People's China
現在位置: 2010年 上海万博インタビュー

メディアのため最大限の便宜を

上海万博事務協調局スポークスマン、広報部部長徐威

孫玲=聞き手

――上海万博事務協調局(以下、万博局)は、メディアに対するサービスの分野でどのような特色を持っているのでしょうか

万博期間中、私たちは、開会式や閉会式などの大きなイベント、テーマフォーラム、サミットフォーラム、すべての国家館のナショナルデーや国際機構のスペシャルデー、各中国省・自治区・直轄市イベントウィークのオフィシャルセレモニーに高精細な公共生放送電波を提供する業務を行っています。これは、テレビ、ラジオに対する大きな特色と言えるでしょう。

万博プレスセンターの大きな特色は、メディアにサービスを提供するだけでなく、出展側に対するサービスを持つことです。出展側は取材を受けることを強く希望していますが、メディア対応より日常的に行わなければならない運営の仕事が多いのです。そこで、私たちは出展側に記者の取材に積極的に応じるよう促すとともに、一方で出展側が伝えたいと思っているものをニュースメディアに取り次いでいます。

コミュニケーションの面では、私たちはネット上のプレスセンターであるEニュースセンターを開設し、万博の登録記者に対し、万博関連取材の連絡やプレスリリースのタイムリーな公表を行っています。稼働初期には、一部のパビリオンでメディアへの情報提供が遅れたり、一部の出展者でニュース担当が変更のあることを発見しました。このため、出展者とのコミュニケーションを通して、プレスセンターでは六月中旬から各出展者にEニュースセンターのアカウントを発行し、出展者のニュース担当がEニュースセンターを通してほかの館の広報活動を理解することができるようになりました。このほか、携帯電話のショートメールや作業エリアの大型スクリーンの総合情報などのプラットホームを通して、記者に取材情報、サービス情報を提供しています。

――万博局は、中国に来る海外メディアにどのようなサービスを提供していますか

私たちの内外のメディアに対するサービスは同じで、彼らの仕事に利便性を提供することです。当然、外国記者は万博の多くのことについてよく知らないので、私たちは説明もします。記者が求める取材にはアポイント、取材場所が必要ですが、その場合、私たちの施設を使うことができます。私たちはIBC(上海万博国際放送センター)を設置し、上海からアジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸、中東へとワンストップ式の衛星送信サービスを提供し、多くの外国メディアに感謝されています。内外のメディアに対して、私たちは統一的に国際化、標準化されたサービスを提供し、彼らに利便性の高い仕事環境を提供しているのです。

――外国メディアは、一部の記者が順番を守らず、優先的に入場する現象が見られると指摘しています。これについてはどう思われますか

その言い方はあまり公平とは言えません。私たちは、すべてのメディアの入場について厳格に管理しています。登録記者の場合、もし仕事上必要であればほかの人より先に入場できます。例えば、ある記者がアメリカ館に取材する場合、何月何日の何時に行うか、私たちはアメリカ館と連絡を取りますが、取材を受けるかどうかはアメリカ館の権利です。一部のパビリオンは、記者の取材を非常に歓迎しており、このため彼らをVIP通路から案内します。一部のパビリオンでは観客が多く、取材を受けないかもしれません。ですから、メディアが特権を持っているというわけではないのです。

外国メディアは積極的に評価

万博開幕以来、国内メディアのみならず、多くの海外メディアがプレスセンターの仕事ぶりに感謝の意を表している。六月中旬、プレスセンターが主催した座談会の席上、国内外メディアがしきりにプレスセンターが温かく居心地のいい「記者の家」になっていると賞賛した。

五月十二日、ドイツのテレビ局ARDがIBCに手紙を送り、IBCが万博開幕前後に優良な技術とサービスを提供、ARDの万博生放送報道の成功を確保してくれたことに感謝の言葉を送った。四月二十六日から四月三十日にわたって、ARDが運営する第一テレビは『未来都市』という名のシリーズ番組を上海から生放送したという。毎日三回、八分間の万博会場と上海市内からの生中継を行い、テーマ報道として万博と上海社会の発展について伝えた。ARDの礼状が紹介するところによると、この番組はドイツで平均視聴率二一・六%、平均で毎日四百七十九万人が見たという。

五月二十七日、ロイター社テレビ部が上海万博プレスセンターに手紙を送り、万博プレスセンターとIBCが開会式と開場セレモニーのテレビの公共中継放送に対し感謝を表した。手紙の中で、世界のテレビ局が競って四月三十日の開会式と五月一日の開場セレモニーの公共配信を放送したと紹介。四十七のテレビ局が開会式を中継し、関連ニュースを四百回以上放送した。また、二十一のテレビ局が開場セレモニーを中継し、関連ニュースを百二十回以上放送した。ロイター社は引き続き万博に注目しており、主催者側との協力をさらに進めたいとしている。

データ

今回の万博では、メディアサービスの主要な建物は、プレスセンター、IBC、浦西サブプレスセンター、メディア登録センターとなっている。プレスセンターは万博センタービルの西側にあり、面積は約一万二千平方メートルで、メディアパブリック業務エリア、メディア専用業務エリア、記者会見ホール、総合サービスカウンターなどの機能エリアを有する。パブリック業務エリアでは最大八百名の記者が同時に作業することができ、最大の記者会見ホールは六百人を収容できる。IBCの主要部分は万博センターの西側四階にあり、三千五百平方メートルを占め、十八回線が同時に送信できる。IBCにはテレビラジオのコントロール・オペレーションルームがあり、テレビ生放送スタジオが十室あり、四つのラジオ放送室、五つのネットテレビ放送室がある。

八月十九日の時点で、メディア登録センターが発行した内外メディアの登録証は累計で一万二千五百二十五枚。そのうち国内メディアは一万百六十六枚、香港・マカオ・台湾メディアが五百六十五枚、外国メディアは千七百九十四枚となっている。八月二十日時点で、万博会場に入場したメディア登録者の数は、延べ十三万八千三百六十九人となっており、そのうち海外メディアの登録者は延べ九千九百二十七人である。七月末までで、プレスセンターでは百回以上の記者会見と質疑応答が行われた。ネット・プレスセンター(Eニュースセンター)がアップロードしたデータ、発表、情報、プレスリリースなどの原稿は六千近くに上っている。そのうち、千三百本は英語の情報であり、クリック数は九百三十万回を超えている。IBCが制作した国家館のナショナルデー、中国各省・自治区・直轄市イベントウィーク開幕式、テーマフォーラム、オフィシャル記者会見などの生放送データは百四十に及び、生放送番組は二百六十時間を超える。オフィシャル・テレビニュースチームは九百のテレビニュースを撮影、内外メディア向けに二千七百分のニュース素材を提供している。IBCはさらに内外のメディアと出展者に約百二十回の録画制作、衛星送信など技術的サービスを行っている。

 

人民中国インターネット版 2010年9月7日

 

 

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