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注目集める天津・浜海新区の塘沽区中国北部経済の中心に

 

発展の三つの重点

 

 かつて中国人民銀行の総裁をつとめ、今は天津市政府の舵取りをしている戴相龍市長は、浜海新区の位置づけを「一つの基地、二つの中心、一つの新市街区とまとめることができる」としている。この三つの重点は、塘沽区の発展目標でもある。

 

 まず「一つの基地」とは何か。それは天津に立脚し、北京と河北省に依拠し、東北、華北、西北の「三北」へ放射状に影響を及ぼし、北東アジアに向き合い、浜海新区を、先進的な製造業と研究開発の基地となるように建設することである。

 

近代的な物流を、塘沽区はこれから発展させようとしている
浜海新区の産業ベルトは「T」字型になるよう計画されている。上は、海岸線と海浜大道に沿って「海洋経済発展ベルト」を建設し、下は、京津高速道路と海河下流に沿って「ハイテク産業発展軸」を建設する。その「ベルト」と「軸」が交わる点こそ塘沽区である。

 

 塘沽には、中国で唯一の、国家レベルの「塘沽海洋ハイテク開発区」がある。計画面積は24平方キロ。すでに2000社以上(外資が参加している500余社を含む)が登記し、操業し、海底石油陸上サービス基地、金属加工、機械加工、港湾と海洋の大規模工事と設備、新型材料、電子情報、海洋食品などを主とする産業群を形成している。有名なシェル、エクソンモービル、中国海洋石油公司、米国のボーイングもここに投資している。海洋工業や科学技術の発達している日本がここでの合弁などに参加するチャンスは大いにある。

 

日本の商工界に浜海新区の塘沽区開発への参加を呼びかける張家星区長
次に「二つの中心」とは何か。これは、浜海新区を、中国北部の国際海上運輸の中心、国際物流の中心とすることである。

 

 この「二つの中心」は、主に塘沽に位置している。天津港、天津経済開発区、天津港保税区がみなここにあるからだ。天津浜海空港から塘沽にいたる線上には、塘沽が重点的に発展させようと計画している臨港工業区がある。その地理的な有利さは、海河が海に入る河口と天津港の南の浜辺に位置していることで、すべての完成品を直接、船積みできるところにある。

 

 この臨港工業区は、計画面積は80平方キロ、第一期工事ですでに22平方キロを開発し、重点的に石油化工とハイテク産業を発展させている。ここは、塘沽区と天津市が将来発展するうえで、戦略的な空間となり、大きな潜在力を持っている。

 

塘沽臨海工業区の石油化工基地
現在、韓国のLG、世界最大の発泡スチロール生産企業である台湾の見龍化工公司、世界最大の工業液化気体の生産企業であるフランスのエアー・リクウィッド、中国の糧油公司、中国海洋石油公司などがこの臨海工業区に投資している。

 

 最後に「一つの新市街区」。これは、塘沽を中心とするビジネス・生活区を、住み易いエコロジーの市街区として建設し、未来の天津市を象徴する区域とすることである。

 

 計画面積は53平方キロ。三つの主な区域に分かれている。それは、于家堡商務区、解放路商業区、響螺湾商務区である。響螺湾商務区は外灘公園の向かい側にある。

 

塘沽の商業商務中心区
ここを全力で、金融センター、国際貿易センター、情報サービスセンター、文化娯楽センター、高品質のエコロジーの住み易い市街区とする。そして浜海新区でもっとも商業投資の価値のある区域にする。

 

 塘沽区政府の指導者たちは、新たな経済成長のモデルを模索してきた。彼らは思想や観念が開放的で、浜海新区の発展は、深ロレ経済特区や上海浦東新区の歩んだ古い道を歩んではならないと考えている。国は、ここが総合的な改革の試験区となり、すべての区域の発展に経験を提供して、手本となるよう要求している。だから、塘沽は、著作権や特許権、商標保護などの国際的に共通する規準に対してこれを認め、厳格に遵守する。また、日本の独創的な工業や知識集約型の産業、完璧なサービス、環境保護に気を配った建設の導入に対しても十分、興味を持っており、日本の投資ファンドや産業ファンドの参加を引き出したいと思っている。

 

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