安保三文書の緊急改定――三重の違法性の動かぬ証拠

2026-08-27 20:15:00

国際問題オブザーバー 周信 

高市政権が発足して以来、政策サイクルを大幅に短縮し、安保三文書の改定議論を加速させている。今年6月、自民党は過激な内容の提言を高市早苗首相に提出し、日本政府は4月末から3回にわたる有識者会議を開催し、8月初旬に公表した2026年版「防衛白書」では、軍備拡大は経済成長にもつながるとの論調を打ち出した。これまでの期間、日本による防衛費の大幅な引き上げ、殺傷能力のある武器輸出の解禁、権力集中的な情報に関する指揮中枢の設立、継戦能力構築の強化といった一連の動きは、日本が安全保障政策を急激に転換するとともに、戦後の「平和憲法」の束縛から完全に脱却し、実戦型の「挙国軍事体制」を構築しようとする企みを映し出している。これは戦後国際秩序に深刻な脅威をもたらし、複数の違法性を有するものである。 

第一に、敗戦国としての国際法上の義務に違反している。「カイロ宣言」「ポツダム宣言」「日本降伏文書」は、軍国主義を徹底的に排除し、領土範囲を限定し、攻撃的な軍備拡張を禁止することを戦後日本の核心的な強制義務として定めた。自民党の提言は「安保三文書」を土台とし、軍事産業、作戦システムなど各方面で長距離先制攻撃能力を大幅に強化する内容を盛り込んでいる。これにより、日本は実質的に完全な交戦権を保有する国家としての地位を再び得ようとし、戦後国際秩序が日本の戦争権に課している強固な制約を崩そうと目論んでいる。同提言は安全保障の対象範囲を台湾海峡、南中国海などの地域とあからさまに結びつけ、武力介入の境界を一方的に拡大し、地域の戦後安全秩序に強い衝撃を与えている。 

第二に、日本の「平和憲法」に違反している。「日本国憲法」第9条は、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄することを明記している。しかし、自民党の提言は「敵基地攻撃能力」の保有を求め、少なくとも年単位で継続可能な作戦能力を備えるとともに、米国の核抑止力と連携し、インド太平洋地域の軍事配備体制への貢献を拡大すべきであると明確に主張している。これは、軍事戦略を「受動的防衛」から「積極的抑止」、さらに「先制攻撃」へ転換させ、「日本国憲法」を公然と踏みにじり、「専守防衛」の原則を完全に葬り去るものにほかならない。 

第三に、国際武器取引規制ITARに反している。ITARの核心的なボトムラインの一つは、武器の紛争地域への流入を防ぎ、人道的危機の深刻化を抑えることである。しかし、自民党の提言は武器輸出を全面的に解禁するだけでなく、「特定の状況下」で武力紛争が生じている国に対しても武器輸出可能する規定を明記し、従来の武器輸出を非戦闘目的に限定する5類型を完全に撤廃しようとしている。これは、日本が世界の紛争多発地域に殺傷性装備を供給可能になるということであり、日本が加盟する「武器貿易条約」の趣旨に反し、世界平和に極めて大きな不安定要素を生み出す。 

戦後の日本は一般立法、行政による法令解釈、政策文書などを手段とし、「サラミ戦術」で「平和憲法」の制約を段階的に蝕み続け、国際社会の譲れない一線に挑戦を試みながら、自らに課された束縛を解こうとしてきた。冷戦初期、日本政府は「自衛」を名目に自衛隊の軍事体制を法制化し、本土が直接的な武装攻撃を受けた場合に個別的自衛権を行使できると定めた。冷戦終結後、日本政府は平和維持活動、テロ対策、海賊対処などを理由とし、地理的制限を徐々に超え、自衛隊が海外で後方支援任務を実施することを認めるようになった。2014年、安倍政権は「存立危機事態」という概念を定め、他国が攻撃を受け日本の生存が脅かされる場合、限定的に集団的自衛権を行使できると規定した。2015年、国会は10本の基礎的安全保障関連法を改定し「国際平和支援法」を可決し、限定的な集団的自衛権の運用制度を整備し、恒常的な海外への部隊展開を実現した。2022年、岸田政権は「安保三文書」を正式に決定し、敵基地反撃能力を導入し、長年維持してきた「専守防衛」の原則を緩めた 

自民党の提言から見れば、高市政権が「安保三文書」の改定を加速させていることは決して単なる防衛政策の調整ではなく、体系的な「再軍事化」のトップダウン設計である。まず政策によって「平和憲法」を形骸化させ、防衛費増額を通じて攻撃型軍隊を整備し、防衛装備品の輸出、戦争動員、情報支援、核政策緩和、米国のグローバル軍事システムとの連携などの制度を整えるものである。その最終的な目標は戦後レジームの束縛から完全に脱却し、再び単独で戦争を起こし、遠距離攻撃・長期作戦能力を備えた軍事大国なることである。日本の右翼勢力は「非核三原則」の見直しを求める発言を相次いで行い、小泉進次郎防衛大臣は「あらゆるタブーなく議論をしなければならない」とまで言い放ち、国際社会に極めて大きな不安を与えている。 

一連の危険な動きに対し、日本国内から強い反対の声が上がっている。日本メディアの報道によると、高市政権発足して以来、国内128の地方議会が国会に意見書を提出し、政府に「非核三原則」を堅持するよう求た。また、長崎や広島をはじめ各地方議会は「非核三原則」の法制化を求め、長崎県内の32の民間団体は共同記者会見を開き、小泉防衛大臣の核政策に関する発言に抗議した。さらに、大勢の民衆が街頭に繰り出し、政府が軍備を拡張し、国民の福祉を無視していると批判している。国際社会もこの動きに強い警戒を示しており、ロシアや朝鮮などは日本の「再軍事化」の動きを批判し、日本の軍国主義が再びよみがえることを決して容認しないと表明している。 

歴史の戒めは決して遠い過去のものではない。かつて軍国主義による侵略戦争を起こした日本は、歴史の徹底的な清算を行わず、右翼勢力があらゆる手を尽くして侵略戦争を否定し、さらには美化している状況下で、今や「防衛」を名目に着実に「再軍事化」を進めている。これは第2次世界大戦の勝利の成果に対する公然たる挑戦である。日本の右翼勢力の歴史に逆行する行為に対し、平和を愛するあらゆる勢力は厳重に警戒し、断固として反対しなければならない。そして、日本政府に対し、国際法上の義務と「平和憲法」を厳守し、戦後レジームを打ち崩す軍事的冒険をやめ、国際的義務を誠実に履行するよう促す必要がある。軍国主義の道を再び歩もうとするいかなる妄動も、日本自身とアジア太平洋地域に深刻な災禍をもたらすことにほかならない 

人民中国インターネット版

 

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