中国市場に通じる展示会

2024-03-01 16:18:00

サービス貿易の成長を後押し 

2011年から世界貿易量に占めるサービス貿易の割合は高まり続け、40年には50%になると見込まれている。サービス貿易会はその背景の下に誕生した、世界初のサービス貿易分野の総合展示会であり、中国サービス貿易分野をけん引する展示会でもある。 

サービス貿易会を窓口とし、より多くの出展企業は中国市場に新たなチャンスを見つけている。 

上田八木短資株式会社が全額出資して設立した上田八木貨幣経紀(中国)有限公司は20年のサービス貿易会期間中に建設業許可を得て、現在、北京市通州区の運河ビジネスエリアに拠点を構えている。中国で初めて外資企業が全額出資して設立した金融機関である上田八木社は、これまでなら4、5年かかっていた認可審査をわずか13カ月で終わらせ、滞りなく開業した。「中国の金融仲介市場を開拓できると信じています」と執行役員兼総裁の黄洪氏は語る。昨年11月末時点で、同社の累計取引件数は約25万件、成約額は37兆元を超え、1日当たり800億~1000億元の取引をしたことになる。 

昨年のサービス貿易会で「北京船舶司法売却条約」が正式に締結され、船舶の司法売却の国際的効力における国際ルールの空白を埋めた。韓国のバイオファーマが中国の協力パートナーと中国に設立した北京明泓バイオ科学技術有限公司が、北京大興区と世界最先端の室温保存mRNAワクチン技術に関する特許を導入することに合意した。世界トップクラスの産業機械メーカー荏原グループ、シンガポールの越境決済サービス会社のTTMFSがそれぞれ北京の朝陽区と豊台区で協力協定を結び、中国での発展の新たな一ページを切り開いた。 

サービス貿易会は国際協力プロジェクトの誕生を幾度も見守り、ハイレベルの対外開放の新たな実践を物語っている。 

世界経済つなぐ「チェーン」づくり  

昨年11月28日~12月2日、第1回中国国際サプライチェーン促進博覧会(サプライ博)が北京で開催された。 

「サプライ博は渡りに船だった」と世界貿易機関(WTO)のオコンジョ=イウェアラ事務局長は述べた。サプライチェーンが受けたショックでグローバル生産ネットワーク組織の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになったいま、貿易チェーンとサプライチェーンの国際化を強化し、あらゆるプロセスをスムーズにしなければならない。サプライ博はまさにそのような役割を発揮できるイベントだ。 

サプライ博は製品のみを展示するのではなく、各チェーンの川上川中川下のコアとなる新技術、新製品、新サービスを集中的に展示し、川上川中川下産業の協力と共同発展を後押しするのが目的だ。「サプライ博は世界の企業に世界レベルのプラットフォームを提供し、企業自身の実力と最適な実践を存分に知らしめ、サプライチェーンの国際協力の強化にチャンスを与えています」と鉱業業界大手のリオティント最高商務責任者(CCO)のアルフバリオス氏は語る。「中国は多くの分野で世界のグリーン技術の発展をけん引しています。このプラットフォームでさらに多くの業界の仲間と低炭素化モデルチェンジの発展の未来を共に模索したいです」 

おおまかな統計によると、第1回サプライ博で出展側が各方面と交わした提携意向合意は200件以上、金額は1500億元以上に及ぶ。中国ゼネテック技術グループと、米国ゼネラルエレクトリック社が中国で投資した独資企業のゼネラルエレクトリックヘルスケアが提携契約調印式を行い、医療用画像のデジタル化に関してさらに協力を深める予定だ。ボルボ自動車と雲南アルミニウム業社が持続可能なアルミバリューチェーンの協力覚書を締結し、双方は責任あるサプライチェーンやグリーンアルミライフサイクルアセスメントなどで協力を深めていく。 

中国社会科学院世界経済政治研究所などが発表した「世界開放報告2023」のデータによると、22年の世界開放指数は08年以降の全体的な下降傾向を引き継ぎ、国家間、分野間、エリア間の開放性の分断が激化している。グローバル化が直面する「逆風と逆流」や、グローバルサプライチェーンが受けた深刻なショックに対し、中国はハイレベルの対外開放を拡大し続け、世界にハイレベルの協力と交流のプラットフォームを一つまた一つとつくり、国内外の市場のつながりと要素リソースの共有を力強く推し進め、数多のリスクや挑戦の下で回復が困難な世界経済に寄り添い、期待を示している。 

 

人民中国インターネット版

 

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