【中国共産党創立100周年】PART5 人類の運命を心に刻んで

2021-07-07 10:21:55

中国共産党は創立以来100年にわたる奮闘の中で、中華民族を復興の道に導いただけでなく、人類の運命と未来を考えてきた。第三世界諸国(アジアアフリカラテンアメリカなどの発展途上国)と共に覇権主義への反対と民族解放の実現に努め、さらにイデオロギー政治体制発展段階が異なる国々と協力ウインウインを求める中で、中国共産党は常に平等正義平和発展の信念を貫いてきた。現在、新時代に突入した中国共産党は時代に即して人類運命共同体を構築するという理念を打ち出し、人類社会が直面している重大な問題を解決し、人類社会の進むべき方向を考えるために中国の知恵と力を注いでいる。

 

19554月に開かれたバンドン会議で、周恩来は中国共産党と中国政府を代表して団結平等平和協力の主張を掲げ、大きな反響を呼んだ(新華社)

 

覇権主義に反対、民族解放を支援

19世紀末から20世紀初頭にかけて、帝国主義の植民地体制の下でアジア、アフリカ、ラテンアメリカの数多くの国々が植民地か半植民地になり、現地の経済が立ち遅れ、人民は苦しい生活を強いられていた。従って、帝国主義の抑圧に反対する民族解放運動は徐々に時代のすう勢となっていた。

近代以降、中国は清朝の戊戌の変法、立憲君主制樹立の試み、中華民国によるブルジョア民主共和制の確立など、半封建半植民地の苦境から脱却するよう多くの模索をしてきた。しかしいずれも失敗し、中華民族が抑圧され、虐げられる悲惨な運命を根本的に変えることはできなかった。

1921年7月23日から8月初めにかけて開催された第1回党大会で、中国共産党の誕生が宣言された。コミンテルンの代表マーリン氏は、「中国共産党の創立は世界にとって大きな意義がある」と述べ、中国の同志たちが党の活動に努め、世界中のプロレタリアートの団結のために貢献してほしいと希望を語った。

その後、中国共産党は28年間艱苦奮闘し、中国を侵略した日本の軍国主義を打ち負かし、世界反ファシズム戦争の勝利に多大な貢献をした。さらに新民主主義革命の成功を収め、新中国を成立させ、帝国主義による100年余りにわたる抑圧から脱却し、世界の民族解放運動を盛り上げた。

1950年代半ばから60年代半ばにかけて、中国共産党はアジアアフリカラテンアメリカの人々が民族の独立を獲得し、それを維持する闘いを積極的に支持した。エジプト人によるスエズ運河での主権の擁護と、英仏の侵略に反対する闘い。アルジェリア人によるフランスの植民地支配に反対する闘い。サブサハラアフリカ人による植民地主義と人種主義に反対する闘い。キューバ人、パナマ人らによる米国の武力干渉に反対する闘い。これら全てに中国は熱い声援を送った。この時期に中国は断固として米国の帝国主義に反対しただけでなく、ソ連の社会帝国主義にも強く反対した。

54年、中国は主権と領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等互恵、平和共存(9)の五原則を打ち出し、公正で合理的な国際関係の構築を推進するために歴史的な貢献をした。翌年、インドネシアのバンドンで開催されたアジアアフリカ会議で、周恩来は事前に準備した講演原稿を読まず、当時の国際問題を巡って次のような即興の発言をした。「中国代表団はけんかではなく団結を求めに来たのだ。異を唱えることではなく、同を求めに来たのだ。われわれの間で同を求める基礎があるのだろうか。あると思う。それはアジアアフリカのほとんどの国と人民が近代以降植民地主義がもたらした災難と苦痛を経験したことがあり、そして今も受けていることだ」

この発言は各国の代表に評価され、その年から59年末まで、ネパール、エジプト、シリアなどのアジアアフリカ諸国が相次いで中国と国交を樹立した。

中国共産党が独立自主の平和外交方針を遂行することは、第三世界諸国に称賛された。これらの国々の支えの下で、中華人民共和国は7110月に国連での合法的な地位を回復し、安全保障理事会(安保理)の常任理事国5カ国で唯一の発展途上国になった。中国の国連復帰は多くの発展途上国の期待に沿うことで、グローバルガバナンスシステムにおける発展途上国の影響力を極めて大きく高めたと言える。以降、中国は国連の枠組みの下で世界の平和を守り、各国との友好協力を強化し、人類の進歩を促進するためにたゆまぬ努力をしてきた。習近平国家主席も述べているように、国連における中国の一票はいつまでも発展途上国を代表している。

 

「一帯一路」共同建設の実践において、20113月から今年5月まで、中国と欧州を結ぶ定期貨物列車「中欧班列」は中国と欧州の22カ国の160余りの都市をつなぎ、累計39622便運行し、20フィートコンテナ3541000個を輸送し、世界経済の発展を推進するために重要な役割を果たした(新華社)

 

世界の平和と発展を擁護

1970、80年代以降、国際情勢が大きく変動し、中国と主要国の関係も変化した。72年9月、中日国交正常化が実現。79年1月、中国と米国の国交樹立。89年5月、中ソ関係正常化。91年、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の対話プロセス開始。21世紀に入る前から、中国は主要国と21世紀に向けた二国間関係を築き始めた。

