【中国共産党創立100周年】PART4 新時代の夢に団結し進む

2021-07-07 10:21:09

 

2012年1129日、習近平総書記は「復興の道」展を見学した際に、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現を初めて打ち出した。それから9年間、党の指導の下、中国の諸事業は全面的な発展を遂げ、科学技術イノベーションの成果が数多く生み出され、人々の暮らしが大きく向上し、環境ガバナンスが大きく改善された。新時代に入った中国は、全ての貧困人口が貧困から脱却したという奇跡をつくり出しただけでなく、小康社会を全面的に完成させた。「立ち上がる」段階から「豊かになる」段階までの大きな飛躍を遂げた中国の人々は、中国の夢の実現に向けてまい進している。

 

「ハイブリッド米の父」と呼ばれた故袁隆平氏(左から2人目)は収穫量の高いスーパーハイブリッド水稲の育成に一生をささげ、中国と世界の食糧供給問題の解決のために卓越した貢献を果たした(新華社)

科学技術革新の「黄金時代」

火星探査車「祝融号」を搭載した探査機「天問1号」が今年5月15日、火星への着陸に成功した。中国は火星着陸に成功した2番目の国となった。

これは、中国の科学技術ハイライトの一つにすぎない。1211月に開催された第18回党大会以降、重要な科学技術の成果が次々と生み出された。世界最大の単口径電波望遠鏡「天眼」が完成し、月探査機「嫦娥5号」が月の土壌サンプルを持ち帰り、量子科学実験衛星「墨子号」が人類史上初の量子通信を実現した。また、中国が独自に研究開発した全地球衛星測位システム「北斗」の配備が完了し、スーパーコンピューター「神威太湖之光」が世界スパコンランキングの上位に入り、国産大型旅客機「C919」が初飛行に成功した。

これらの成果は、勤勉な科学技術者の努力のたまものだ。その中には多くの中国共産党員の姿がある。習近平国家主席は19年9月17日、主席令に署名し、当時90歳の党員の孫家棟氏に「共和国勲章」を授与、宇宙事業への貢献を表彰した。「北斗」と月探査プロジェクトの総設計士だった孫氏は、宇宙事業の発展のために一生を尽くしたいと感慨深げに話した。

孫氏の他に、香港珠海澳門(マカオ)を結ぶ港珠澳大橋人工島海底トンネルプロジェクトの林鳴チーフエンジニア、高速鉄道車両「復興号」の梁建英総設計士、国産大型旅客機「C919」の韓克岑副総設計士ら党員たちは、プロジェクトの先頭に立っただけでなく、勤勉に働き、無私に貢献した模範でもある。彼らは科学研究チームを率いて次々と難関を突破してきた。

16年5月に開かれた全国科学技術革新大会で習総書記は、「科学技術が興れば民族が興り、科学技術が強ければ国も強くなる」と述べ、中国を「世界の科学技術強国、主要な科学研究の中心地、イノベーションの重要な地」にするよう呼び掛けた。第18回党大会以降、中国の科学技術関係予算が持続的に増加した。昨年の研究開発費(R&D)は2兆4426億元で、世界2位にランクインし、科学技術進歩の寄与度は602%に達した。世界知的所有権機関(WIPO)の統計によると、19年の中国の国際特許出願件数は世界一だ。中国科学院の白春礼院長は、「科学技術の成果が次々と生み出されたのは、重点分野での長期にわたる研究開発のたまものであり、政策による導きと奨励を強化し、科学技術イノベーションへの資金投入を増やした結果でもある」と語った。

科学技術イノベーションの「黄金時代」の到来に伴い、中国の科学技術力は世界の最先端に追い付き、追い越すとともに、人類の科学技術の進歩も大いに促している。

 

湖南省の農村部を視察し、村民の生活状況を尋ね、彼らと歓談する習近平総書記。習総書記を核心とする党中央の指導の下、中国は昨年、全面的な貧困脱却を実現した(201311月、新華社)

より良い生活のために

中国共産党創立90周年に当たる11年、本誌の日本人専門家だった故金田直次郎氏は、党の歴史上重要な意味を持つ地域を訪ね、連載「革命史跡を訪ねる」を執筆した。

貴州省遵義市に関する記事で、金田氏はこう記した。「古い町並みが今もそっくり昔のままに残っている。道の石畳にはくぼみができ、この街が長い歴史を経てきたことを足裏からも知らせてくれる。太い木の結構、白壁、戸板、黒瓦……」。また、旅に同行した地元の記者の話を引用し、「高速(道路)が重慶に通うようになれば、大きな経済効果が望まれる」と書いた。その一字一句から、遵義の歴史文化への関心、現地の経済発展への期待が読み取れる。

