湖南省は中国大陸の中南部にあり、毛沢東の故郷でもある。懐化市は湖南省の南西部にあり、面積は2万7600平方㌔㍍で、森林カバー率は69.1%にも達し、中国の九大生態良好地区の一つである。懐化市は13の県(区)を所轄し、トン(侗)族、ミャオ(苗)族、トゥチャ(土家)族など51の少数民族が計519万の人口の40%を占める典型的な多民族居住地域である。懐化市のすぐ隣にある中方県は大々的なトゲブドウ栽培で知られており、ここには中国版「ギネス」の上海大世界ギネス本部によって、「中国最大のトゲブドウ」と認定された、樹齢百年のブドウの老木がある。懐化(中方)ブドウ祭りの直前、この有名な「中国南方の葡萄溝(葡萄溝は新疆ウイグル自治区にある有名なブドウの産地)」を本誌記者が取材した。
 
 
 中方県のトゲブドウ栽培の歴史は長く、すでに400年以上が経っていると見られている。言い伝えでは、明(1368~1644)末のある地方の小役人が出世のために、はるか遠くの懐化までやってきて、ブドウ一皿を探し当て、皇帝に献上した。皇帝はそれを味わい、形は同じでも、他の黒いブドウとは比べ物にならないほど甘いことを知り、思わず「ブドウ、珍珠の如し、まさに世上の妙品なり」と言い、この小役人に絹百匹を褒美として遣わした。この話は、「一皿のブドウで百匹の絹を得た」伝説として代々語り継がれた…。
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 ブドウ産業の発展に伴って、今までの庭での栽培という自給自足方式では、日増しに高まる市場の需要に応えられなくなることを地元政府は感じ始めた。湘珍珠ブドウの生産と品質を大幅に向上させたければ、技術上の難題をどうにか解決しなくてはならない。1990年代以降、中方県政府は農業技術指導者を招き、ブドウ栽培農家に研修を行い、栽培農家に施肥、剪定などのカギとなる技術を掌握させ、ブドウの生産量を1ムーあたり現状の2000㌔から3000㌔に向上させた…。
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 ふるさとの「湘珍珠」が有名になると、外に出稼ぎに出ていた農村の若者たちも、ふるさとに大いなる希望を見い出し、都市での仕事を捨て戻ってきた。村民の一人、高金平さんも以前は深圳に出稼ぎに出ていたが、ブドウ産業の将来性があることを知ると、新圳での仕事を捨て、ふるさとに戻り、トゲブドウ栽培に全力を傾け始めた。今では彼が父と共に始めた「高家荘ブドウ園」は名をあげ、毎年20万元以上の収入を得ている…。
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