PART1 人民の期待担う希望の星

2022-08-05 11:44:54

沈暁寧=文 

青年とは常に国家と民族の未来と希望を象徴している。1957年、毛沢東は青年たちをこう励ました。「世界はあなたたちのものであり、われわれのものでもあるが、最終的にはあなたたちのものである。あなた方青年は生気に満ち、今が盛りのときで、まるで朝8、9時の太陽だ。希望はあなたたちに託されている」。それから65年後、習近平総書記ははつらつとした表情の一人一人に向けて同じように語った。「中国の夢はわれわれのものであり、それ以上にあなた方青年のものだ。中華民族の偉大な復興は、いつか大勢の青年たちの何世代にもわたる奮闘から現実になる」 

民族の希望を担う存在から民族の夢を実現する存在となり、中国の青年は党と人民の切実な期待と温かな眼差しの下、新時代の中国の背骨として健やかに成長している。 

  

期待を寄せ成果を褒める 

昨年7月1日、北京の天安門広場で開催された中国共産党創立100周年祝賀大会で、青年代表たちは「党よ、安心してください。強国には私がいます」という若さに満ちあふれた誓いを高らかに宣言した。そして今年5月10日、習近平総書記は中国共産主義青年団(共青団)創立100周年祝賀大会で、中国全土の青年に向けて、「新時代の中国の青年は、生まれながらチャンスに恵まれているとともに大きな責任を担っており、才能を発揮する舞台が無限に広がっており、夢をかなえる前途はこの上なく希望に満ちている。(中略)現代の青年は民族復興実現の道において先頭に立って果敢に突き進まなければならない」と呼び掛けた。 

1919年、先進的な考えを持った青年知識人が先頭に立った五四運動が、中華民族の偉大な目覚めの時代を切り開いた。21年、平均年齢28歳の青年たちが中国共産党を創立し、中国革命の輝かしい道を開拓した。22年、共青団が創立し、救国の志を抱く中国の青年は中国共産党の後に従って進み、民族復興の将来を模索した。 

この100年、党の関心と指導の下、先進的な考えを持った大勢の青年が共青団に入り、新民主主義革命時代、社会主義建設時代、改革開放時代に青春をささげ、勲功を立てた。 

中国共産党第18回全国代表大会(党大会、18大)以降、中国の特色ある社会主義は新時代に突入し、習近平総書記を核心とする党中央は青年にさらに重大な使命を与え、切実な希望を託した。 

2014年12月20日、澳門(マカオ)大学横琴キャンパスを訪れた習総書記は、招きに応じて教員と学生たちによる「中華の伝統文化と現代の青年」をテーマとするサロンに参加した。「私自身も中華文化の熱烈な擁護者であり、忠実な学習者だ」と習総書記は自身の勉強の思い出を語り、「青少年期から今に至るまで、時間があれば本を手に取りページをめくっている。毎回、読書はためになると感じる。小学生の頃は『水滸伝』と『三国演義』を読んだ。その後の青年時代は、7年間、畑を耕しながら勉強をして知識を積み重ねていった。今でも、本があれば楽しみが尽きることはないと思える」。 

昨年7月21日、チベット自治区ニンティ(林芝)市嘎拉村で公務員として働く1990年代生まれの黄海芬さんは、視察に訪れた習総書記と対面し、感激した。黄さんが経済の発達している広東省出身で、大学卒業後に企業への就職を蹴って夢を抱いて雪域高原にやって来たことを知った習総書記は興味を持ってこう尋ねた。「今後もここに残りますか?」。すると黄さんは、「残ります。ここで家を構えました。夫も一緒に来てくれて、今は隣村に住んでいます」とはにかんだ。「海沿いから高原へ来たということですが、ここには人材が必要です。ここでしっかり働いてください」という習総書記の激励に、黄さんは目に涙を浮かべ何度もうなずいた。 

今年4月8日、北京の人民大会堂は若々しい活力と祝賀ムードに包まれた。北京冬季オリンピック・パラリンピック総括表彰式が盛大に開催されたのだ。習総書記はショートトラック中国代表チームの武大靖選手を見掛けると、ほほ笑みながらこう話し掛けた。「初めて会ったのは8年前のソチ冬季オリンピックでしたね」。すると武選手は、「そうです。総書記からずっと気に掛けていただき、励まされたことに感謝しています」と感激しながら答えた。北京冬季五輪開幕前、習総書記は練習会場に来て武選手と若いチームメートを励ました。「人生に大きなチャンスはそう多く訪れません。だからこそ頑張ることにこそ価値があります。寒さに耐えてこそ梅花は芳しく咲き誇るのです」 

