『孫子』に見る平和への願い
孫武は不戦の思想家であり、その思想は世界の平和を守るうえで大きな影響を与えている。『孫子』の『謀攻篇』には「百戦百勝は、善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり」とある。
5月13日、蘇州市で「孫子兵法国際シンポジウム」が開催され、中国はもとより米国、日本、イラン、マレーシアなどから「孫子の兵法」の研究者百五十数人が集まった。
シンポジウムでは蘇州市孫武子研究会の黄俊度会長が「『孫子の兵法』が長い時間が経っても今日、なお新鮮さを保っているのは、孫子の思想に含まれている『不戦』と『全勝』の思想が、現代社会における世界各国の『平和』と『双贏』(ウィン・ウィン)の発展の要求に合致しているからである。2000年前の呉の国の人々は、『孫子の兵法』を運用して戦いに勝ったが、今日の蘇州の人々は、その思想を用いて社会経済と文化の発展の先頭に立っている」と述べた。
そして「孫子の兵法」のブームが世界的に広がる中で、「『孫子の兵法』の精髄を正確に適用し、広めることは、『調和のとれたアジア』『調和のとれた世界』の建設にとって役立つ」と述べた。
「古より、兵を知るは戦いを好むにあらず」という言葉は、平和を愛し、みだりに武力を用いることに反対し、21世紀の世界の安寧を渇望する中華民族の共通の願いを表しており、まさに『孫子』の思想の境地を反映している。
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