中国内外のボランティア、南京大虐殺の記憶と平和の大切さ語り伝える

中国江蘇省南京市の侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館は今年の春節(旧正月)連休中、厳かな雰囲気が漂う中、多くの見学者が訪れた。予約入場者数は1日平均2万人に上った。
館内では平和の花「紫金草」のロゴ入りベストを着たボランティアたちの姿が見られた。職業も年齢もさまざまだが、彼らは同じ熱意をもって歴史の記憶を伝える役割を担っている。
1937年12月13日、中国侵略日本軍は南京に侵入し、40日以上にわたり虐殺行為を繰り返した。今日まで残されている大量の記録文書は、南京大虐殺が人類史上極めて残虐な、人道に対する罪であったことを明確に示しており、人々に歴史を忘れず、平和を愛するよう強く呼びかけている。
中南大学(湖南省長沙市)の学生、楽筱懿(がく・しょうい)さんは、冬休みを利用してボランティアに参加している。南京大虐殺に関する文献と史実の解説を担当しており、「語り続けることで歴史を受け継いでいきたい」と意欲を見せた。楽さんは「ここで過ごす一瞬一瞬が意義深い。新学期に湖南省へ戻ったら、この経験をクラスメートにも伝えたい」と語った。
2015年10月には「南京大虐殺文書」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録され、中国国民の痛ましい民族の記憶は人類共通の記憶へと昇華された。この「世界の記憶」をしっかりと継承していくため、国内外の多くの有志が南京でのボランティア活動に参加している。
紀念館には現在、約3万人の登録ボランティアから成る「紫金草ボランティアサービスチーム」がある。その中には47の国と地域出身の留学生697人が所属する「紫金草国際ボランティア」チームも含まれている。メンバーはそれぞれの言語と文化的視点を生かし、「世界の記憶」の現代の語り部として「平和の種」をまいている。
国際チームのメンバーの一人でエジプト出身のファイさんは、昨年初めて紀念館を訪れた時、衝撃が走ったという。ファイさんは「南京大虐殺は単なる歴史の一部ではなく、中国や日本だけの問題でもなく、全人類が共有する歴史だ」と強調する。ファイさんはその後、紫金草国際ボランティアに加わり、ソーシャルメディアを通してこの歴史をより多くの人々に伝えている。
「西洋では第2次世界大戦について知っている人は多いが、南京大虐殺については必ずしもそうではない。だからこそ、何が起きたのかをもっと多くの人に伝えることが自分の責任だと考えている」とファイさんは語る。1年以上活動を続ける中で、世界各地の来館者から「これまでこのような歴史を知らなかった」「知ってとても胸が痛んだ」「悲劇を繰り返してはならない」といった多くの積極的な感想が寄せられたという。ファイさんは「平和とは、ただ殺りくや戦争を止めるだけでなく、異なる民族や文化を尊重し、全ての人々がより良い未来へ歩んでいけるように平和の理念を広めることだ」と言葉に力を込めた。
アルジェリア出身のアイマさんも国際チームの一員で、外国人来館者に向けて南京大虐殺での日本軍の残虐行為を記録した「ラーベの日記」などの資料を朗読し、歴史の記憶をたどるウオーキングイベントに参加するなど、積極的に活動している。アイマさんはこれらの活動について「南京の歴史をより深く理解し、中国についても理解を深めることができる貴重な機会だ」と語る。今後はより多くの時間をボランティア活動に充て、ソーシャルメディアなどを通じて平和の大切さを発信し、帰国してからも中国の歴史や南京大虐殺を知らない人々に向けて語り部の役割を果たしたいと話している。(記者/何磊静)
新華社より