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日本のドキュメンタリー上映に多くの観客

 

450人収容の中央戯劇学院北劇場では臨時にパイプ椅子などで増席し観客を収容。会場を埋めつくした観客は、作品上映後のトークにも熱心に聞き入っていた
日本の「今」を伝えたい。ドキュメンタリー映画の傑作を集めた『2011REAL』が、12月2日から3日間にわたって北京東城区・北兵馬司胡同にある中央戯劇学院北劇場を会場に開催され、若者を中心とする多くの観客でにぎわった。

これは2008年に開催された第1回に続くもの。今回は『~不动摇!感知新世纪影像日本~』をテーマに、今年3月11日の東日本大地震という災害に見舞われた日本から、転換点を迎えた日本の現状、それでも変わらない部分をドキュメンタリー映画を通じて感じ取ってもらおうと開催された。3日間で、地震、原発に直接かかわる作品から、自然と伝統の中で生きる日本人の姿を描いたものまで5作品が上映された。

初日の2日には、主催する日本国際交流基金北京日本文化センターの杉田松太郎所長をはじめとする関係者、多彩なゲストも登場し華やかに開幕式が行われ、続いて原発建設に30年近く反対し続けている島民たちの暮らしを描いた纐纈(はなぶさ)あや監督の『祝の島』が上映された。

馮艶(フォン・イエン)監督(中央)は日本語と中国語でホストを担当、3人の監督と災害とドキュメンタリー制作についてトークを繰り広げた

3人の監督が北京を訪れ、ゲストや観客と交流を行った

3日には、森元修一監督が地震発生10日後に、津波に襲われた宮城県、岩手県に単身乗り込んで撮影した衝撃的な影像『大津波のあとに』が上映され、その後3人の監督と、山形国際ドキュメンタリー映画祭で小川伸介賞を受賞した『長江にいきる秉愛(ビンアイ)の物語』の馮艶(フォン・イエン)監督による「地震会議」が行われた。

観客を驚かせた、日本国際交流基金北京日本文化センターの杉田松太郎所長の流ちょうな普通話でのあいさつ

開幕式には、中国で活躍する日本人俳優の矢野浩二さん、女優で作家の田原さんなども駆けつけた

雪が降り冷えこんだ週末にもかかわらず、3日間で大勢の人が会場に詰めかけ、整理券が発行されるほどのにぎわいを見せた。森元監督も「地震から時間が経過しましたが、これだけの人が集まってくださったことに驚いています」と熱心な観客の反応を感じていたよう。また、『祝の島』の纐纈監督も、「原発建設に反対する島民の日常を、地味で静かに描いている作品ですし、画面に出てくる日本の土着的なものが中国の人たちにどう受け止められているか不安はありましたが、反応も良くうれしかったです。老人たちの言葉、暮らしを中国の人たちに見ていただいているということ自体、私には感慨深いものがあります。次に島を訪れる時には今日のことを島民たちに話したいと思います」と語っていた。一方、観客からは「3年ぶりということだが、できればこうした催しは毎年でも続けてもらいたい」という声が聞かれるなど、ドキュメンタリーを通じて接する日本に、強い関心を寄せる人が多かったようだ。(文・写真=井上俊彦)

 

人民中国インターネット版 2011年12月5日

 

 

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