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端午節 野に遊び、先祖をしのぶ

 

ちまきを食べる

 

ちまきは、各地に共通する端午節の食べ物だ。屈子祠村の人たちは、水に浸したもち米を、アシの葉をつかって三角錐の形に包み、糸などでしっかり縛ってよくゆでる。食べるときにはアシの葉をむき、砂糖をつければ、甘くておいしい。

 

ちまきの起こりは、後漢の欧回という長沙の人に始まるという。欧回はあるとき、汨羅のほとりで三閭大夫と名乗る人物とばったり出会った。彼いわく「端午節には、人々が私を祭りますが、河に投げられた供物はみんな魚に食べられてしまいます。もし、供物をアシの葉に包み、五色の糸で鋭角状にしばれば、魚がヒシの実だと誤解して食べなくなります」と。欧回は、このできごとを人々に教えた。それから、アシの葉で包んだちまきが現れたという。

 

端午節ににぎわう竜船レース  じっさい、ちまきは当初、「角黍」と呼ばれていた。キビ(黍)を角形に包んでいたからで、北方の端午節における古い食べ物である。その後、角黍は南方に伝えられ、その中味もキビからもち米に変わって、「粽子」と呼ばれるようになっていった。

 

古今のちまきは、種類が多い。形によって名付けられたものに、角粽、菱粽、筒粽、称柀(はかりの分銅)粽、枕頭(まくら)粽、などがある。また材料の別では、肉を包んだものが肉粽、アズキあんを包んだものが豆ノウ粽、さらに五仁粽(五種のさねを入れたちまき)、棗粽などがある。棗粽は、「早中状元」(早く状元になる。状元とは旧時、科挙の最高の試験・殿試に一番で合格した者)の「早中」と発音が似ているので、読書人から歓迎された。今では、大学入試を控える子どもがいる家庭で、子どもに棗粽を食べさせることが多いようだ。

 

端午節に食べるのは、もちろんちまきだけではない。昼食にはさまざまなご馳走を並べるが、塩漬けのアヒルの卵、炒めたヒユナなどがある。端午節に塩漬けのアヒルの卵を食べれば、その夏じゅう、できものができないし、頭痛が起こらないといわれる。また、ヒユナを食べれば、暑気あたりや腹痛が予防できるといわれる。端午節の食べ物は、病気を防ぎ、健康をうながすと考えられたのであろう。(丘桓興=文 魯忠民=写真 )

 

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