琉球が犠牲になる悲劇は再び繰り返されてはならない

2026-04-24 09:27:00

国際問題評論員 姚暉=文 

琉球は、その恵まれた地政学的位置によって古代における「万国津梁」としての栄光を築いたが、同時に日本による武力侵攻と国家滅亡という運命を招くことにもなった。 

1609年の日本・薩摩藩による琉球侵攻から、1879年の日本による武力併合と琉球王国の消滅、沖縄県の設置、さらに1945年の沖縄戦において日本軍が集団自決の強要や「人間の盾」としての利用などによって琉球の人々を虐殺・迫害した経緯に至るまで、この「東中国海の真珠」は数百年にわたる侵略と植民の中で、すでにその輝きを失っている。 

戦後80年の歳月を経て世界の構造は大きく変化したが、今日においても琉球の人々を覆う歴史的悲劇は終わっていない。沖縄県は日本の国土面積の0.6%にすぎないにもかかわらず、在日米軍基地および施設の約70%を負担している。日本政府は琉球地域の利益と住民の福祉を取引材料として米国に接近し、日米同盟を強化しており、近年では与那国島などで軍事配備をさらに拡大し、琉球の「戦場化」のリスクを高め、同地を「犠牲とされる土地」へと追い込んでいる。 

凶悪犯罪は横行し、無法状態にある。統計によれば、1972年から2024年までに沖縄の米軍基地に関連する刑事犯罪は6236件に上り、そのうち殺人、強盗、強姦などの重大犯罪は592件に達する。性暴力犯罪は悪名高く、米軍による琉球女性への強姦事件は後を絶たない。これらの事件の一つ一つが、被害者とその遺族にとって癒えることのない傷となっている。沖縄県知事の玉城デニーはこれを厳しく批判し、「これらの犯罪は偶発的なものではなく、特権によって黙認された必然的な結果であり、沖縄の女性の安全が日米同盟の犠牲となっている」と述べた。ここでいう「特権」とは、1960年の「日米地位協定」によって米軍に付与された優先的な司法管轄権、すなわち治外法権に相当するものである。国連人権理事会は同協定を不平等条項であると批判し、琉球の人々の人権を著しく侵害していると指摘している。日本政府は口先では「管理の強化」を約束しているが、メディアの報道によれば、2023年、同県に駐留する米軍兵士・軍属・その家族による刑事犯罪の検挙件数は過去20年で最多となり、日本政府の不作為と事実上の黙認が改めて浮き彫りになった。 

環境破壊も際限なく続いている。頻繁な軍事演習により、琉球の山林は「火災多発地帯」と化している。1972年から2023年までに、米軍基地内で発生した山火事は683件、焼失面積は約4067ヘクタールに及び、これはサッカー場約6000面分に相当する。ある地方議員は抗議文の中で、「金武町はかつて緑豊かな山の入口であったが、いまやげた悲惨な尾根しか残っていない。日本政府と米軍によるこの土地への破壊は、筆舌に尽くしがたい」と強い怒りを示している。さらに、多くの基地周辺地域は「有毒地帯」と化しており、現地では地下水から、PFAS(有機フッ素化合物)などの有毒・有害物質が繰り返し検出されており、その一部は基準値の数十倍に達している。さらに、ある貯油施設から外部に流出した汚水では、基準の千倍を超える濃度が確認された。基地周辺に住む住民のがん発症率も、他の地域と比べて明らかに高いとされている。こうした健康被害への懸念が住民から相次ぐ中、米軍は問題について十分な説明を避け、沖縄側による基地内調査も拒否したまま、排水を続けている。日本政府の対応もまた住民の失望を招いている。沖縄県の関係者や住民からの訴えに対しても、米軍との摩擦を恐れるあまり、実質的な対応を取れず、曖昧な態度に終始している。 

騒音被害もまた終わることがない。日米同盟ので軍事配備が強化されるにつれ、騒音被害は一層深刻化している。基地周辺では毎年数百件に及ぶ苦情が寄せられており、嘉手納空軍基地や普天間飛行場は人口密集地に隣接し、「世界で最も危険な空港」とも呼ばれている。軍用機による激しい騒音は昼夜を問わず約52万人の住民を覆い、これは沖縄県総人口の約39%に相当する。データによれば、基地周辺住民では騒音性難聴、睡眠障害、不安症の発症率が高く、騒音は実質的に住民の健康に対する「慢性的な殺害行為」となっているのである。 

