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内側に絵のある鼻煙壺(嗅ぎタバコ入れ)

 

文=楊振生

「鼻煙壺」は、嗅ぎタバコの容器だ。嗅ぎタバコは17世紀中ごろにヨーロッパで流行が始まり、のちに中国に伝わった。初期の中国では、特別な嗅ぎタバコ入れが制作されることはなく、清代、道光年間(1821~1851年)以来、宮廷内の養心殿造辧処で特製が作られるようになった。壺の蓋の内側には小さじがとりつけられ、粉末タバコをすくうのに便利、しかも小型で持ち運びが容易だった。水晶彫刻、金と漆細工、竹木の彫刻、書、絵画など各種の工芸技術を一身に集め、中国工芸美術の集大成といわれる。

絵が美しく細工が優れた嗅ぎタバコ入れ

北京は中国明清代の王朝の首都であり、内部に絵を描いた嗅ぎタバコ入れの発祥地であり、その画家たちは、北京の深い文化を吸収し、詩、書、画、印を縦横に駆使した北京派の芸術風格を次第に形成した。

北京の民間の見事な技である内側に絵の描かれた嗅ぎタバコ入れをみせる民間工芸の大家

北京の嗅ぎタバコは、一般にガラスを原料とし、高価なものになる玉、水晶、瑪瑙、翡翠などで制作する。材料の価格によって数十元から百元となり、高価なものは収蔵品、投資の対象となる。北京の瑠璃廠、王府井、前門などで売られている。

収蔵と投資の両方の価値を供えた清、乾隆年間(1736~1796年)に制作された嗅ぎタバコいれ

 

人民中国インターネット版 2013年10月18日

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