地下鉄6号線 北海北駅(文化)
文・写真=李京艶
郭沫若記念館
郭沫若(1892-1978年)は、中国の著名な文学者、歴史学者、社会活動家であり、かつて全国人民代表大会常務委員会の副委員長、中国人民政治協商会議全国委員会の副主席を務めた。沫若という名前は、彼が日本に留学していた頃に名乗っていたペンネームで、沫水(大渡河)および若水(青衣江)という2本の河から1字ずつ取ったもので、故郷を恋い慕う気持ちをこの名前に託している。
郭沫若記念館は北京市西城区前海西街に位置しており、東に什刹海の前海が隣接し、南は全国重要文化財である北海公園の静心斎に面している。ここはかつて清代の汚職官僚である和珅が設けた王府花園だった。その後幾人もの所有者を経て、新中国の成立後は在中国モンゴル国大使館や宋慶齢の住居となった。
1963年11月、郭沫若は西四大院胡同5号から住まいを移し、晩年はここが執筆活動や生活の拠点となっただけではなく、科学や文化、芸術界の要人たちとの交流や海外からの友人たちを接待する場ともなった。1978年6月に病気で逝去するまで、文化の巨匠である彼は人生最後の15年をここで過ごした。
郭沫若の銅像
記念館内では、彼の旧居である四合院の家屋や正面玄関内にある木々に彩られた小さな丘、彼が応接室や書斎、書庫として使用した北側にある5つの部屋、母屋に隣接した東側の寝室、それぞれ3部屋を有する東西の脇室、建物全体にめぐらされている回廊が当時のまま保存されている。
そして裏庭には、彼の妻・于立群氏が書画室や寝室として使用した11室ある「罩房」があり、さらに旧居の敷地内には東跨院もある。
館内では郭沫若直筆の書や手書きの原稿、図書などの文化財が多数展示されており、文学や歴史、翻訳などの分野における彼の功績や平和活動への貢献について紹介している。
創造社が出版している主要な雑誌の一つである『創造月刊』。創造社は、郭沫若や郁達夫、成仿吾などが発起人となって、1921年7月に東京で設立された中国現代文学の社団。
1972年9月28日、80歳という高齢ながら日本の田中角栄首相に故宮を案内する郭沫若(右端)。その翌日、中日両国が共同声明に署名し、国交正常化が実現した。
梨の花びらが飛び散る静かな庭園
■所在地 北京市西城区前海西街18号(北海北駅B出口から 地安門西大街を東に230㍍行き、その後前海西街を北に150㍍)
■電話 010-83225392 ■入場料 20元
■営業時間 9:00-16:30 (休館日 毎週月曜日)
人民中国インターネット版 2014年6月3日