砂漠化防止する緑の方程式

2026-09-23 16:00:00

郭熙賢=文 VCG=写真 

何千年もの間、砂漠は荒廃と貧困の代名詞だった。風沙が吹き荒れると田が飲み込まれ、村が埋まり、砂漠化対策は労多くして功少ない苦役と見なされていた。しかし今日の中国の地図において、砂漠化対策に取り組む代々の人々が汗を流して自らの答えを提示している。草木を流砂に根付かせるだけではなく、砂漠にクリーンな電気を生成し、赤いクコの実と富をもたらす羊を育て、かつての「不毛の地」を実際の利益がある「緑の銀行」に作り変えている。 

科学的な緑化 

黄河の湾曲が織りなす代表的な「几」の字の下に、内蒙古自治区オルドス市北部の1万4100平方に及ぶクブチ砂漠が広がっている。モンゴル語で「弓の弦」を意味するこの砂漠は、30年前まで黄河沿いに暮らす人々を苦しめていた。「死の海」とも呼ばれ、中国で7番目に大きな砂漠であるクブチ砂漠は、植生被覆率が3%未満、1年で50回以上の砂嵐が吹き荒れた。「麺のスープの下に砂がたまり、生煮えの米には砂が歯に触る」という言葉遊びが砂漠地帯での生活の苦しみを物語っている。 

クブチ砂漠北縁部にある官井村の村民、馮慧さんにとって当時の記憶は今なお新しい。築いたばかりの塀が一晩で砂に埋もれ、村にはまともな道もなく、外から車は全く入ってこられなかった。どの家もわずかなやせた土地を頼りに糊口をしのぎ、多くの村民はやむを得ず故郷を捨てて生きる道を求めた。 

現在のクブチは6000平方余りの砂地が緑に覆われ、動植物は100種余りから500種余りに増え、砂漠全体の砂漠化対策率は40%に達し、毎年黄河に流れ込む土砂は2700万余りから400万余りにまで減少した。かつて誰もが避けて通った「死の海」は、世界の砂漠生態経済モデル地区となり、その対策経験は「国連砂漠化対処条約」にも盛り込まれた。この輝かしい成果の裏には、現地の人々が徐々に確立した砂漠対策の道筋がある。すなわち、まず工学的な手段で暴走する流砂を抑え込み、次に草木の定着で砂地を安定させ、最後にさまざまな新技術を活用して効率を高めるという、黄砂を一歩一歩緑地に変える方法だ。 

砂漠化対策の第一歩は、どこにでも移動する砂丘を制御し、物理的な障壁を構築して風沙のまん延ルートを断つことだ。砂漠の北縁に沿って188もの砂漠化固定林が川岸に根付き、内陸部には240もの風沙バリアベルトを同時に構築し、この2本のグリーンベルトが黄砂の北上と南下をしっかり食い止めている。流動砂丘では作業者がアシやスナヤナギを敷き詰めて草方格を一つずつ作り、まるで砂丘に「かせ」をつけるように緩い流砂を安定させている。複数の砂漠横断道路で巨大な砂漠をいくつかの区域に分割することで、区域ごとの管理と精密な対策を実現している。 

砂の動きを抑制するだけで砂漠化を防ぐのは表面的な対処であり、長期的に砂漠を安定させるためには草木を根付かせなければならない。現地では、林、草、薬用植物を一緒に植え、柵の中での保護、空から種子の散布、人工造林という三つを同時に推し進めるという方法をまとめた。まず植物は、スナヤナギ、檸条(マメ科の植物)、シーバックソーンといった乾燥に強い種類を選んだ。育てやすく、防砂効果も抜群だった。遠く大きな砂丘には空中散布によって緑地拡大のペースを速め、村周辺の砂地には人の手で丁寧な植樹を行い、生態的に脆弱な場所は直接囲いで保護し、自然の自己回復力に委ねた。 

