地下鉄1号線 五棵松駅（グルメ）
林静小吃
文・写真＝李京艶
開業して10年以上になる「林静小吃」は、もともと五棵松駅の南西の角に店を構えていたが、後に道路を越えて北側に店を移した。
門構えは小さく、店の雰囲気は至って平凡だが、長年にわたり変わらぬおいしさを提供しており、いつも来店客でごった返している。
「酒香不怕巷子深（良い品は宣伝しなくても売れる）」という中国の古いことわざの通り、店の常連たちが毎日のように訪れており、もしピーク時に店を訪れるなら超満員で、夏の時期なら順番待ちが深夜の１時以降まで続くことがある。同店は、いつでも「メニューの注文は肉体労働、座席の確保は職人技、長く待たされた末に相席」という状態だ。
そこで、長時間にわたる順番待ちを解消するべく、店内の壁に食卓代わりとなる棚板を設け、来店客が立食で手早く食事を済ませられるようにして、待ち時間の解消に取り組んでおり、人々が立食している姿は1年を通じて繁盛している店の日常風景となりつつある。同店の付近に住んでいる高齢者たちの中には、弁当箱を持参して注文した料理をテイクアウトし、家でじっくり味わっている人もいる。
同店の売り上げナンバーワンは、「麻辣涼麺」だ。もちもちとしていてのどごしが良く、茹で加減が絶妙な麺に、砂糖を加えた真っ赤な「唐辛子油」とその他さまざまな調味料を配合したタレを混ぜ合わせた涼麺は、「唐辛子油」の香りが豊かで、見た目以上にさっぱりとしており、炎天下の夏日に食べると口から涼しさが感じられ、まるで成都の街で味わう麺料理を思い出させるかのような一品だ。
また同店の「麻辣燙」は、グルメな人々の間でひそかに人気となっており、北京で最も美味しい「麻辣燙」の１つとさえ呼ばれている。
具材はすべて透明の大きなウィンドウに並べられており、種類は豊富だが価格は手ごろで、ウズラ卵以外に肉や魚、野菜で作られた団子、「豆泡（油揚げのような豆製品）」、「面筋（揚げ麩）」、牛モツ、「結びシラタキ」などが揃っており、さらに新鮮な野菜やキノコ類もあり、自由に選ぶことができる。スープの素である「紅油」は麻辣の味がしっかり利いている。胡麻ペーストは香り高いが塩味が少々きつめなので、冷えたカシスソーダが食事によく合うことだろう。
所在地 海淀区復興路79号院1階（地下鉄1号線五棵松駅Ａ出口から西へ340㍍）
一人当たりの金額 25元
人民中国インターネット版 2014年6月16日