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政協委員スピーチのキーワードは「改革」「調整」「完善」

 

文・写真=王衆一

第12期全国政協第1回会議第2次全体会議は7日に人民大会堂で行われた

中国人民政治協商会議第12期全国委員会第1回会議は7日午後に人民大会堂で第2次全体会議を行ったが、会議効率はきわめて高く、2時間に満たない会議時間中に、遅福林、林凡、徐輝、劉樹成、周漢民の各氏を含む16名の全国政協委員が提案を行った。金融、権力制度、所得配分、腐敗防止などの分野にわたる発言は1人平均8分以下の時間で行われたことになる。委員のスピーチの中で最も多く登場したキーワードは「改革」「調整」「完善」(完全なものにする、整備するの意)だった。中でも、遅福林委員の『政府改革で全面改革の突破を引き出す』と題するスピーチでは、「改革」という言葉が16カ所に登場した。

遅福林委員が政府改革の必要性を強調

発言する遅福林委員

「この数年、政府機能の転換は一定の成果を得たが、まだ完全なものではなく、政府主導型経済成長モデルの特徴が非常に突出しています」と、遅福林委員はズバリとテーマに切り込んだ。「こうした経済成長モデルは、投資と消費のアンバランス、建設の重複、資源浪費、環境汚染などの問題と同時に、公共サービスの不在を導き出すものです」。同委員はさらに、「政府機能の転換が不十分だと消極的腐敗問題につながり、政府の信頼度を低下させる原因になります」と強調する。

これについて遅福林委員は、行政審査認可制度改革にさらに力を入れることは、政府機能の転換における差し迫った任務となっていると主張する。同時に、すみやかに業界の寡占状態を改革すること、特に行政独占の改革はすでに重大な課題となっていると指摘している。

同委員は以下の4つの提案を行った。1.「成長主義」という政府の傾向を変えることを重点に政府と市場の関係を正常化し、経済運営の中で行政の審査・許可、行政独占という2つの突出した問題の解決に力を入れる。2.政府が社会に権力を移譲することを重点とした社会体制改革のいっそうの推進。3.権力構造の適正化を行政体制改革の重点とし、大部門制度を重点とした行政策定システムの確立と、法定化、専門化された行政執行システムと権威性のある行政監督システムの形成。4.全面的政務公開を政府自身の建設する重大任務として、政務公開、財政公開、司法公開の具体的プランの制定を急ぎ、司法監督、メディア監督、公衆監督の強化を行うこと、今期政府の行政コスト削減行動計画のすみやかな策定。

同委員は、改革には、トップ・デザインの強化、統一的な計画案配、総合的調整が必要だと指摘する。彼は、すみやかにハイレベルでの改革協調機構を打ち立て、全面的改革に対する組織と協調を強めるよう提案している。

周漢民委員は料金徴収の改革を主張

第2次全体会議の席上での周漢民委員の発言には、会場から最も多くの拍手が起こった。彼は、国家は一貫してむやみな料金徴収を正してきたが、それでもこの現象に根本的な変化が見られないことを指摘した。その原因の根源は、権限委譲がある一方で監督がされていないことだという。現在、全国でどれだけの料金徴収項目が行われているのか? その総額はどれだけになっているのか? 料金を取っているのは誰なのか? 料金の用途は? 誰にもはっきりと答えられないことだ。

発言する周漢民委員

彼が列挙した問題のポイントを示す。第1に、料金徴収が好き勝手に放任されていることだ。理論上、料金徴収の行政の設定は人民代表大会にあるはずだが、わが国では「権限委譲」の形で料金徴収の行政権が賦与されることがよくある。第2に、料金徴収の範囲が不適当に緩められていることだ。行政部門が提出する料金徴収項目を実施する時に、徴収の範囲対象を増やすということがよく出現する。あるいは、大きな概念で料金徴収範囲の境界をあいまいにすることもある。第3に、料金徴収の時間的延長だ。現在、多くの料金徴収項目には終了時期が決められておらず、徴収期間が明記されていたとしても、その期間は形式上は存在するが実際には守られていない。例えば、わが国の一部高速道路、橋などの施設は、料金徴収期間を過ぎても依然として徴収が続けられている。第4に、徴収した料金の用途が変更されていることだ。権限を得るために、行政部門が徴収した料金の使用方向と用途を非常に大切だと説明するが、いったん認可を得ると徴収された料金の方向と用途に変化が生じるのだ。第5に、徴収された料金に対する監督が軽視されていることだ。行政上で料金徴収の申請がいったん認可されると、徴収された料金の使用は行政部門の内部事務となる。現在流行しているのは「収支の収と支は別々」というもので、多くは国民にあいまいでおおまかな説明しかしていない。第6に、料金徴収の権限が外部委託されていることだ。料金徴収の直接主体として現場の公務に携わる職員には、サービス意識や公民意識が欠如している。

彼は短期的には、むやみな料金徴収に対する厳格な制限が急務だと指摘している。1.量的な制限。現在の関連制度が不充分な状況下では、一時的に料金徴収項目の権利委譲を一切停止する。2.責任の制限。行政料金徴収総額の割合を慣例の統計発表の情報範囲に組み入れ、料金徴収の権限を委譲すると同時に必ず料金徴収相応の責任履行を規定する。徴収料金の目的、用途の公開を願わないものには権限委譲を行わない。3.権限の制限。すべて料金徴収項目の主体は変更、移管を禁止し、料金徴収権の外部依託を厳しく禁止する。4.使用の制限。料金徴収の範囲超過、規定超過、使用中に勝手な流用が存在する部門に対しては、一定の期間内に徴収増加を申請できないという規定を設け、行政に対する不誠意な行為として処罰する。5.時間の制限。すべての料金徴収の権限委譲は、必ず厳格な時間的制限を有することとし、超過しての料金徴収には必ず追訴・追究する制度を実行する。

彼はまた中長期については、公開、公平、透明で、整った料金徴収の法的制度体系を打ち立て、『行政料金徴収法』の公布が待たれるとしている。同時に、以下の点についても提案している。1.料金徴収許可権限委譲の多元的評価システムと徴収料金使用評価制度の確立。2.企業と公民の申し立て制度の完備。3.料金徴収負担指数の設立。企業の中に料金徴収負担定額記録制度を確立し、公民の中に料金徴収負担定性評価指数を設立し、統一的な指数システムを確立、その地の指導部門の成績評定とリンクさせ、料金徴収権限委譲とリンクさせる。

委員の素晴らしい発言に拍手が起こった

 

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