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現在位置: 2010年 上海万博インタビュー

次回は2015年にイタリア・ミラノで

――上海万博イタリア館のエルネスト・ミラリア館長に聞く

聞き手=何流

エルネスト・ミラリア
2008年3月31日にフランスのパリで開かれた博覧会交際事務局(BIE)第143回全体会議で、イタリアのミラノ市が21票を獲得、トルコのイズミル市を破って、次回2015年の登録万博開催権を得た。

今年7月には、ミラノ万博の総合設計に当たる建築家でミラノ工科大学都市計画学教授のステファノ・ボエリ氏が上海を訪れ、ミラノ万博の総合設計の理念を明らかにした。メーンテーマを「地球を養う、命のためのエネルギー」。ボエリ氏は「このテーマが上海万博のテーマ『より良い都市、より良い生活』の延長線上に位置づけられるよう願っている」と述べた。

ミラノ万博がこれまでの歴代万博と異なる最大の特色は、従来の概念の国家館はなくなり、一つの統一されたエリアの中に各国館が組み込まれるという点にある。各国には400平方メートルから600平方メートルの敷地が与えられるが、この敷地は会場内を貫く中央大通りの両側に並ぶ形がとられ、各国は敷地内にそれぞれ自国特有の草花などのグラウンドカバー、農作物などを植え、全体が自然をメーンにした全く新しいエコ空間を形成するような展覧形式が採用される。上海万博のイタリア館内には、このミラノ万博のための専用展示コーナーが設けられ、次回万博に向けた紹介と宣伝が行われた。

記者はイタリア館にエルネスト・ミラリア館長を訪ね、次回万博への抱負や上海万博の印象などを聞いた。

――ミラノでは1906年に万博が開催されていますね。五年後の2015年に再び万博が開催されますが、万博はミラノにどのような物質的なまた精神的な財産を残しましたか。

百年前の万博と今日の万博とでは理念も様式もまったく異なります。当時の万博では参加国のいずれもがそれぞれの国の最先端の発明品を展示して参観客に披露しましたので、発明と科学技術の面が最重要視されていました。現在の万博では、参観客に先進的な科学技術や発明を見てもらうのではなく、一つのテーマのもとにそれぞれの国がテーマに見合った、またテーマの理念を深めるような展示を行うようになりました。

――2015年に開催されるミラノ万博と今年開催された上海万博との違いは何でしょう。

ミラノ万博は上海万博のような大規模なものではありません。私の考えでは、上海万博は万博史上、あらゆる面で唯一のものであると思います。それは中国は西洋を理解し、西洋の国々はよりいっそう中国を理解するという必要のもとに開かれました。また参加国のすべてが中国の人々に最も全面的で最も総合的な自国像を見てもらいたいと願ったはずです。上海万博は万博の歴史上、各国が最も多く資金を投じた万博になるに違いありません。

――イタリアの人々は上海万博をどう見ていますか。

イタリア人は上海万博をたいへん重要視しています。その理由は言うまでもなく、次回の万博がイタリアで開かれるからです。私たちは皆さんから万博の準備や組織のやり方について学ばなければなりません。もう一つの理由は、上海万博は歴史上規模が最大であり、こうした大規模な万博を運営した中国の国力の大きさに注目していることです。イタリア人は国内で、多くの上海万博に関する情報を入手し、またそのさまざまな様子を理解しています。そして、この数十年来の中国の大きな発展を世界中が見て取っており、中国が大きな市場であることをよく分かっています。多くの国々が中国に影響を及ぼしたいと願っており、もちろんイタリアもその機会を逃したくはありません。

――館長は万博開催の意義はどこにあるとお考えですか。ミラノはなぜ万博開催を申請し開催権を獲得するために努力したのでしょう。

私は最も基本的で最も重要な意義は、関係するすべての国と機構、そして関係者が一つの高い次元を共有して、一つのテーマを研究・討議することにあると思います。そして、テーマと関係のあるさまざまな人々も世界中からやってきて共通のテーマで話し合い、研究・討議することができます。

開催都市に多くの直接的な成果をもたらすということも大事です。万博開催は金融や経済の発展の原動力になるだけでなく、開催都市の印象を良くするために公共インフラや観光サービスなど各方面でのレベルアップが図られます。上海では万博開催に備えて何本もの地下鉄路線が敷設されましたね。万博の直接的な意義は、経済、観光、都市整備など多くの面で開催都市にさまざまな利点をもたらすということにあるのではないでしょうか。

 

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