「AISEP2008」の一環で羽生善治二冠が北京で講演

 

「アジア国際学生将棋交流企画(AISEP)2008」が5月30日から6月2日まで北京で開催され、中国、日本、シンガポール、マレーシアなどのアジアからの学生14人がこのイベントに参加し、自国の将棋のルールやプロ制度、歴史における共通点や相違点について交流した。また参加者たちは、中国将棋の組織である中国棋院や、北京市中心部の西側に位置する玉淵潭公園を見学し、関係者の話を聞いて中国文化への理解を深めた。

 

羽生棋士、北京の目覚しい変化に驚き

 

このイベントの目玉だったのが、日本将棋の最高峰である羽生善治氏の講演だ。日本国際交流基金の北京事務所では6月1日の午前、羽生棋士の講演が行われ、中日両国の若者や、子供連れの将棋愛好家たちなど約110人が集まった。

 

まず羽生棋士は、四川大地震による犠牲者に哀悼の意を表し、今でも引き続き被災地で救援活動や震災復旧を行っている人たちに心から感謝の意を表した。

 

名人戦の合間を縫って駆けつけた羽生棋士は、首都空港の変貌に驚き、目覚しい発展を遂げる北京はまるで別の都市のようだと感じたという。そして「これは中国の発展や成長を示すだけでなく、北京がオリンピック開催のためにどれほど努力しているのかが分かる」と話した。

 

講演の中で羽生棋士は、日本の将棋の起源や発展を紹介し、それぞれの国の将棋文化を比較して、「ことばが通じなくても、1局対局すれば相手の性格や考え方が見えてくる」と述べ、日本や中国などアジア各国の将棋や西欧のチェスを通じて外国の文化を知ることの大切さを訴えた。

 

講演が終わってから、将棋好きな子どもたちにサインする羽生棋士

 

山内一馬さん: 公園の石机に彫られた中国将棋盤に感心

 

AISEPの発起人であり、このイベントの参加者でもある山内一馬さんは、今回の北京の旅は、中国に対する彼のイメージを変えたという。

 

米国で長い間生活し、フランス文化を研究する山内さんは、中国を遠い国だと考えていた。AISEPのきっかけに2006年から何度も中国を訪れるにつれ山内さんは、中国の食事やアニメ、ファッションなどに「中国と日本には共通点が多い」ことを知った。

 

また北京の玉淵潭公園では悠々自適に、楽しそうに将棋を指す一般の庶民や、公園にある石の机に彫られた中国の将棋盤など見て、中国の将棋は中国の文化や人々の生活に緊密につながっているとしみじみに感じたという。今後はもっと中国の将棋への理解を深めていきたいと話す。

 

「チャイナネット」 2008年6月2日

 

 

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