遵義は山々に囲まれ、昔は交通が不便だった。山地が多く、平野が少なく、耕地が複雑な地形によってさまざまなブロックに分割されるため、経済が長年遅れていた。13年、遵義は八つの貧困県、871の貧困村に92万2000人の貧困人口を抱えていた。同年、党中央は「的確な貧困救済」という理念を打ち出しており、遵義は地元の実情に応じ、茶葉や薬草、経済価値の高い果物野菜を栽培し、インフラを整備し、就業のための研修などの就業支援を行い、農村観光に取り組むことなどを通じて、人々の貧困脱却を助けた。

習総書記は15年6月、遵義を視察した。貧困から脱却した人々の笑顔を見た習総書記は、農民が小康生活を送っていなければ全面的な小康とは言えないと述べた。多方面からの取り組みにより、19年までに遵義の全貧困人口が貧困から抜け出した。現在、遵義は9本の高速道路と二つの空港があり、高速鉄道がつながり、貴州省の交通の中枢となっている。もし金田氏が存命なら、きっとこれらの変化を喜んだだろう。

1511月、党中央は、「貧困脱却の堅塁攻略戦に打ち勝つことに関する決定」を発表した。ここから300万人以上の党員が農村や辺ぴな地域に赴き、貧困救済の最前線で奮闘することになった。5年にわたる奮闘により、1億人近くの貧困層が貧困から脱却した。そのために1800人以上の党員が犠牲になり、生命をもって「誠心誠意人民に奉仕する」という党員の初心を裏付けた。

貧困脱却の堅塁攻略戦の全面的な勝利という目標の達成に伴い、中国の経済社会は全面的な発展を遂げた。昨年のGDPは101兆6000億元に達し、世界2位を維持した。1人当たりGDPは1万を突破し、全国の住民1人当たりの可処分所得は3万2189元だった。党の指導の下、中国の人々は幾世代にわたり奮闘し続け、小康社会の全面的完成という夢をようやくかなえた。

 

党創立100周年に当たり、各地で党の歴史を学ぶ活動が盛んに行われている。

写真は、党の初心と使命を受け継ぐために、91歳の古参党員が語る勲章に秘められた物語に耳を傾ける浙江省慈渓市の青年党員(新華社)

美しい山河は宝物

05年8月15日、当時浙江省党委員会書記だった習近平氏は安吉県の余村を視察した際、「清き水と青き山こそがかけがえのない宝物である」と打ち出した。

18回党大会はエコ文明建設を国の建設の全体的配置に組み入れ、生態環境を代償として一時的な経済発展を図ってはならないことを強調した。1710月に開かれた第19回党大会は、「清き水と青き山こそがかけがえのない宝物であるという意識を高める」ことを党規約に盛り込み、エコ文明建設を中華民族の永続的発展のための長期的な大計に定めた。

党中央が非常に重視する中、エコ文明建設はかつてない勢いで進められた。東北地域の重要な森林地域での伐採を停止し、長江の重要流域での禁漁を実施し、11万1000隻の漁船が使われなくなり、23万1000人の漁師が転職した。深刻な汚染を引き起こした企業を閉鎖し、耕作に適さない農地を森林に戻した。エコ文明建設を進めるために、15年、「党政府の指導幹部に対する生態環境損害責任の追及方法(試行)」が公布され、「生涯責任追及制」を明確にした。また、違法行為を取り締まり、「史上最も厳しい」といわれる新たな環境保護法が同年から施行されることになった。

わずか数年間で、生態環境の明らかな改善がみられた。第13次五カ年計画(1620年)末期の20年には、森林率が2304%に達し、世界で同時期の森林資源の増加量が最も多い国となった。全国の地表水の水質優良率は834%に増加した。昨年、主要都市の空気質指数が優良だった日の割合は87%で、強力な大気汚染対策は短時間で優れた効果をもたらした。

生態の改善はグリーン経済の発展を促す。河北省の塞罕壩(サイハンバ)機械営林場は苗木産業に取り組み、年商が10万元足らずから1億6000万元まで増えた。内蒙古自治区は庫布斉(クブチ)砂漠化対策に取り組む中で、生態系の改善により5000億元以上にも相当する生態系資産を生み出し、砂漠周辺の10万人余りの農牧民に恩恵をもたらした。過去5年間、100万人以上の貧困層が森林保護員になり、300万人余りが貧困から抜け出した。

昨年3月、習総書記は再び余村を視察した。村は鉱山とセメント工場を閉鎖し、観光レジャー業を発展させ、「グリーン、豊かで美しい」という人と自然が調和して発展する道を切り開いた。これを見た習総書記は、「現在、余村が得た成果は、グリーン発展の道が正しいことを裏付けた。正しい道を選んだ以上、それをしっかりと歩んでいくべきだ」とうれしそうに語った。

