展と文化の繁栄をもたらした。直隷総督署にほど近い西大街はかつて商業の中心として発展した。さまざまな店が立ち並び、看板が連なり人や車が行き交ったこの通りには、全国各地から大小の商人が集まった。その繁栄は、青レンガと灰色瓦の古い建物群や時代のついた看板から今も感じられる。
 保定人はもともと創意工夫が大好きで、生活に対する自分なりの探求を重視する。保定の職人が発明した保定鉄球は早くから全国に広まり、この地を代表する文化的符号になっている。国指定の無形文化遺産である徐水の獅子舞も保定の人々の努力で異彩を放つ芸能に育ち、中国北方の獅子舞の宗師とされている。また、この地の人々の飲食についてのこだわりは直隷官府料理として結実している。このみそ味に代表される料理は独特の味わいを持つだけでなく、その背景に語り尽くせない物語を秘めている。
 今月は先月に続き河北省の保定を訪ねるが、とりわけ保定の人々が生み出した文化とその背景にある物語を掘り起こし、保定精神に触れてみたい。
report
「斉了会」訪中団の半世紀
 日本で中国語を学んでいる日本の大学生が中国に留学し、また夏休みや冬休みを利用して中国各地を訪れて、日本語を学ぶ中国人大学生と交流する短期研修は珍しくない時代になった。しかし、今から半世紀前の1965年当時、まだ日中国交正常化交渉が「アヒルの水かき」だった時代に、意欲的な学生たちによって実現したのが「斉了会」の訪中だった。あれから半世紀。既に老域に達しているかつての参加者有志は昨年秋、活動をDVDにまとめた『斉了会の50年』を発行し、晩秋には北京で、「中国斉了会」と共に出版記念祝賀会も開催した。
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