オウンク(鄂温克)族
 

 人口は約2万6400人。 

 オウンク族は主に内蒙古自治区フルンベル盟のオウンク自治旗と周辺の一部の旗(県に相当)、黒竜江省の訥河県などに住んでいる。 

 オウンク族の言葉を使用し、アルタイ語系、満州・ツングース語派、ツングース語に属する。海拉爾、陳巴爾虎、敖魯古雅の3つの方言がある。 

 オウンク族は自民族の文字を持たず、放牧地区での公用語はモンゴル語で、農業地区と山岳地帯での公用語は中国語(漢語)である。

 以前、オウンク族の人びとの多くはシャーマニズムを信奉してきた。牧畜民は同時にラマ教を信奉している。  

 オウンクはこの民族の人たちがみずから使っている呼称であり、「大きな山林の中に住む人々」という意味である。歴史上異郷に住んでいたオウンク族の人びとはかつてそれぞれ「索倫」、「ツングース」、「ヤクート」などと呼ばれ、1957年にこの民族の願いに基づいて、統一した民族の名称はオウンクとなった。オウンク族の人びとの祖先はもともとバイカル湖以東と黒龍江上流の山林の中で暮らし、漁業・狩猟に従事し、トナカイを飼育していた。以後、東へと発展し、現在、オウンク族の人口は少ないが、分布はより広いものとなり、蒙古族、ダフール族、漢族、オロチョン族などの民族の人びとと一緒に大興安嶺西側の緩やかな斜面と草原地区でともに暮らしている。新中国成立以前、オルグナ左旗に住む少数のオウンク族の人びとは依然として原始社会末期の父系家族公社の段階にあり、原生林の中で生活し、お粗末なテント――撮羅子の中に住み、定住してはいなかった。そしてトナカイを飼育していたため、しばしば「トナカイを飼いならしているオウンク人」と称され、共同で狩猟を行い、物を平均的に割り当てられる原始社会の生活をしていた。新中国成立後、オウンク族の新しい住宅区が建てられ始め、定住して放牧を行うようになり、水草を追って暮らす状態を徹底的に変えた。


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