「毎年5月4日前後は、若者のために時間を空けておく」。これは習総書記が自らに定めたルールの一つだ。この10年間、北京大学青春詩会で詩の朗読を聞いたり、清華大学で科学技術実験を見学したり、若い宇宙事業関係者と対話をしたり、安徽省の巣湖のほとりで若者と座談会を開いたりと、毎年若者の間に加わり、彼らの心の声を聞くようにしている。 

青年たちとの触れ合いの中で、習総書記は、若い教師が中華民族の「ドリームチーム」を結成する立役者となることを願い、若い労働者が「技術面で有能な人材となり、技術で国に報いる道を進む」よう鼓舞し、若いボランティアが「実際の行動で新時代の雷鋒の物語をつむぐ」ことを奨励し、青年士官・兵士が「訓練のエリート、技能のベテラン、精鋭のモデルとなることを競う」ことをしている。 

習総書記の言葉には党と人民の青年への関心と期待が込められている。まさにこれらの優しさと力強さに満ちた励ましによって、新時代の中国の特色ある社会主義建設の各現場で、現代の若者たちが粘り強く休みなく闘う姿が沸き立っているのが見える。 

  

チャンスで生き方が多様に 

このほど、中国国務院新聞弁公室が発表した白書「新時代の中国の青年」には、大量のデータを使って現代の中国の青年が成長する環境が詳しく説明されている。同白書では、昨年に2500万人以上の貧しい青年が完全に貧困から脱却し、中国の青年はより高水準な小康生活(ややゆとりのある生活)へと共に向かっていると述べられている。彼らの消費スタイルは大衆化から個性化に向かい、消費のニーズは生活上の必要を満たすことから暮らしを楽しむことになり、生活の質の飛躍的向上を果たした。 

特に2020年年末、未成年者のインターネット普及率は94・9%に達し、都市部と農村部における普及率の差は18年の5・4ポイントから0・3ポイントまで縮小し、インターネットは現代の若者の勉強と生活、仕事面で多大な変化を及ぼした。 

物質的な豊かさと技術レベルの向上は、中国の若者がより平等で、より質の高い教育の機会を享受するのを後押しする。昨年、中国における義務教育の定着率は95・4%、高校段階の粗就学率は91・4%、高等教育の粗就学率は57・8%で、高等教育における在学者数は4430万人と世界一であり、ますます多くの青年が成功の扉への重要な道筋を切り開いている。 

これにより、中国の若者の職業選択も多様化した。多くの若者たちが急速に勃興する新産業と新業態にチャレンジし、eスポーツ選手、動画配信者、オンライン作家などの新たな職業が数多く生まれた。彼らの中には複数のステータス、さまざまな仕事および生活スタイルを持つ者も少なくない。新時代の中国の青年はより優れた発展のチャンスを得ており、人生を輝かすことのできる舞台はますます広がっていると言える。 

  

今年6月5日、若者を中心とした中国宇宙科学研究チームは有人宇宙船「神舟14号」と宇宙ステーションのドッキングという重要な任務に成功した(新華社) 

  

世界に示す青年の力 

中国の北西部、新疆ウイグル自治区内のグルバンテュンギュト砂漠は見渡す限り何もない。毎日午前10時、1990年代生まれの楊興さんは時間通りにここの採油作業エリアに来て、記録帳を開き、機器やメーターとにらめっこする。ポンプジャックが上下に動きながら立てる「ギーギー」という音は、楊さんにとって青春の歌だ。2020年、楊さんと110人余りの中国石油大学卒業生は「荒涼とした沙漠はあっても、荒涼とした人生はない」と固く信じ、人煙まれな油田での仕事を毅然とした態度で選んだ。それを知った習総書記は、若者たちの人生の選択を支持し、「個人の理想と追求を党と国家の事業の中に溶け込ませる中で、党のため、祖国のため、人民のためにたくさん貢献してください」という手紙を書いて彼らを励ました。 

