青年対話 若者の視点で未来を考える

2023-01-09 19:29:50

李一凡=文


18回「北京―東京フォーラム」で設けられた特別セッションである青年対話が12月7日午後に行われた。両国の政府、メディア、シンクタンク、企業などの各分野からの青年代表者8人が若者の視点に基づいて、1時間半にわたって中日関係が直面している問題や関係改善の方策などを巡って意見交換を行い、両国の未来を展望した。 

  

青年のポジティブな役割を生かす 

対話の中で、両国の青年代表はまず国交正常化50周年現在の中日関係についてコメントを発表し、両国間の問題点や改善策について活発な議論を行った。双方は次のように考えを一致させた。現在の両国関係は楽観的ではないが、世論調査や実際の触れ合いからは、両国の青年の相手国に対する好感度が比較的高いことが分かるため、青年たちのポジティブな役割を十分に発揮させるべきだ。 

中華全国青年連合会国際部執行部長の孟洋氏は次のように述べた。50年の発展を経て、中日両国の利益の融合、交流相互参考がかつてないほど広く深くなり、両国の青年の交流と協力を拡大するために強固な基礎を築き上げた。青年が自らの発展を国家の発展の大局に積極的に溶け込ませる一方で、両国が青年発展の促進を中日協力のアジェンダと自国発展のアジェンダの優先的な位置に据えることを期待している。 

衆議院議員、立憲民主党副幹事長の太栄志氏は次のような考えを示した。安全保障など敏感な問題に関わるため、両国関係の改善は容易ではないが、交流を強化し両国の友好共存を実現することが問題解決の確実な道筋だ。特に日本の若者は中国に対して比較的ポジティブな見方を示しているので、両国の若者の間で友好関係を築く努力をすべきだ。また、日本は若者に中国語を学ぶ機会をもっと提供し、「知中派」を育てることで両国の友好交流を促進する必要がある。 

北京分音塔科学技術有限公司総裁、欧米同窓会留日分会青年委員会委員の郝磊氏は次のように話した。多くの中国人が日本旅行を通じて日本に良い印象を持つようになったのと同じように、多くの日本人にも中国に来て、この十数年間の中国の急速な発展を身をもって実感してほしい。また、漫画やアニメ、詩歌、漢服などの分野でも、両国の青年間の友好を深める場を構築することができるだろう。 

共同通信社外信部記者の山上高弘氏は、若者が互いの文化に関心を持つことが、両国関係に好ましい影響を与えると述べた。多くの日本の若者が中国のアニメやメイクに興味を持つようになっており、今後はこうした分野での交流の拡大が期待できる。さらに、山上氏はメディア交流について次のように提案した。両国のメディアは共同でウェブサイトを運営し、気候変動や少子高齢化、大卒生の就職など、双方が共に直面している課題について報道し、意見交換をすることで、メディア間の交流を強化できるだろう。 

中央広播電視総台(CMG)アジアアフリカ地域言語番組センター日本語部ディレクターの劉叡氏は、番組制作の際に日本人留学生と交流したエピソードを取り上げ、両国民の間にはある程度の相互認識の問題が存在しているとの見方を示し、記者や番組制作チーム、企業上層部の間にまで入り込むメディア交流を展開し、リアルな中国を紹介し、相互理解を促進する番組が多く制作されるようになってほしいと期待を述べた。 

日本側司会を務めた言論NPO国際部長の西村友穗氏は劉氏の考えに賛同し、次のように話した。中国を訪れたことのある日本の若者の数は比較的少なく、多くは日本のテレビや新聞から中国の情報を得ているが、そのほとんどはネガティブなものだ。今は現状を変え、両国青年間の直接の交流を展開しなければならない。 

株式会社ぬるぬるCCO、日中コンテンツプロデューサーの山下智博氏は次のように主張した。コロナ下で海外旅行や交流が制限されているため、両国民はなかなか互いの実情を把握できない。コロナが落ち着くにつれ、状況は改善される見通しだ。同時に、両国はインフルエンサーやアイドル、バラエティー番組などの分野における交流を強化し、懸け橋の役割を果たせるアイデアマンにサポートを提供すべきだ。 

  

2050年を見据えて 

対話の最後に、両国のパネリストは2050年の中日関係を展望し、若い世代が果たすべき役割について意見を述べた。 

劉氏は次のように話した。今世紀半ばには、世界の政治経済発展の成長スポットと安定装置としてのアジアの地位と役割がさらに際立ち、中国も二つ目の百周年を節目とする奮闘目標を達成する見込みだ。それは中日関係と両国の協力に、より幅広いチャンスをもたらすに違いない。 

太氏は、若者にとっては面と向かって交流することが非常に重要で、政治交流も例外ではないと述べた上で、2050年の日中関係のために一日も早く中国を訪れ、両国の議員、政治家の間の交流を推進していくと意気込みを示した。 

中国側司会を務めた零点有数国際関係社会発展センター副総経理の趙雷氏は、北京冬季オリンピックで羽生結弦と「ギドゥンドゥン」が両国のネット上で話題となった例を出してこう総括した。中日関係の発展を促進するのは政治、経済分野での出来事だけでなく、文化やスポーツなどの分野における青年交流も両国の相互理解を促進し、両国関係の前向きな発展を推し進めている。中国と日本の間には現在、「次元の壁」が存在しており、両国の青年がそれを打ち破る最も強い力になることを期待している。 

 

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