People's China
現在位置: コラム中国と生きる

日本の観光魅力と情報を発信

 

――飯嶋所長は、中国メディアにもしばしば登場していますが……

日本政府観光局の北京事務所は、中国人観光客の訪日が解禁された2000年に先立ち、その受入準備のため1998年に設立されました。既に13年以上が経ちますが、昨年は東日本大震災により、事務所設立以来、最も多忙な1年となりました。私どもの組織は、外国人観光客を日本に誘致するための政府機関(独立行政法人)であり、日本国民の貴重な税金で運営されています。通常時の中国人観光客誘致事業は観光や広告企業の方々にお願いできるものの、震災後の日本の正確な情報発信(安全情報の提供)は、政府機関である私どもの最大の使命です。東日本大震災後の風評被害対策は、正に最大任務であり「今こそ日本政府観光局の真価が問われる時である」という認識の下、職員一丸となって、昨年1年はその対応に奔走していた次第です。

私自身も、4月末に、重大被災地を除いて渡航自粛勧告が解除されて以降は、中国メディアに個別取材等の形で御協力をお願いし、ほぼ毎日、中国メディアを通して、日本の正確な情報発信に努めて参りました。震災後の数ヶ月だけでも50回以上中国メディアの取材を受けたことから、毎日どこかの中国メディアに、私ども日本政府観光局が発した「日本が安全である」という情報提供が掲載されていたということです。

――中国人観光客誘致のために、近年、特別力を入れている観光地はありますか?

昨年7月に導入された個人観光マルチビザの発給条件として、沖縄を訪問することで3年間有効のマルチビザが与えられます。そのため、北京から沖縄への直行便も週4便新規開通しました。東京から大阪に至る「ゴールデンルート」と呼ばれる観光ルートと、中国映画の舞台として有名になった北海道に次ぐ新たな人気観光地を目指して、沖縄PRに力を入れています。さらに、日本には各地に魅力的な温泉地や郷土料理、自然景観、そして祭りなどの伝統文化があり、ショッピングも楽しめます。日本をより深く知って頂くため、まだあまり訪問されていない地方都市を重点的にPR中です。

――最後に、飯嶋所長が10年前に北京で勤務していた頃と比べ、現在の北京の印象はいかがですか?

最初の赴任では、在中国日本国大使館に勤務していました。2000年6月に帰国し、2010年7月に2度目の北京赴任となり、ちょうど10年ぶりの北京です。北京オリンピック開催を機に発展したと聞いていましたが、その通りでした。交通インフラの整備が大きく進展し、街が広がりました。当時は三環の外は郊外というイメージでした。そして、高層ビルの数も増大し、外国人設計の建物に外国企業の進出。国際会議が中国で開催されることが多くなり国際化が進んでいる印象です。

 

人民中国インターネット版 2012年3月28日


 

   <   1   2  

同コラムの最新記事
映画助監督からの転身、北京で“つくる”こだわり
「上海で起業、ビジネスの鍵は?」
歴史教科書を読破 稲葉雅人NTT中国総代表
日中間の「パイプ」を育成 塚本慶一教授