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現在位置: 2010年 上海万博インタビュー

万博がもたらした精神的財産

上海万博中国国家館常務副館長 銭之広氏に聞く

龔海瑩=聞き手

銭之広 中国国家館常務副館長
2010年10月1日は中華人民共和国61回目の誕生日であり、人々の期待のなか、上海万博の中国国家館ナショナルデーもやって来る。

中国国家館の展示面積は1万5800平方メートル、上海万博のすべてのパビリオン中最大であり、展示は「都市発展における中華の知恵」のテーマに関連したものである。ナショナルデーを前に、中国館常務副館長の銭之広氏は本誌のインタビューに答え、この「斗栱」に展示されている中華の知恵について、中国館と万博参観について示唆に富んだ話を聞かせてくれた。

――開会式、中国国家館ナショナルデー、閉会式が上海万博最大の催しだと思いますが、ナショナルデーと国慶節の大型連休を迎えるにあたって、どのような準備を行っていますか。

万博開催は貴重な機会ですが、今回は上海でさらに得がたいイベントの開催ということで、ホスト役を務めます。人々はぜひ見たいと望んでいますし、私たちは参観プランを立案中で、この日はより多くの人に来ていただきたいと思っています。

ナショナルデーと国慶節の大型連休の期間中、展示内容については固定的となっており、全体として大きな変更はありません。私たちが準備しているのは、主にパビリオンのサービス面関連のもので、細かい部分で調整があるでしょう。来館者をよりスムーズに館に案内する、よりよく参観できるようにするなどです。それ以外に、この日はある種の方法で特別な気分を演出する予定です。その場で、あるいは大スクリーンを使って特別なプログラムをお見せし、待ち時間に、参観のときに、来館者のみなさんには特別な体験をしていただきます。

――中国館を参観した人に最も印象深いのは、電子版の『清明上河図』でしょう。なぜこれが展示に選ばれたのでしょうか。また、来館者にとって『清明上河図』に匹敵するようものは、ほかに何があるでしょうか。

展示の選定にあたって、『清明上河図』については少なくとも三つの違ったプランが検討されました。一つは宋代の通りを建築するというもので、『清明上河図』を現実に再現する方法です。ウオータースクリーン方式で表すというものもありました。これは、もう一枚の絵を描くのに相当します。最後に私たちが選択したのが電子版で、これは展示という空間と万博の特殊性を考慮した結果です。電子版の『清明上河図』は、絵画のなかの情景を再現しているだけでなく、そのなかの人物が生き生きと真に迫り、見る人がその情景の中に身を置いているように感じさせます。私たちは当初スクリーンを現在のものよりさらに大きくすることさえ検討しました。歴史と都市という観点から、『清明上河図』は中国古代都市の素晴らしい時代を反映しています。宋代の社会は開放的で、市場も繁栄し調和がとれていました。これは私たちが表現したいテーマと完全に一致します。また、私たちは『清明上河図』を昼と夜に分け、それぞれ二分間ずつ映し出しています。これによって、展示と来館者との相互性がもたらされたのです。

中国館にはいくつかのハイライトがありますが、テーマ映画もその一つです。この映画をどのように見ればいいのでしょう? みなさんには誤った見方があるようで、座っていれば完全な物語を見せてもらえると思っておられる方も多いようです。しかし、万博の理念は、博物館や科学技術館とは違います。来館者のみなさんが注意深く感じ取ることが求められるのです。私たちはエレベータを列車の客室としており、エントランスホールに入る来館者に、新しい都市人の立場を感じさせ、少し興奮させ、少し困惑させ、方角を分からなくさせます。映画が語るのは、数世代にわたる人々の会話で、三つのスクリーンが八の字形に設置され、対話感を強調しています。ほかに、中国館の建築そのものもスポットライトの一つであり、「改革・開放」時代になってこれまでに、これほど中国的情趣の強い建築は多くありません。

中国館はサービス面での効率化を進め、来館者を1日3万5000人から5万2000人に増やした(胡経昌)

――中国館はひとつの概念です。国家館だけでなく、また31の省・自治区・直轄市連合館(以下「中国省区市館」)及び香港館、澳門館、台湾館を参観されたことがありますか。もしあるなら、来館者の立場での感想を聞かせていただければと思います。また、来場者へのアドバイスをいただけますか。

これらの館の大部分は参観しました。パビリオンを参観するとき、展示内容であれ、表現手法であれ、私は新機軸、革新性があるかどうかを見ます。中国省区市館にはそれぞれに特色があります。ある館は外観に特色があります。ある館は技術の使い方が良く、ある館は本物の、独自の文化紹介を特色としています。技術の使用はまず内容を考えて行い、適度に技術が使われるべきで、先進的なほどいいというものではありません。たとえば『清明上河図』は一幅の絵画であり、電子技術を通して来館者のみなさんが記憶するのはこの絵画そのものであって、スクリーンではないのです。

万博の理念は、方式、メカニズムを含む革新、新機軸にあります。これは万博が私たちに残す精神的財産です。上海万博が中国にもたらしたのは世界各国の斬新な展示内容だけでなく、新しい理念の普及もあります。そして、初めて万博を開催した中国にとっては、精神レベルで得るところがより多かったのです。参観後のみなさんが、世界の多元的文化とユニークな表現方法に対して深い印象を持つこと、革新的理念に対してより深く理解することを信じています。

――中国国家館は、万博閉幕後も一定期間観光客に公開されるそうですが、いつ、どのような方法でなど、すでに具体的な構想はありますか。また、いつまで開放される予定でしょうか。

万博は規模が大きいといっても、いろいろな状況があり、誰もがみな現場で参観できるわけではありません。歴代の万博もそうでした。私たちは展示の空間を残すことには、魅力を感じています。幸運なことに、情報時代に暮らしている現代の人たちはいろいろな方法でそれを得ることができます。私たちは心を込めて書籍とDVDで、中国館の展示内容を残しています。これによって、多くの人に中国館の精華を理解していただけるでしょう。

 万博閉幕後は、初期段階の計画では一カ月の間に補修を済ませ、12月1日から引き続き半年間の一般公開を行うことになっています。その内容は本物の万博の展示内容です。できる限り、会期中に中国館を見られなかった人の希望に沿いたいと思います。私たちは合理的な入場料を設定し、物価局の認可を得て一般公開します。そのときには、みなさんの参観を歓迎します。延長展示が終了した後のプランはまだ決まっていません。万博記念館にするという提案もありますが、そうすると館内の展示は会期中とは変わってくると思います。

 

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