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心に焼きついた「高倉健」

 

『追捕』で真由美役を演じた中野良子は、その後数十回中国を訪問し、中日文化交流の架け橋となった

2005年、東京国際映画祭の開幕式に出席した中国の張芸謀監督(左)と高倉健

中国と日本には、悠久の文化交流の歴史があるが、戦争などのため1940年代後半から1970年代までは停滞した。しかし1978年の鄧小平氏の日本訪問後、中国は日本から数本の映画を輸入し、それが大きな反響を呼んだ。中でも『君よ憤怒の河を渉れ』(中国語題『追捕』)は爆発的な人気を集め、観客動員は延べ一億人以上に達し、日本映画ブームを引き起こした。

高倉健の演じる硬骨漢のイメージは、中国の二枚目俳優を押しのけて憧れの的となり、中国の若者たちはこぞって、冷ややかな顔に黒眼鏡をかけ、ダスターコートの襟を立てた「健さん」の姿を真似た。また、肩まで伸ばした長髪に革のブーツを履き、清純さの中に火のような情熱を秘めた中野良子の演ずる「真由美」は、中国の青年たちの夢の中の恋人となった。

それから30年。今も中国で、「もっとも有名な日本の映画俳優は誰か」と聞かれれば、中国の人々は「高倉健」と答えるに違いない。だからこそ張芸謀監督は『千里走単騎』(日本語題『単騎、千里を走る。』)を製作するに当たり、自分の青春時代の偶像だった高倉健をとくに招いて主役に据えた。2005年10月22日、日本で催された第18回東京映画祭で、『千里走単騎』は初めて上映され、オープニングを飾った。

 

人民中国インターネット版 2008年11月13日

 

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