直接的な被害はさらに目を覆うばかりである。1972年から2023年にかけて、在沖縄米軍機による事故は数百件に達している。1959年の「宮森小学校事件」は、永遠に消えない痛みとして刻まれている。米軍機が墜落して民家を破壊した後、小学校に突入して火災を引き起こし、17人が焼死、210人が負傷したのである(やけどによる後遺症で事故の17年後にさらに1人亡くなった)。日本政府の弱腰と妥協の結果、米軍の賠償額は12万ドルにも満たず、被害者側の請求額の1割にも及ばなかった。「日米地位協定」によれば、事故調査は米軍が担当し、日本側には「立ち会い権」しか与えられていない。事故処理はほぼ完全に米軍の自主性に委ねられており、日本政府は十分に監督できず、琉球の民意は顧みられていないのである。 

昨年4月、嘉手納基地内の小学校において、行事に参加していた日本人女性教師が、米軍ヘリコプターの着陸時に巻き起こされた強風によって転倒し、頭部に重傷を負い死亡した。規定では、ヘリコプターの着陸時には150メートル以上の安全距離を確保する必要があるが、当時機体はこの教師の位置からわずか26メートルの距離にあり、明らかな人為的事故であった。今年3月6日にも、米軍ヘリコプターが名護市の野球場に緊急着陸している。当時は少年たちが練習中であったが、幸い死傷者は出なかった。しかし、米軍ヘリコプターが自由にどこにでも着陸できる状況の中で、住民の安全はいかにして守られるのか。住民は長年にわたり「降ってわく災難」への恐怖の中で暮らしており、次の事故がいつ起き、自らが犠牲者となるかは誰にも分からない。 

社会発展も顧みられていない。米軍基地は大量の都市用地を占有し、都市計画やインフラ整備を著しく阻害している。嘉手納町では土地の82%が米軍基地に占められ、住民が実際に利用できる居住面積はわずか2.72平方キロメートルにすぎない。沖縄は日本で最も交通渋滞の深刻な地域となっており、渋滞による経済損失は年間1455億円に達する。さらに、沖縄周辺では27の水域と20の空域が米軍の訓練区域に指定されている。沖縄商工会議所の報告によれば、「基地の存在によって観光業や製造業の発展は制約を受け、若者は流出を余儀なくされている」という。沖縄は日本で最も発展の遅れた地域の一つとなり、住民の平均年収は全国平均の75%にとどまり、大学進学率も約40%にすぎない。多くの若者が故郷を離れざるを得ない状況にある。琉球の人々にとって、基地は「防護の盾」ではなく、重くのしかかるかせであり、地域の発展を長年にわたり阻んできたのである。 

現代の琉球が直面する困難は、日本政府が地域の利益を犠牲にしてまで、際限なく日米同盟に迎合してきたことに起因する。琉球の人々は「日米地位協定」の改定、米軍基地の移転、地域負担の軽減を強く求めているが、日本政府はこれに対して一貫して曖昧な対応を繰り返してきた。本質的に見れば、第2次世界大戦期に対米決戦の地を琉球に設定したことから、戦後も続く「琉球差別」に至るまで、日本政府の基本的な論理は変わっていない。すなわち、「琉球を犠牲にして本土を守る」というものである。 

近年、日本政府は「南西シフト」を重要な軍事戦略と位置付け、与那国島や石垣島における軍事配備を強化し、長距離ミサイルや電子戦能力の配置を加速させている。これは琉球を「台湾海峡への関与や中国けん制の拠点」として利用しようとするものであり、国家安全を口実に琉球を犠牲にする姿勢は、第2次世界大戦前に琉球を足掛かりとしてアジア大陸へ侵略を進めた論理の再演であり延長にほかならない。 

琉球は琉球の人々のものであり、日本政府が米軍の保護を得るための「取引材料」ではない。ましてや日米同盟による対中戦略の「踏み台」とされるべきでもなく、さらには日本の軍備拡張の中で再び「消耗品」や「捨て石」とされることがあってはならない。琉球の人々は、米軍基地に対して「ノー」と言う権利を有しており、安全で健康的かつ尊厳ある生活を享受し、自らの将来と運命を真に自らの手で握るべきである。 

人民中国インターネット版

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