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太原への道

 

 写真④  写真⑤



 冷たい野菜そば(写真④)

 

第5日目の円仁日記はごく簡単である。昼食の後、西南に二里歩いて、とある普通院に泊まった。一行は行く先々で粥を出されているが、だいたいキビの粥であった。粥が冷たいと円仁は不機嫌だった。時には漬物、豆腐、野菜などもついてきた。私が豆店村で食べたような冷たい野菜そばを食べる機会は、円仁たちにはなかっただろう。

 

石橋とロバ(写真⑤)

 

豆店村の南を走る唐代からの道路は、トウモロコシ畑に残っているこのような石橋を渡って行く。この光景は、ロバを引いて旅を行く、円仁の従者丁雄満の姿を再現したものだ。このロバは近くの龍池村から借りてきたのだが、問題は、村中の人間もぞろぞろとロバの後ろからついてきたことだった。ロバもまた頑固で橋を渡るのを嫌がった。そんなわけで、狙いどおりの場面をうまく写真に収めるのには苦労した!

 

写真⑥  写真⑦



 龍池(写真⑥)

 

龍池村の龍王堂にある龍池の水は、数世紀にわたって疲れた旅人の渇きを癒した。いつの時代でも旅をする者に最も重要なのは、水がどこにあるかであったから、道路は泉や井戸や川のほとりを通るように設定された。

 

 巨大な線香(写真⑦)

 

円仁の日記には「仏前に香を焚く」という言葉がよく出てくる。尊勝寺でこの巨大な線香を見たとき、私には、敦煌莫高窟の壁画に描かれている僧たちが手にしているものが何か初めて分かった。

 

主要道路に戻った円仁は、旧暦7月6日の日記に、五台地区の境界にそびえる重層の山門をくぐり抜けて、五台県を通過したと書いている。この記述は、やはり敦煌壁画に描かれているものと一致する。続いて一行は蔡沱河を渡り、南岸にある寺に一泊した。

 

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