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第十六回 北京で中医の診察を希望する方へ

 

馬島由佳子=文・写真

第15回で、『中国では、病院によっては外国人専用の国際医療窓口を設けているところや、主に日本人を対象にした病院に中医師が常駐して日本語対応を行っているところもあります。読者の皆さまも、旅行などで中国に行く機会があり、気になる症状があれば、中医師に相談してみてはいかがでしょうか』とまとめました。その後、読者から、「日本語がわかる中医師や通訳者が付き添ってくれる中医の病院はどこにあるのか?」「中医婦人科にかかりたいが」というご質問をいただきました。今回は、北京市内にある病院から回答いたします。

慢性化した病気を1,2回の中医の診察で完治することは、極めて難しいですが、試しに1度中医の診察を受けて、現在の自分の体がどんな状態にあるのか知りたい場合や、北京に滞在する時間が長くて通院が可能な方は、北京五洲婦児病院に行かれてみてはいかがでしょうか?

北京五洲婦児病院外観

北京五洲婦児病院は、2004年設立の北京大学人民病院医療グループ傘下の病院で、産婦人科と小児科を主体とする総合国際医療機構です。市内ビジネス区に位置しており、交通アクセスも便利な環境にあります。

院内受付

日本語医療通訳を担当する国際部経理の劉秀娟さんにお話を伺いました。

「五洲婦児病院は全科を揃えた、産婦人科と小児科が主体の総合国際医療機構です。特に、産科、婦人科、小児科は高い評価を受けています。また、美容医療は最新技術を導入し、国内の他院からも注目を集めています。当院はトップレベルの医療設備を完備し、優秀な医師が治療にあたっています。国内外の患者様のさまざまな健康ニーズに合わせ、個別の医療サービスに力を入れて、質の高い医療を提供します。日本の患者様で、通訳が必要な時は、私が診察に同席いたしますのでご安心ください。また、日系を含む、80社の海外医療保険会社と提携していますので、ご加入者にはキャッシュレスサービスの対応も行っています」

劉さんに中医科を紹介してもらいました。中医科には3名の中医師が常駐しています。

任啓瑞中医師

中医科首席専門家の任啓瑞中医師は「私は北京中医薬大学を卒業後、46年にわたり、中医内科、中医婦人科、中医皮膚科の多くの難病の治療を専門に研究し、治療にあたってきました。現在、月曜から金曜まで診察をし、毎日10名ほどの患者が訪れます。ほとんどの方が、月経のさまざまな病気、乳腺病などの婦人病の治療です。日本の方はまだ診察にみえたことはないですが、通訳者がいるので、緊張なさらず、中医の診察を体験してみてください」と話してくれました。また、任中医師は、大病後のリハビリや養生の研究にも力を入れているとのことです。初診料は60元(2013年1月現在1元=約13円)、再診は10元。診察後、中薬(漢方薬)服用の必要があれば処方箋が発行されます。中薬は病院内の薬局か、外部の中薬薬局で購入します。鍼治療は100元です。

女性の李巍中医師の初診料は20元、再診は10元。李中医師は推拿(按摩)治療150元も得意としています。劉さんを通訳として診察を希望する場合は、事前に電話予約をして下さい。電話13161144599(日本語)、010-67705558(日本語・英語対応)。

五洲婦児病院日本語HP http://jp.globalcarecn.com/

そのほか、日本語が話せる中医師は、本連載第2回にご登場いただいた中日友好医院の史載祥中医師。診察時間は月曜と木曜の午前(8時から12時)、診察料200元です。第1回にご登場いただいた杜金行中医師は 月曜午後(1時から5時)と木曜午前、診察料14元です。この二人の中医師は、中日友好医院の外国人専用窓口の国際医療部ではなく、一般の診察部門にいらっしゃいます。

中日友好医院日本語HP http://www.zryhyy.com.cn/News/Main?siteId=1145

第15回にご登場いただいた仁泰クリニックの何齐平中医師は金曜のみの診察で、初診料600元、再診600元、鍼350元、推拿は部位によって300~500元です。何中医師も日本語での診察が可能です。また、クリニック受付には日本人スタッフがいます。

仁泰クリニック日本語HP http://www.rentaimedical.com/index-jp.htm

 

 

馬島由佳子

静岡市出身。

外務省在職中に赴任先の北京で中国医学、特に中薬に魅了され、2001年帰国退職後、財団法人交流協会で働きながら東京・本郷にある北京中医薬大学日本校で学び、2008年に国際中医師の資格を取得した。

現在、『人民中国』インターネット部に勤務。

 

人民中国インターネット版 2013年1月15日

 

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