85年3月4日、鄧小平は日本商工会議所訪中団との会見時、「平和と発展が現代世界の大きな問題だ。中国が持っているのは世界の平和と安定を守る力であり、破壊の力ではない。中国が強くなればなるほど、世界の平和はいっそう確実になる」と語った。88年9月、中国は国連平和維持活動(PKO)特別委員会への加入を正式に申請した。90年以降、中国は延べ5万人余りを約30のPKOに派遣し、安保理の常任理事国の中で平和維持部隊への派遣人数が最多の国となっている。中国海軍の護衛編隊はアデン湾とソマリア沖で6600隻以上の船舶を護衛した。さらに、中国海軍の病院船「平和の方舟」は43カ国を訪れ、各国の国民に恩恵をもたらした。ジャン=ピエールラクロワPKO担当事務次長は中国の平和維持活動をこのように評価した。「安保理の常任理事国として、中国は平和維持活動の影響と効果の向上で極めて重要な役割を果たしている」

21世紀に入り、中国共産党の指導者は平和と発展が依然として時代のテーマであることを堅持した上で、国際関係の健全な発展のためにさらなる知見と提案を示した。江沢民氏は公正で合理的な国際政治経済の新秩序確立の推進を提言し、世界の文明の多様性の尊重を提唱した。胡錦濤氏は各国の国民と手を携え、恒久的平和と共同繁栄の調和の取れた世界の構築を提唱した。

この間に、中国の経済規模は1978年の世界第11位から2010年に世界第2位に躍進した。国力を日増しに高める中国は国際関係においてますます重要な役割を果たすようになった。

習近平総書記を核心とする党中央が打ち出した人類運命共同体の構築という理念はますます多くの国々に受け入れられている(新華社)

 

 

人類運命共同体を構築

2012年の第18回党大会以降、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。中国は大国として世界の舞台で日増しに中心的な役割を果たすようになりつつある。新たな歴史的スタートラインに立ち、習近平総書記は中華民族の偉大な復興戦略の全局と世界で100年間見られなかった情勢の変動に着目し、「一帯一路」の共同建設、新型国際関係の構築、人間運命共同体の構築を推進するなど、中国の特色があり、時代精神を表し、人類の発展進歩の潮流をけん引する新たな理念主張提案を打ち出した。

13年9月、習主席はカザフスタンを訪問した際、「革新的な協力モデルによって、『シルクロード経済ベルト』を共に建設しよう」と呼び掛けた。同年10月、習主席はインドネシア訪問時、「中国はASEAN諸国と海上協力を強化し、中国政府が設立した中国ASEAN海上協力基金を活用し、海洋協力のパートナーシップを発展させ、21世紀の『海上シルクロード』を共に建設しよう」と提言した。ここから、「一帯一路」共同建設の壮大な未来図が描かれ始めた。

7年余りの間で、「一帯一路」共同建設のイニシアチブが収めた成果は国際社会で幅広く認められた。今年1月末までに、中国は140カ国と31の国際組織と205件の「一帯一路」共同建設協力文書に調印した。昨年11月時点で、中国企業は「一帯一路」沿線国に計340億を投資し、30以上の税金をホスト国に納付し、33万人分の現地雇用を生み出した。「一帯一路」イニシアチブはすでに世界最大規模の国際協力プラットフォームとなった。

「『一帯一路』は皆が手を携えて前進する開かれた明るい大きな道であり、ある一国の狭い私道ではない」。今年4月20日、ボアオアジアフォーラム年次総会の開幕式で習主席は再び世界に対してこう宣言した。共同参加、共同協力、共同受益の「一帯一路」イニシアチブは、人類の発展と運命前途に対して中国共産党が持つ責任感を反映している。

15年9月、ニューヨークの国連本部で演説した習主席は、「現在の世界各国は相互依存し、苦楽を共にしている(10)。国連憲章の趣旨と原則を受け継ぎ、発揚し、協力ウインウインを核心とした新型国際関係を構築し、人類運命共同体をつくり上げなければならない」と述べた。17年2月、人類運命共同体を構築するという理念が国連の決議に盛り込まれた。前国連事務総長の潘基文氏は、「人類運命共同体の理念は心を奮い立たせるもので、グローバルガバナンスシステムを改善でき、それによって各国がより適切に現在直面している困難と課題に対処できる」と語った。

新型コロナウイルス感染症が発生してから、自国の新型コロナ対応で多大な負担に直面している中でも、中国はできる限り国際社会を支援し、人類運命共同体の理念を実行してきた。今年3月までに、中国は150余りの国と13の国際組織を支援し、医療支援を求めた34カ国に36の医療専門家グループを派遣し、200カ国余りに2200億枚以上のマスク、23億着の防護服、10億人分の検査試薬キットを提供した。責任ある大国として、中国は約束を守り、ワクチンを公共財にする立場を貫き、全世界のワクチンの公平な分配を支援し、急を要する69の発展途上国に無償でワクチンを提供し、43カ国にワクチンを輸出している。また、国連の呼び掛けに応じてPKO隊員にワクチンを寄付した。

元NHKアナウンサーの木村知義氏は、「習近平国家主席が世界に呼び掛ける『人類運命共同体』にこめた、地球のすべての人々が争わず、平和で豊かに共存、共栄できる世界の実現こそが、かつてマルクスが提起した旧来の社会生産関係の矛盾と束縛から解放された世界と人間像に近付く道であることを深く実感する。中国の未来が21世紀の世界の未来を開く知見と力の大きな源になることを深く期待する」と語っている。

習主席は国際社会に人類運命共同体を構築するという理念を打ち出したとともに、「平和発展公平正義民主自由」を人類が共に求めるべき価値として掲げた。これは中国共産党の人類社会に対する期待であり、自身が目指している目標でもある。

100年間の中国共産党の奮闘の歴史と輝かしい成果を振り返り、中国共産党は一体何のために努力してきたのか疑問に思う方もいるかもしれない。北京の天安門城楼の左右には「中華人民共和国万歳」と「世界人民大団結万歳」という大きなスローガンがそれぞれ掲げられている。これこそがその答えだ。(高原=文)

 

人民中国インターネット版 202175

 

 

 

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