早くも16年、国連環境計画(UNEP)は報告書を発表し、中国の「清き水と青き山こそがかけがえのない宝物である」というエコ文明建設の理念と行動が世界の持続的発展の重要な参考になるとした。中国では現在、リサイクル、食べ残しゼロ(8)、「低炭素の外出」などの環境に優しいライフスタイルが徐々に浸透している。

昨年9月に開かれた第75回国連総会で中国は、30年までに二酸化炭素排出量のピークアウトの達成を目指し、60年までにカーボンニュートラルの実現を目指すと表明した。生態環境部(省に相当)の孫金龍党グループ書記は次のように述べた。「清き水と青き山こそがかけがえのない宝物である」という理念は中国の発展理念と発展方式の大きな転換であり、中国共産党による人類文明の発展法則、自然法則、経済社会発展の法則に対する深い認識であり、中国を新たな発展段階に導くものだ。

習近平国家主席は昨年922日、第75回国連総会の一般討論演説で、人類運命共同体の構築を推進し、感染症との闘いで国際協力を促進することを再び呼び掛け、大国としての中国の胸襟と責任感を示した(新華社)

党創立時の初心を貫く

「人民の立場は中国共産党の根本的な政治的立場である。党と人民が困難を共に切り抜け、生死を共にし、終始密接なつながりを保つことは、党が全ての困難とリスクに打ち勝つ根本的な保証である」。習総書記の言葉は、中国共産党と人民の関係の本質を解き明かしたもので、中国共産党が世界の一大政党になり、中国の人々を率いて新中国を成立、建設し、民族復興を図る道で成功を収め続ける「秘訣」を明らかにした。

勤労大衆の解放から誠心誠意人民に奉仕すること、さらに人民を中心とすることに至るまで、中国共産党は100年間、創立時の初心を忘れることはなかった。

この初心があったこそ、第18回党大会以降、中国共産党は人民が支持するか、賛成するか、喜ぶかを政策決定のよりどころとし、党の奮闘目標を人々の要望と結び付けてきた。16年から昨年まで、住民1人当たりの可処分所得は年平均56%上昇した。昨年12月までに、基本養老保険、失業保険、労災保険に加入した人はそれぞれ9億9000万人、2億1700万人、2億6800万人で、基本医療保険は13億人以上をカバーした。中国は世界最大規模の社会保障システムを築き上げており、人々の生活レベルは持続的に向上している。

この初心があったこそ、新型コロナウイルス感染症発生時、党中央は速やかに対策を策定し、実行に移した。460万以上の党の末端組織がすぐ行動し、大勢の党員が率先して闘いの最前線に立ち、感染症の抑制に大きく貢献した。

党員の純潔性と先進性を保つために、党は党員の資質向上と党の気風改善を大いに重視している。第18回党大会以降、党中央は「全面的な厳しい党内統治」を国家統治戦略に組み入れ、反腐敗における「聖域なし、全面カバー、ゼロ容認」の姿勢を貫き、大衆の利益に危害を加えるさまざまな腐敗行為を断固として取り締まってきた。

18回党大会から第19回党大会までの5年間、規律検査機関監察機関が、腐敗行為に関する案件154万5000件を調査し、規律に違反した党員153万7000人を処分し、このうち5万8000人を司法機関に移送した。中には高級幹部もいれば、末端組織の職員もいる。その他、党は党員の理想と信念を固めるために、「人民のためにあり、実務に励み、清廉に徹する」を主な内容とする教育実践活動を展開した。

中央党学校の謝春濤副学長は次のように述べる。全面的な厳しい党内統治は偉大な自己革命である。党の先進性に悪影響を与え、純潔性を弱めるいかなる行為とも断固として闘い、党の自己浄化自己改善自己革新自己向上を実現してこそ、党をより強くすることができる。

自律性と責任感を持つ中国共産党は、人々から擁護され、支持されている。第18回党大会以降、年平均約390万人が入党申請書を提出した。感染症が猛威を振るっていた昨年上半期に、約2万5000人が感染症との闘いの最前線で入党した。

中国共産党の歴史は、人民の解放、幸福、進歩を図る歴史で、人民本位が党の最も本質的な特徴であることを体現している。人民のために、人民をよりどころとすることを堅持したからこそ、党は人民を団結させ率いて、次々と勝利を勝ち取ることができた。

党創立100周年に当たる今年、小康社会の全面的完成を実現した中国は、「新中国成立100周年を迎えるまでに、富強民主文明調和の社会主義現代化国家を築き上げる」という新たな征途を踏み出し始めた。14億の中国人の「中国の夢」は徐々に現実に近付いている。習総書記が述べたように、現在、私たちは歴史上のいかなる時期よりも中華民族の偉大な復興という目標に近付き、いかなる時期よりもこの目標を達成する自信と能力を持っている。沈暁寧=文)

 

人民中国インターネット版 202175

 

 

関連文章