生態系改善のメリットを一番先に受け取ったのは住民だった。官井村がある杭錦旗の牧畜民孟克達来さんはこう述べる。「今は外出時に空を覆う黄砂を避ける必要もありません。道沿いには林が隣接し、風沙は以前と比べものにならないほど減りました」。風沙が減り、地下水位が上がり、外で生計を立てていた村民が続々と村に戻り、官井村は現在、192世帯400人余りが定住している。馮さんによると、「環境が大きく変わり、とうもろこしを大規模に栽培することができ、それだけで年間十数万元稼げます。普段はスナヤナギを刈ったり、草方格を編んで販売したりすることで、どの家庭も年間1万元ほどをさらに稼げます」 

人間がクワを入れて懸命に働くだけなら効率は低い。砂漠化防止に取り組む人々は世代ごとに道具を改良し、科学技術を駆使し、イノベーションによって砂漠化対策の効率化を図ってきた。オルドス雲東緑化プロジェクト責任者の劉少東氏は長年砂漠に身を置き、研究に研究を重ね、3代にわたる設備の改良を経て、最終的に一体型けん引式播種機を開発した。「機械が溝切り、播種、覆土、圧縮を一度に行い、一連の工程は10秒もかかりません」と劉氏は説明する。この改良機によって檸条の苗の活着率は従来の60%から85%に大幅に向上し、人的物的資源を大きく節約した。このほかにも、砂バリア敷設機や全地形対応輸送車が次々と投入され、ドローンによる広範囲空中散布やビッグデータによる砂地植生のリアルタイム監視と組み合わせることで、かつて人力で穴を掘り苗を植えていた原始的な方法と完全に決別した。 

成熟し低コストな科学技術による砂漠化対策の経験はクブチ現地にとどまらず、黄河の「几」字型沿線や中国各地の主要砂漠地帯に広く普及し、各地の生態修復における再現可能な実践モデルとなっている。 

砂漠から収益を生む 

青海省は青蔵高原の重要な構成部分として、その砂漠化防止対策の重要性は言うまでもない。 

真夏の青海湖南岸、海南チベット族自治州共和県のタラタン太陽光発電パークは、一年で最も活力に満ちた季節を迎える。ひと雨が降った後、砂蒿(キク科の低木)、檸条、スナヤナギが人の背丈の半分ほどに伸び、かつて黄砂が吹き荒れていた砂漠を緑が覆い尽くす。ここはかつて「地面には草も生えず、風が吹けば石が転がる」荒廃の地で、1990年代末には砂漠化率が985%に達し、草地の砂漠化面積は100万ムーを超えていた。しかし今、太陽光パネルが広がる「青い海」の下では、牧草が青々と茂り、羊の群れが悠然と草を食んでいる。砂漠化対策はもはや純粋な支出ではなく、経済への「還元」を始めており、生態保護と住民の富裕化が同時に実現されている。 

標高約3000のタラタンは強い日差しのせいで植物が育ちにくく、それが太陽光発電の資源的優位性となった。2011年からここには世界最大の水力太陽光発電複合発電所と太陽光発電パークが段階的に建設された。中国電力建設新エネルギーグループ傘下の共和西北水電光熱発電有限公司の現場責任者、蒲永凱氏によると、完成した太陽光発電パーク内では風速が50%低下し、土壌水分蒸発量が30%減少し、植生被覆率は3年間で80%に達した。 

パークは「光発電と草地畜産」モデルを模索し、パネルの下に草を植え、パネルの間で家畜を放牧し、パネルを洗った水は牧草を潤し、羊の糞はその場で有機肥料となり、整備された生態循環が出来上がった。現地の牧畜民はここの羊のことを「太陽光羊」と親しげに呼んでいる。現地では年間2万頭以上の太陽光羊を飼育し、19の村の集団経済協同組合の持続的収入増加を促進している。また、州全体の5県173の貧困脱却村の収入向上を支援し、各村の集団は毎年飼料コストを約8万2200元節約している。 

不毛の地タラタンは大きな変貌を遂げ、現在ではパネルの上で発電し、パネルの下で栽培し、パネルの間で羊を放牧するという中国における太陽光発電を活用した砂漠化対策の新たな手本となっている。 

