成果あげる「AI+」、外資系機関が中国のハイテク株を有望視
「人工智能(AI)+」の取り組みが2年連続で中国の政府活動報告に盛り込まれる中、AIの応用は様々な産業分野で成果をあげ、工場や店舗、学校の教室などに浸透している。この盛んな発展の勢いは、すでに外資系金融機関の注目を集めている。
広西柳州鋼鉄集団の冷間圧延工場では、釘釘(DingTalk)のAIデジタルアシスタントを活用して構築されたインテリジェント・インタラクション・プラットフォームによって、製造ライン全体が「透明なガラスの部屋」のように可視化されている。従業員はスマートフォンを使って、生産の進捗、コスト、設備の状態などをリアルタイムで確認できる。
この冷間圧延工場の技術専門家である陶歆氏によると、例えば酸洗圧延ラインでは、厚さ4ミリの原材料の帯鋼を1.5ミリの薄鋼板に加工するまでに10を超える工程が必要で、関連するパラメータも100以上にのぼるため、以前は正確な製造コストの把握が難しかった。しかし現在では、「インテリジェント鋼材AIアシスタント」により、厚さ0.8ミリの鋼板を加工する際の製造コストが正確に把握できている。
字節跳動(バイトダンス)傘下の「火山引擎(ボルケーノ・エンジン)」が主催した「Force原動力大会」では、大規模AIモデル「豆包大模型1.6」と動画生成モデル「Seedance 1.0 pro」が公開された。バイトダンスの梁汝波・CEO(最高経営責任者)は「長期的な投資を堅持し、スマート・ブレイクスルーを追求し、産業応用に貢献する」と表明した。
「豆包大模型」はすでにマルチモーダル、映像、画像、音声、音楽などのAIモデルカテゴリーをカバーしており、スマート性能の向上と応用の実装を全方向から推進。世界のスマートフォン大手10社のうち9社、大手自動車ブランドの8割、グローバルなシステム上重要な銀行の70%にサービスを提供している。
エネルギー、金融、交通、医療、教育、農業など、中国ではAI技術を積極的に導入する業界が増えている。こうした発展の勢いは、中国ハイテク株への外資系機関の見通しに影響を与えている。
ドイツ銀行プライベートバンキング部門の劉佳アジア投資戦略主管は、「我々は中国ハイテク株の中長期的な投資ポテンシャルを有望視している」としたうえで、「米国ではAI関連株が広まってからすでに4年近く経つが、中国ではまだ4ヶ月余りに過ぎない」と指摘する。
劉主管によれば、2025年は株式投資市場が「中国AI」という株式テーマに注目する「元年」となる。この株式テーマは今後も持続的に推進されていくだろう。政策面でも商用化の面でも、中国におけるAIの発展は非常に速く、各業界で最近新たに競争が繰り広げられるようになった分野はいずれもAIと関連している。テクノロジー・プラットフォーム主要各社は今年、AIインフラへの大規模投資を次々と発表しており、これは中国ハイテク株の中長期的な成長ポテンシャルを維持する重要なブースターの一つとなる。
UBSウェルスマネジメント・チーフインベストメントオフィスの李慧琪マクロストラテジストは、すでに中国ハイテク株の評価を「ポジティブ」に引き上げたという。年初の「DeepSeek(ディープシーク)」の登場によって、中国のAIの発展に対する新たな認識が生まれた。中国ハイテク株の評価価格は依然としてこれまでの平均値を下回っており、20-30%という今後の利益成長予測が反映されていない。
モルガン・スタンレーが最近発表した中国AIに関するレポートによれば、AI関連の価値がハードウェアから応用レベルへとシフトするに伴い、AIの今後の発展には、市場での新たなAIツールの迅速な開発・導入を可能にする、より広範なエコシステムが必要となる。これは、中国のAIの発展にとってチャンスだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年6月13日