People's China
現在位置: コラム漢方の知恵

2つのツボで、健康・長寿を

 

張北海=文

『太平恵民和剤局方』は宋代の初の国定漢方薬処方集で、その中に「十全大補湯」という広く知られている処方がある。朝鮮人参、白朮、ブクリョウ、炙甘草、熟地黄、白芍薬、当帰、川芎、黄耆、肉桂という10種類の漢方薬が調合され、濃厚でおいしいスープでありながら、薬膳でもあり、栄養たっぷりで、滋養にすぐれている。主に気血の不足、食欲不振、持病による衰弱、顔色の悪さ、下肢のだるさ、疲労、治らない瘡・潰瘍、女性の月経期の異常出血などの治療に効果がある。長く服用すれば、冠状動脈心臓病、高血圧、糖尿病、貧血、喘息、体の衰弱にある程度の効果もある。

現代社会に生きる人々は生活リズムが速く、仕事と生活の中のプレッシャーが大きい一方、運動する時間の余裕があまりない。そのため、体の新陳代謝が低下し、体内の毒素の排出ができなくなる。特に中高齢者は老衰を遅らせるために、養生効果のある2つのツボを常にマッサージすると、「十全大補湯」にも勝るとも劣らぬ効果を得ることができる。

その2つのツボとは、養老穴・養老点の2つで、養老穴については本誌2月号ですでに紹介したが、そのツボと共にさらに「養老点」を押すと、その効果はより著しくなり、高血圧、動脈硬化、頚椎症、アルツハイマー病、めまい、息切れ、耳鳴り、記憶低下、指のしびれ、上肢のだるさ・痛みなど高齢者によくある病気に対し、改善効果がある。また、寝違えたり、腰の筋を違えたり、呼吸の際に脇腹の不快感を覚えたり、しゃっくりが止まらなかったりする時にも優れた効果がある。高齢者の身体の器官の退化、老衰などさまざまな問題にも改善効果が著しい。暇な時、常に養老穴と養老点を刺激していると、現代医学の言葉で言えば、体の微循環を改善することができる。

ただ押すだけで、高価で手のかかる「十全大補湯」並みの効果があるこのツボを、ぜひ高齢者の養生に活用して欲しい。

 

【メモ】

養老穴:小指側の手首の骨が飛び出た部分の骨と骨の隙間。ゆっくりと呼吸しながら、1分間ほど人差し指の腹で押す。

養老点:手のひら側の小指の付け根。ツボを鈍痛がするまで人差し指の先で押す。毎回両手のツボをそれぞれ2~3分間、毎日朝、昼、晩の3回マッサージする。

 

北京軍区総病院の主任理療医師で、20数年にわたって高齢者医療保健活動に従事している。中国国学院大学客員教授、専門家委員、康寿養生専門家。

 1986年から人体の経絡(人体の気血・ツボの筋道)についての研究を始め、経絡による手診、面診、舌診、脈診、眼診、耳診などの漢方診断法、ツボ押し、民間食事療法の真髄を一体にし、短時間で人体の経絡を開き養生・治療効果を出す「張氏経絡管道快速開通法」を確立した。

同コラムの最新記事
下痢に効くツボ「天枢」
息苦しさに効く「膻中穴」
便秘に効く「支溝穴」
冬至にこそ1年の活力をつける
膝の痛みに効く三つのツボ