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北京マラソンで自己ベストを

 

昨年の北京国際マラソンに参加した筆者

 

森 雅継 (もり まさつぐ)

1968年8月生まれ、東京都出身。フリーランス通訳。早稲田大学商学部卒業。2005年、14年間勤めた日本の会社を退職し単身北京へ渡る。中国企業に6年間勤務し、2011年より通訳の道を歩み始める。

 

「光阴似箭=光陰矢のごとし」。早いもので、北京生活もとうとう10年目に突入しました。脱サラを果たして、通訳の道を歩み始めてから約3年が過ぎ、中国語のスペシャリストを目指して日々翻訳や通訳業務に取り組んでおります。

中国語に初めて接したのは中学3年生の頃とかなり早く、それから第2外国語として2年間履修しました。選択理由は、「英語圏の国々の人口をすべて集めても中国の人口には及ばない」という事実を知ったからです。大学入学後も同じく第2外国語で4年間履修し、いつかは中国語を仕事に生かしたいとの希望を持ち続けていました。残念ながら日本での在勤中はその願いがかなわず、36歳の時に清水の舞台から飛び下りるような心境で、安定したサラリーマン生活に見切りをつけ、単身北京に渡りました。

それからスタートした第二の人生。留学経験ゼロの私は、中国企業の一社員として中国語漬けの毎日を過ごしました。給与も現地人と同じ水準で、セレブな駐在員ライフとは程遠い、つつましい庶民生活を送りました。こうした中、中国語自体に対する興味が強まり、かつ社内での商談通訳の経験などを通じて、「中国語力で食べていきたい」という希望も芽生え、3年前から異国でのフリーランス生活という第三の人生をスタートさせています。通訳としてはまだまだ駆け出しですが、会議場での同時通訳も幾度か経験させていただき、また友人たちとの付き合いの中で生きた中国語を学びつつ、充実した日々を送っております。

さて私は、中学・高校では野球部に、大学では自転車部に所属するなど計10年間の運動部生活を送りました。現在は、市民ランナーとして各種のマラソン大会に出場しております。毎年の最大の目標は、10月に行われる「北京マラソン」です。北京に来て1年目から9年連続で完走を果たしており、ベストタイムは3時間24分34秒です。また4月に行われる「北京国際10㌔マラソン」でも、年代別で13位に食い込んだ実績があります。

北京でお気に入りのランニングコースは、オリンピック競技場北側の森林公園にある1周5㌔のコースです。ここで、毎週土曜日朝8時から20㌔以上のロードワークをしています。マラソン熱が盛んな日本とは異なり、中国ではランニング人口がそれほど多くないので、逆に仲間同士ですぐに打ち解けあい、しばしば集団走行の練習などに飛び入り参加したりします。ただ、このところ全国各地でマラソン大会が開催されており、競技人口は着実に増えています。また私ももう40代半ばですが、この年代でいまだに記録を伸ばし続けている知り合いが大勢います。このところ故障に見舞われ、全力を出し切れていないレースが続いているので、ぜひ彼らを見習って自己記録の更新にチャレンジしていきたいと思います。

私自身は、中国在住日本人の方に対して、このような地元密着型の生活を必ずしもお薦めはしません。やはり両国間の経済的な格差が大きすぎて、対等に相互交流することは極めて困難だと正直思っています。ただ私のような「一般庶民」の日本人が、1人くらいはいてもいいのかなと思いつつ、今日も自転車でスーパーマーケットへ通い、「买一送一(一つ買うともう一つサービス)」の食品を買いあさっています。

 

 

人民中国インターネット版  2014年9月

 

 

 

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