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冬至節

薬膳を食べ、靴を贈る

 

漢方薬の市場。四川省の各地では、冬至に薬膳を食べる習慣がある


冬至から「数九寒天」(1年中で最も寒い時期)に入り、体が弱い年寄りにとっては、辛い時期だ。そこで、南方の各地でも、冬至になると年寄りに薬膳を食べさせる習慣がある。

 

 四川省の成都平原では、冬至の当日、道端に漢方薬の屋台が並ぶ。竹籠を背負った人々は、年寄りの体質に合わせて、黄ギ、地黄、当帰、天麻、朝鮮人参などの薬材を買い、それを使って鶏や豚の肉を煮込んで年寄りに食べさせる。現在は生活が改善されたので、薬膳で体を強くすることが習慣となっていて、若い人たちも火鍋のときに、黄ギやクコの実などを入れて気を補い、目を明るくしたり腎臓を丈夫にしたりするようだ。

 

寒い北方では、年寄りに暖かい服を着させ、無事に冬を過ごしてもらうことが、年下の者の願いである。遅くても2000年前の漢代には、宮廷でも民間でも年寄りに靴や靴下を送る習慣があった。三国時代(220280年)、曹操の子・曹植は、『冬至に履バツを献ずるを頌える表』で、「靴や靴下を贈り、福を招いて長寿を享受する」と書いている。靴や靴下を贈ることで、年寄りに幸せと長寿をもたらしたのだ。

 

 北方の各地では、今でも嫁が冬至に舅と姑に新しい靴や靴下を贈る旧俗が残っている。結婚式で花嫁が、舅・姑に祝福の靴を贈る習慣もある。

 

「消寒図」と冬の遊び

 

太極図の「九九消寒図」(清末)



冬至から「数九」が始まる。「数九」とは9日間ごとを1つの「九」とし、「1九」「2九」と9つの「九」まで数えることで、これによって、天気の変化や冬に別れを告げて春を迎える気持ちを表している。広く流行したある童謡は、「12九は、寒くて袖から手が出せない。34九は、川が凍って氷上を歩いているよう。56九は、川辺で柳を観賞する。7九になると川が溶け、8九になると雁がやって来る。9九にもう1つ九を加えれば、辺り一面、牛が田畑を耕すようになる」と歌う。

 

寒くて出かけられなくても、人々は自分で楽しみを探す。「九九消寒図」もその1つであり、これによって春の訪れを待つ。ある消寒図には「亭前垂柳珍重待春風」という9画の文字が9つ書かれている。毎日、赤いペンで1画ずつなぞり、すべての文字が赤くなったら、春がやって来る。木版刷りの梅の消寒図は、画仙紙に1枝の梅が線描きされたものだ。その花びらは合わせて81枚あり、毎日、梅の花びらを1枚ずつ赤く染める。81日後、春がやって来るころには、地味だった梅がすべて紅梅に変わっている。

 

雪花が舞うと、大人たちは雪景色を観賞し、子供たちは庭や道端で雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりして楽しく遊ぶ。川や湖に厚い氷が張ると、若い男女はスケートを楽しみ、子供たちはソリ遊びに興じる。

 

 人民中国インターネット版

 

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