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夢はかなうもの

文=笈川幸司

サイト『人民中国』をご覧のみなさんは、こんな話を聞いたことがありませんか?

自分が将来なりたい姿を具体的にイメージする。行きたい場所をネットで調べたら、それをノートに貼って毎日眺める。そうすれば、夢はかなう…。

先日、私は我究館という日本最大の就職スクールの館長・杉村太郎先生にお会いしました。彼が北京に来たというニュースは五月下旬に『人民中国』でも取り上げられていましたよね。(http://www.peoplechina.com.cn/zhongrijiaoliu/2011-05/27/content_361107.htm

実は、今年三月に出版された『笈川日本語朗読教科書』(大連理工大学出版)の一番最初の文章『アツイコトバ』は、杉村館長のものです。

2011年5月15日に天津図書センターで行われた新書出版サイン会。出版された新書は『笈川日语朗读教科书』、『对话笈川』と『笈川基础会话』の三冊である。(写真提供:笈川幸司)

私は、その文章を初めて読んだとき、これまでにない大きな衝撃を受けました。そして、死ぬまでに一度でいいから彼に会ってみたい。いいえ、声だけでもいいから聞いてみたいと思いました。

それから四年、嫌なことがあったとき、疲れて部屋に戻ってきたときは、きまって『アツイコトバ』を手に取り、ページをめくりました。

私は、今のまま頑張っていけば、いつかきっと杉村館長に会える日が来る!と考え、それまでにできるだけ多くの実績を積んでおこうと決めました。もしかしたら、努力の方向は違うかもしれませんし、私の努力を杉村先生が見てくれる保証もありません。しかし、杉村先生に会ったとき、恥ずかしくないように本気で頑張ってきたつもりです。その間、いま日本で最も尊敬されている池上彰先生にも、鳩山由紀夫前首相にも、歌手の谷村新司さんにも会ってお話を伺う機会に恵まれました。そこで励ましの言葉、頑張る原動力をいただきました。ですから、仮に一生杉村先生に会えなかったとしても、毎日の頑張りが無駄になるわけではないと思っています。

とにかく、私はほぼ毎日のように彼のホームページと彼の経歴を見て、彼の書いた本を読み続けました。そして、頭の中ではいつも杉村館長と握手をし、一緒に食事をしながら私の夢について語っていました(笑)。イメージは具体化されたのです。

杉村太郎館長は日本で大変有名な人物ですから、私から連絡をとることはできません。だからといって、あきらめたことは一度もなく、ずっと機会を求めていました。

今年四月、杉村先生のスクール・我究館の方から、私のもとに連絡がきました。私はそのチャンスを絶対に逃さない。死んでも逃さない。そう思いました。

大連の笈川特訓班(写真提供:笈川幸司)

先日、杉村先生が私に会いたいと言って、北京に来てくださいました。しばらく夢ごこちでしたが、今回私の夢がかなったのは、私が特別な人物だからではありません。10年前、北京に来たばかりの私は、自分の人生に疲れ、自分の人生を投げ出す寸前でした。

しかし、そのときに出会いに恵まれ、他人のために頑張ろうと決意したことで、夢を見続けることができました。もし、いま、あなたが自分の将来を不安に思ったり、夢が見られないというのなら、一度笈川特訓班に参加してください。今からでも遅くはありません。あなたが私との出会いを大切にしてくれるのでしたら、それ以上うれしいことはありません。今からでも絶対に大丈夫です。一歩一歩ゆっくりと前に進んで行きながら一緒に夢を見ませんか?

 

笈川幸司

1970年埼玉県所沢市生まれ。元衆議院議員公設秘書。元漫才師。

2001年に北京に来て、10年間清華大学、北京大学で教鞭を取る。10年間、中国人学生のため、朝6時に学生とのジョギングから始まり、夜中までスピーチ指導を無償で行い、自ら日本語コンテストを開催、中国全土の日本語学習者に学ぶ機会を提供している。また、社会貢献をすることで、日本大使館、日本国際交流基金、マスコミ各社、企業、日本語界から高い評価を得ている。2011年8月から2012年7月までの一年間、中国540大学で11万人の日本語学習者を相手に「日本語の発音、スピーチの秘訣」についての講演を実施する予定。「ジャスロン日语学习沙龙」のホームページ:http://neo-acg.org/supesite/

 

人民中国インターネット版 2011年6月9日

 

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