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在日華人学者が両会を議論 「大部門制」は必然的な流れ

 

日本の中国語新聞「中文導報」は、両会の焦点が在日華人学者の間で議論され、学者は両会に関する考えと希望を積極的に示したと伝えた。

「大部門制」は行政改革の必然的な流れ

今回の両会では、「大部門制」を中心とする行政改革が話題となった。鉄道部と交通運輸部を統合し、国家広播電影電視総局と新聞出版総署を統合し、計画出産委員会を衛生部に編入させる計画。国務院機構の統合、削減、権限移譲を通して「小さな政府 大きな社会」を構築する方針だ。中国の行政改革の課題について、日本の明治学院大学政治学科教授で行政学者の毛桂栄氏はインタビューに対し、「大部門制」の行政改革は必然的な流れだとの見解を示した。

毛教授は、中国が実施する「大部門制」は日本で「巨大」と言われ、改革の全体方針は正しいと話す。行政学には、1人が管理できる部下の人数は限られているとする「管理の幅(span of control)」という概念がある。内閣の下に50も100も省庁があれば、総理大臣は管理しきれない。同様に、中国の国務院にも以前は40~50の部・委員会があり、総理は行き届いた配慮ができない状態だった。現在は28の部・委員会に減ったが、まだ削減・統合する必要がある。一般的に、国の行政機関は20前後で、日本はわずか12機関、大臣は合わせて16~17人である。これは橋本龍太郎氏が首相時代に行った行政改革であり、2000年以降に実施した「省庁再編」の成果でもある。

毛教授は、「大部門制」の方針は正しいが、実行のプロセスが複雑で進展が遅いと主張する。たとえば、鉄道部と交通運輸部を統合し「大交通」体制を形成する、国家広播電影電視総局と新聞出版総署を文化部と統合し「大文化」体制を形成するなどである。鉄道部には数十万人の職員がおり、改革後の職員の振り分け、公務員の立場などが課題となる。実は、鉄道部の統合案は2008年に出されていた。

統合後、規模が大きく職員の多い部門をどのように管理するかについて、毛教授は次のように提案した。部・委員会の統合後に機能の調整や移転を行う必要がある。たとえば、鉄道部の管轄下にある政策の制定と実行を担当する部門を分け、立案部門をそのまま残し、実行部門を企業化し国営企業を設立することも可能である。業界団体、公的機関、企業などの設立を通して機能の移転を行うことができる。日本の場合、特別行政法人を設立した。

また毛教授は、「行政学の角度から言えば、この方法は効率を高めるだけでなく、相互牽制、相互監督の役割も果たすことができる。わかりやすく言うと、政府は裁判官になったり、スポーツ選手になったりすることはできない。機構を簡素化して少数精鋭で行うという方法は大きな流れであり、『小さな政府、大きな社会』は世界的にも繰り返し行われている」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月14日

 

 
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