経済分科会 分断防ぎ連携と開放を加速

2023-01-09 19:38:18

続昕宇=文


12月8日午前に開かれた経済分科会で、中日のパネリストたちは、「分断に向かう世界経済の修復と中日の役割」というテーマを巡って突っ込んだ議論を交わした。反グローバル化や一国主義の台頭を背景に、世界第2位と第3位の経済大国である中日両国は、グローバル化推進の責任があるだけでなく、各分野の協力を深化させ、人類が直面するさまざまな挑戦に共同で対応するとともに、東アジアひいては世界の繁栄と発展に貢献すべきだとの認識で一致した。 

  

アジアの大国としての責任 

分科会の前半では、中日をはじめ、世界各国が景気回復の試練に直面している中、中日両国がどのような役割を果たすべきかについて議論された。 

グローバル化シンクタンク(CCG)理事長の王輝耀氏は、アジアは世界経済をけん引する力になるだろうという見込みを示し、次のように話した。地域的な包括的経済連携(RCEP)や環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)の発効など、アジアの地域経済の一体化は新たな発展の方向性を示している。中日には包容性のあるグローバル化を推進する責任があり、われわれは共通点を見つけ出し、先頭走者の役割を果たし、アジア太平洋経済の一体化を引き続き推進しなければならない。特に両国の企業家たちは先頭に立って、より美しく繁栄したアジアをつくるために努力すべきだ。 

元中国銀行首席経済学者の曹遠征氏は、断片化に直面する世界経済が大きな変革を迎えた今年は、中日協力の重要性が一段と顕著になったとした。中日両国は既存分野以外にも、グリーン金融やエネルギー、第三国市場における協力など、新たな協力分野をさらに開拓して経済のグローバル化を推進すべきだと述べた。 

全国日本経済学会副会長の呂克倹氏は次のように述べた。安定して健全な中日経済貿易関係は、中日関係の長期的かつ安定的な発展を実現するためのバラストと推進器だ。両国はいずれも新たな発展の機会を迎えており、複雑な外部環境に直面する中、双方は貿易投資やデジタル経済、グリーン発展、サービス貿易などの分野で実務協力を引き続き拡大させるべきだ。 

中国国際経済交流センター首席研究員の張燕生氏は、現在、世界経済の重心が東に移動する傾向を見せており、需要や供給、イノベーション、サービス、資本、金融、通貨などの面において、中日協力は東アジアの生産ネットワークと生産方式に影響を及ぼすだろうとし、これはアジアと世界にとって非常に重要なことで、中日協力の重要性を浮き彫りにしていると話した。 

日興リサーチセンター理事長の山口廣秀氏は、今後のグローバル経済は依然として深刻で楽観的ではないとした上で、日中両国は依存度が高く、中国がさらに開放して改革を積極的に進め、CPTPPへの参入に備えることを期待すると述べた。 

 

連携協力開放を 

分科会の後半で、パネリストたちは、どのようにして世界経済の分断を避けられるのかについて意見交換し、「分断せず連携して、対抗せず協力して、閉塞せず開放する」が議論のキーワードとなった。 

中国世界貿易機関研究会副会長の霍建国氏は、中日の経済貿易関係は深まり、今日では切っても切れない関係になり、われわれは分断を選択してはならないと訴えた。産業チェーンのデカップリングは現実的なものではなく、非理性的な選択だ。協力ウインウインと資源配置の最適化は、経済学と経済発展の基本原理だ。もし人為的に協力のモデルをゆがめてしまえば、経済発展のルールから罰を受けることになるだろう。 

広州商学院名誉学長の李暁氏は次のように述べた。改革開放初期、日本は中国に援助の手を差し伸べた。中国はより高い水準の制度的開放に向けてまい進する過程にある今日でも、日本側の支持が必要だ。また、相手国の債券をお互いに持ち合って、債券市場の基準や規則策定の面での協力を強化し、アジア地域のグリーンボンド市場の構築と発展を共に推進することを提案した。 

前中国銀河証券株式会社董事長の陳有安氏は、われわれの最善の選択肢は協力のほかにないと主張。デカップリングを防ぐために、中日両国は既存のWTO(世界貿易機関)やRCEPの合意を誠実に履行するほか、デジタルや介護、グリーン金融など各分野の協力を加速しなければならないと話した。 

全国日本経済学会常務副会長の張季風氏は、中国経済は今のところ困難を経験しているが、好調な流れには変わりがなく、中国は第20回党大会の報告が掲げた目標に沿って引き続き進むだろうとした。「中国の開放の扉はますます大きくなるだろう」と習主席が繰り返し強調しているように、日本企業が安心して対中投資と対中貿易を展開することを望むと話した。 

アジア開発銀行研究所元所長の河合正弘氏は、デカップリングを避けることが日中両国にとって非常に重要で、われわれは相違点をしっかりコントロールし、経済安全保障の範囲を無制限に拡大させてはならないと話した。 

今年の経済分科会でパネリストたちは、いかなるデカップリングや分断も相手や地域の協力に悪影響を与えることは間違いないとした上で、中日協力強化の必要性と重要性について再確認した。また、双方は気候変化、省エネ、環境保護、グリーン金融、第三国市場における協力などの分野で巨大な協力の潜在力を持つとの認識で一致した。

 

 

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