新時代の国家の発展は中国の青年に多彩で豊富な人生のチャンスをもたらし、青年たちも個人が闘う「小さな目標」を国家発展の「大計」に溶け込ませた。 

中国における新型コロナウイルス感染症予防・抑制の阻止戦で、32万組以上の青年突撃隊、550万人余りの青年が医療・救護、交通・物流、プロジェクト建設といった感染症との闘いの第一線で奮戦した。昨年、党中央および国務院が表彰した1981人の全国貧困脱却堅塁攻略先進者と1501組の先進的グループの中には、数多くの青年先進者がいた。1800人以上の幹部が貧困脱却の堅塁攻略に命をささげ、その中には多くの若者も含まれている。昨年末までに、全国のボランティア活動の情報システムに登録された14~35歳のボランティアは9000万人を超え、彼らはさまざまな分野で「貢献、友愛、助け合い、進歩」というボランティア精神を発揚している。 

青年はまた中国のイノベーションと起業の戦力だ。北斗衛星チームの中核スタッフの平均年齢は36歳、量子科学チームは35歳、「中国天眼」(FAST)研究開発チームはわずか30歳だ。14年以降、新たに登録された市場主体(経営活動に従事する個人や企業)のうち、大学生起業家は500万人を超えている。イノベーションとアイデアが競争力の要となる業種で青年が占める割合はいずれも50%を上回る。 

青年たちの優秀な成績を目にした習総書記は喝采した。「青年たちは痛みを恐れず、困難にひるまず、犠牲に怖気づかず、山のような責任を両肩で担い、青春の意気軒高たる姿勢を示し、中華民族の希望を示している。私たちは共に彼らに称賛を送ろう」。さらに、中国の青年に対して、家族愛と愛国心を両立させながら、全人類への大きな愛を抱かなければならないと鼓舞した。 

昨年の東京オリンピックで活躍した中国の青年たちは、自信にあふれ誠実なイメージを示した。卓球女子シングルスの金メダリスト陳夢選手は日本の伊藤美誠選手と共に金メダルの表彰台に上って写真を撮った。汪順選手は競泳男子200㍍個人メドレーで金メダルを取った後、オリンピックに5回連続で出場しているハンガリー人選手に一礼した。 

北京冬季オリンピック・パラリンピックでは2万人近い青年ボランティアが国際オリンピック委員会と各国のスポーツ選手から高く評価された。「そのシーンがあまりにもかわい過ぎて、動画を繰り返し見るたびに泣きました」。その動画とは、女子スノーボード米国代表のテッサ・モード選手(18)が、北京冬季五輪の開会式で、ボランティアから「Welcome to China」と声を掛けられる様子を撮影したものだ。 

ますます多くの中国の青年が海外に進出し、世界は彼らへの認識をますます充実させている。 

韓国の東国大学校産学研センターのSeung-Hoon Hwang教授は、11年から中国人大学院生を受け入れている。長年、中国の学生と付き合い、彼らが師を敬い、学業に励んでいることに気付き、「彼らと一緒に新たな分野の研究に従事するのは、愉快で面白いです。もう卒業した学生ともまだ連絡を取り合っています」と語る。 

タイ・バンコクのチュラーロンコーン大学の孔子学院は、シリントーン王女殿下の提唱で設立されたものだ。王女は漢字で「任重道远(任重くして道遠し)」と書き、同学院が中国とタイの人的・文化交流の重責を担うことを励ました。中国から来た若い教師の江昊宇さんは、この学院で中国語を教えている。20年、タイで新型コロナ感染症のまん延が最も深刻だったとき、同学院には院長と江さんの二人だけが残り、業務を継続した。そんな状況の中でも江さんはオンラインとオフラインを合わせた形式でカリキュラムを継続させた。かつて江さんから中国語を学んだ同大学化学学院講師のChanya Chaicharoenpongさんは、こう振り返る。「江先生から勤勉かつ真面目で毅然とした態度を感じ取れました。彼や他の中国の若い先生はイノベーション精神を持っています。彼ら若者が中国の繁栄と発展の希望の星となり、タイと中国の友情の懸け橋づくりを進めることを信じています」 

白書「新時代の中国の青年」で、中国の青年は世界の青年に向けて以下の四点を呼び掛けている。①美しく、前向きで、善良な価値の追求を堅持しよう②生気に満ちた精神の風格を示そう③国家の発展と進歩のために奮闘し、責務を担おう④世界の平和と発展のために知恵と力をささげよう。これらは現代の中国の青年の奮闘目標であり、全世界の同世代の人々への望みでもある。 

  

今年5月に卒業した浙江大学の2000人近い若者たちは、人生の理想をかなえるために社会に出て闘う(新華社) 

 

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