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黄友義委員:政協のパブリック・ディプロマシーにおける使命

 

 文・写真=王衆一

3月4日、北京の国家会議センターで開かれた政協グループ討議の、報道・出版グループの黄友義委員はインタビューに答え、政協のパブリック・ディプロマシー使命について語り、対外的に中国を紹介することには長期的努力が必要と指摘した。

黄友義委員

黄委員は前回の政協会議では対外友好グループに参加した。グループでの発言で黄委員は、前回所属したグループの作業を総括し、特に定期刊行物『公共外交』創刊の経緯について触れた。

黄委員は、政協の対外交流の過程では、パブリック・ディプロマシーの位置づけは非常に適切だと述べた。「過去、政協が行ってきた対外交流の位置づけはいささかあいまいでした。これは政協は政府ではなく、党の対外交流に属してもおらず、さらに議会でもないためです。しかし、政協のメンバーは中国社会の各レベル・分野の幅広い代表ですから、パブリック・ディプロマシーは政協の対外交流における最も良い位置づけなのです」

黄委員は、それぞれの公民はみなパブリック・ディプロマシーの主体であり、パブリック・ディプロマシーは決して謎に包まれているわけではなく、日常の細部に見られるものだとし、次のように説明している。中国人が海外に出向いた場合、それぞれの個人は国家のイメージを代表している。われわれ一部公民は、海外に出る場合に資質を高める必要があり、政府レベルでも規範化された方法が必要だ。例えば、米国では自国公民に小冊子を配布し、旅行客に対して的確に当該国の風俗習慣に注意を喚起している。これこそがパブリック・ディプロマシーだ。

政協委員としてパブリック・ディプロマシーに参与する黄委員は、特に先ごろアフリカでフォーラムに参加した折に、中国共産党第十八回全国代表大会(十八大)以降の中国の新たな指導者と新たな経済・貿易政策について説明した個人的体験を述べている。「これは、中国を宣伝するいい機会でした」。アフリカ、サハラ砂漠以南のいわゆる“ブラック・アフリカ”は以前から英国とフランスの“なわばり”だったが、アフリカの国家は中国の登場を歓迎している。中国は英米に匹敵する力を持っているため、現地の政府にとってはいいことなのだ。しかし、英米は気持ちよくない。資源は彼らだけが開発でき、道路は彼らだけが修理できるもので、彼らは中国を競争相手、脅威と見なした。特に、中国が現地の国家の政治に口出しをしないというやり方は彼らと違うため、理念的に彼らといささかの衝突があり、彼らは政府、民間の各種手段を使って、中国を新殖民主義と非難し、とにかく中国の顔をつぶそうとした。中国にとって海外投資は新たな取り組みで、模索が必要なのだ。

「これがパブリック・ディプロマシーに力を発揮する大きな空間を提供しています」と、黄委員は実はアフリカの国の政府は中国政府を歓迎していると指摘する。現地の中立的シンクタンクは、アフリカ大陸に中国文化が登場するのは新しい現象で、アフリカの長期的発展に有利であり、中国-アフリカの根本的利益は一致していると認めている。

黄委員が出席した南アフリカのフォーラムでは、中国側は現地のメディアを活用することに成功した。この南アフリカの白人メディアは中国をよく理解していた。フォーラムの進行者は経験豊かな文化人で、中国を研究しており、よく中国を訪れている。彼がフォーラムで、中国のアフリカへの投資は脅威ではなくチャンスであり、アフリカは中国の訪れを期待、歓迎すべきだと述べた。事実が証明するように、現地の人が登場して話す効果はより直接的だ。

長期にわたって対外的に中国を紹介、説明してきたベテラン出版人・メディア人として、黄委員は異文化コミュニケーションが長く困難な特性を持つことを深く理解している。「中国語は、英語やフランス語のように容易にコミュニケーションが取れるものではなく、言語上のコミュニケーション障害があります。文化的、言語的、技術的障害は存在しますが、心のコミュニケーションは急いではならず、長期に対応していく問題です。明晰さを保ち、冷静かつ積極的であることが必要です」と話す黄委員は、中国の急速な発展から、国外の中国に関する情報需要は急増し、われわれ対外情報の供給量を上回っていることを指摘している。現在、われわれは中国文化の海外進出に力を入れており、外国人に向けて“中国の夢”を紹介、説明しようとしているが、これには対外的翻訳事業をいっそう重視することが求められる。中国文化を現地でよく伝わる言語とシステムで有効に紹介していくのは、いずれにせよ異文化コミュニケーションであり、極めて難度の高いチャレンジだからだ。このため、われわれ自身が職務に忠実で、ずば抜けた技術を有するプロフェッショナルなチームを育成しなければならないという。

黄委員は、今期政協新旧委員がそれぞれ約半数となっているが、自ら提出した翻訳立法の提案がより多くの共感を得られ、中国の文化と企業の世界進出をより有効に推進できるよう願っている。

 

注:パブリック・ディプロマシー【public diplomacy】は中国語では「公共外交(gōng gòng wài jiāo)」、日本語では「広報文化外交」とも訳される。

 

人民中国インターネット版 2013年3月6日

 

 

 
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