2017 World Music Days 「一帯一路」沿線国の音楽と舞踊を披露

2017-11-30 10:22:05

 

文・写真=高原

2017 World Music Days-「一帯一路」沿線国ミュージック&ダンス国際シンポジウム青少年世界音楽教育展示交流イベントが1125日から28日まで、北京の中央音楽学院と中国宋慶齢青少年科学技術文化交流センターで、12回のシンポと5回の音楽会を含むイベントが行われた。

大衆に目を向けたアートフェスティバル

このイベントは中央音楽学院の主催で、2007年から毎年あるいは隔年開催され、高レベルの世界的な音楽研究、文化交流、展示を主眼とした学術イベントである。これまでに、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、オセアニアの二十余の国の音楽をテーマとした研究と交流イベントを行ってきた。

今年は中国共産党第19回全国代表会議(党大会、十九大)で提起された「一帯一路」国際協力の積極的な促進を着実に実施するために、国際協力の新しいプラットフォームを立ち上げ、芸術で人民にサービスし、社会にサービスする。また青少年の成長に着目する精神から、中央音楽学院は広範な社会的な影響力を持っている中国宋慶齢青少年科学技術文化交流センターと協力してこのイベントを開催し、青少年に向けた伝統音楽と世界音楽教育に重点をおいた。すべてのシンポと演奏会は無料で開放された。また、イベントに参加したのは芸術関係教育機関の教師、学生にとどまらず、多数の音楽、アートファンの子どもたちやその親たちも参加した。

インドネシアのガムラン音楽を皮切りに

今年、イベントに参加したのはインドネシア、イラン、インド、カザフスタンとジョージアなどの国々のアーティスト。彼らの巧みで完璧な演奏は、観衆に「一帯一路」沿線国の特色のある音楽とダンスの魅力を十分に堪能させた。

開会式では、皮切りに、インドネシアのガムラン音楽とインドネシア舞踊が登場した。ガムラン音楽はインドネシアの最も代表的な音楽形式で、金属打楽器を主とした合奏音楽で、楽器演奏のほかに、通常は、女声あるいは男声の斉唱が加わる。ガムラン音楽に合わせて演じられるインドネシアの伝統ダンスはインドの古典舞踊の影響を深く受けている。続いてステージに登場したインドのバラタナティヤムと比べると、柔と剛のはっきりとした相違があり、同根同源の芸術の種でも、違った地域では異なる美しい花を咲かせるようだ。

インドネシアのガムラン音楽とインドネシア舞踊

イランから参加したジャヴァン(Javan)楽団とカザフスタンの「HasSak」楽団のパーフォーマンスは異国音楽から遥かな故郷の音が聞こえてくるようだった。イランの伝統音楽と中国新疆ウイグル自治区のムカム、カザフの伝統音楽と中国草原民族の歌曲は複雑に絡み合い、数百年、数千年の交流によるインタラクティブの産物を感じさせた。

著名な作曲家ストラビンスキーはかつて、グルジアの合唱は彼が聴いた中で最も美しいと言ったことがある。今回、グルジアから参加した「Basiani」合唱団は、複雑、美妙な無伴奏ハーモニーによる「最も美しい声」で聴衆を魅了した。この合唱団の団員はジョージアのさまざまな地域から来ていたが、小さいときから伝統的な民間歌謡を歌ってきた。楽団は創立当初、ジョージアの伝統的なポリフォニーの復興、普及に力を集中していたが、2013年に彼らはジョージア民間歌唱国家合唱団の地位が与えられた。

復元された中国唐代の宮廷楽舞

グルジアのBasiani」合唱団が披露した無伴奏ハーモニー

カザフスタンのアーティスト

 

「一帯一路」に響く中国音楽

今回のイベントでは、「一帯一路」沿線国の芸術家の素晴らしい演奏、公演を見ることができたが、国内の学者が「一帯一路」の枠組みの下の中国音楽について行っている研究と整理を知ることもできた。

福建師範大学の王州教授は福建南音が東南アジア地域に伝播した歴史的な過程を説明し、「80後」「90後」の青年で組織された唐代の礼楽復元チームによって、彼らが復元した中国唐代の宮廷楽舞を披露した。このチームのメンバーは以前、何度も日本の正倉院を参観し、正倉院所蔵品と同じ製法で唐代の琵琶、筝、篳篥(ひちりき)や笙を復元した。同時に日本と韓国に現存する雅楽を参考にして、唐楽古譜を初めから解読し始めている。今までに、彼らは『青海波』『玉樹后庭花』という2首の古曲を復元、演奏している。この外、二十数篇の唐楽古譜を研究、翻訳中で、これらの中には著名な『秦王破陣楽』や『蘭陵王』もある。

中央音楽学院無形文化遺産センターの張伯瑜主任は、このイベントで「一帯一路」音楽資源とその意義に関するシンポジウムを開設した。彼は以前、シルクロードに沿って中国西北地域、中央アジア地域、中東地域の民間音楽を収集し、その中には、西安古楽、甘肅花児、敦煌曲子戯、カシュガルムカム、カザフスタンのドンブラ弾き語り、キルギスの口琴(ジューズハープ)など。伯氏は次のように分析している。世界の音楽研究はある国の経済、社会の発展と密接不可分であると語る。ある国の発達が不十分であれば、先ず西側に学び、モダニズムの発展過程に入る。モダニズム完成後、ポストモダニズムの段階に入る。その時、それと西側世界の外に、「グローバル」という概念があることにやっと気がつくことができる。私たちは「一帯一路」の枠組みの下で、中国音楽と世界音楽の関係を研究し、実際に「中国と西側」という視野狭窄を超越して、眼光はさらに広大な世界に投じられる。

中央音楽学院無形文化遺産センターの張伯瑜主任は、このイベントで「一帯一路」音楽資源とその意義に関するシンポジウムを開設した

 

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