太陽光発電による砂漠化対策が太陽エネルギーによる荒廃地の活性化だとすれば、青海省海西蒙古族チベット族自治州ゴルムド市トラハイの広大なクコ栽培拠点は、特色ある農林産業によって砂漠に持続的に「造血」機能をもたらすものだ。15年に青海芝潤農林開発有限公司が「砂漠造血計画」を始動し、風沙の通り道に青海省初の「中国農業公園」である「蘇弥山荘」を建設した。同社責任者の黄応山氏は、砂漠化対策初期の困難さを率直に語る。「風沙の通り道は風力が非常に強く、植えたばかりの新疆ポプラやクコの大半が黄砂に埋もれてしまうこともありました。高さ2余りの防護柵もほとんど砂中に埋まり、毎年多くの人員を投入して苗の補植や点滴かんがい施設の補修を行う必要がありました」。困難が続いてもチームは踏ん張り続けた。現在、蘇弥山荘は防護林1060ムー、有機クコ栽培6350ムー、特色ある薬用植物1080ムーを完成させ、砂漠に防風防砂のバリアを築き上げた。 

クコの根系は痩せて乾燥した土壌に深く根差し、効果的に土壌の構造を改善し、塩分濃度を低減させ、土地の保水力と安定性を高め、風沙による侵食を抑制し、水と土の流失を減少するとともに砂漠化した土地の生態系の段階的回復を推し進める。同社副総経理の趙振勝氏は「土壌を固め、金を生み出すクコは生態の美しさと住民の富裕化も真に実現しています」と語る。山荘では毎年シーズンごとに2000人を雇用し、有機肥料の生産は周辺の牧畜地域の羊の糞の販路を解決し、農民と牧畜民が「家の前」で収入を増やせるようになった。 

ゴルムド市の特色生物産業パークでは、選別機や無菌充填ラインが高速で稼働する。副主任の邢亮徳氏は従来との違いを次のように説明する。「かつては人力で1日約100しか選別できなかったクコの実が、今では機械で1時間に1選別でき、精度もはるかに高いです」。フレッシュロック技術や高圧ホモジナイズ粉砕などの工程により、クコの実は一次産品から高付加価値商品へとアップグレードされている。 

同自治州全体を見渡せば、クコ産業はすでに大規模クラスター化した発展構造を形成している。現在、現地のクコ栽培面積は43万6000ムーに達し、中国最大のクコ栽培地域かつ有機クコ生産拠点となっている。クコの加工販売企業87社、94の協同組合、63の家族経営農場を育成し、栽培から加工、販売に至る完全な産業チェーンを構築している。 

産業発展は雇用増加と収入向上につながっている。毎年、クコの剪定や収穫などの生産工程で、現地には省内外から10万人余りが働きに来て、周辺の農牧民約1万3000世帯に恩恵が及ぼし、1人当たり年間収入を1万2500元以上押し上げている。市場では、青海クコは優れた品質で広く認知され、生産量は全国首位を維持し、クコ輸出額は青海省農産物輸出額の約5分の1を占め、青海省を代表する国際的なブランドとなっている。 

タラタンの青い太陽光発電パネルの海からトラハイの至る所に広がる赤いクコの実まで、青海の砂漠化対策の実践は「砂漠化対策は金を費やすだけで儲からない」という固定観念を打ち破った。クブチの草方格やドローン、青海の太陽光羊やクコ林はいずれも一つの道筋を指し示している。砂漠化対策は、情熱だけに頼って無理に進めるものではなく、知恵をもって運営するものだということだ。まず生態を安定させ、次に産業を根付かせ、砂漠化対策に携わる全ての人が緑から利益の分配を受けられるようにする。これこそが持続可能な砂漠化対策の道だ。「砂進人退」から「緑進砂退」へ、「砂中での生存」から「砂中での財宝獲得」へ。中国人は数十年にわたるリレーをもって、砂漠は発展の終点ではなく、新たな経済の起点であることを証明した。 

人民中国インターネット版 

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