地下鉄6号線 5号線 東四駅(グルメ)
文・写真=李京艶
隆福寺小吃店
隆福寺小吃(スナック・軽食)の歴史は、明の景泰年間(1450〜1456年)に、隆福寺の前で庶民が営んでいたにぎやかな「小吃街」までさかのぼり、その後清代に「宮廷小吃」が民間に伝わることにより、隆福寺小吃街は当時の北京で広く知られるようになった。
東城区の隆福広場に位置する隆福寺小吃店は、政府の出資によって1964年に建てられた北京初ならびに北京最大の小吃店だ。
隆福寺街および北京の100種近いハラル風味の「小吃」を取り揃え、西太后の好物だった「豌豆黄(エンドウ豆の羊羹)」など宮廷の美食や北京の一般大衆が好んで食べた「豆汁焦圏(豆汁は、はるさめを作った後の緑豆の残り汁を発酵させて、沸かした酸味のある豆乳、焦圏は北京の伝統的な揚げドーナツ)」なども用意されている。
悠久の歴史を誇る「小吃」の老舗として、隆福寺小吃店では、本場北京のさまざまな伝統的な「小吃」や温かく親切な店員の接客態度、よどみのない北京アクセントの話し声などから、昔ながらの北京情緒が感じられ、まるで古都の庶民生活を垣間見ているかのような気分を味わえることだろう。
北京の庶民の間では、豆汁を飲めないのなら北京人ではないと言われている。地方から訪れた人々の多くにとって、豆汁の独特の酸味は口に合わないものだが、北京っ子には独自の飲み方があり、豆汁を一口飲んで、焦圏を一口食し、そして漬物を口にする。もしかしたら、彼らも豆汁を常に飲み続けたからこそ、この絶妙な味わいが分かるようになったのかもしれない。
「豆汁焦圏」 「豌豆黄」と「紅豆糕」 「麒麟酥」 「糖耳朵」
「豌豆黄」には、上等の白エンドウが原料として使用されており、薄い黄色をしたまろやかな味わいで人気が高く、とろけるような口当たりと甘さの奥に爽やかな後味が残るおいしさだ。「麒麟酥(揚げあんパン)」には、柔らかくてもちっとした小豆が餡に使用され、表面には淡い香りが爽やかなココナッツの粉がまぶされており、香りが良くておいしく、栄養も豊かな一品だ。「糖耳朵」は「蜜麻花」とも呼ばれ、形状が耳の形に似ていることからこの名前が付いた。つやのある黄褐色にフカフカと柔らかい歯ごたえで、甘くておいしい。どの「小吃」も幼い頃の記憶に登場する幸せの味だ。
テイクアウト売り場の「糖卷果(ヤマイモやナツメなどが入った蒸し菓子を細かく切って揚げてから、飴かけをしたスイーツ)」
所在地 東城区隆福寺前街1号(地下鉄6号線東四駅E出口から右に曲 がって、連豊胡同を北に50㍍進み、左折して隆福寺街を直進60㍍)
電話番号 010-64060668
営業時間 6:00-20:30
消費金額 20元/1人
人民中国インターネット版 2014年8月6日