雲南省鎮雄県:他省への労働力提供で貧困脱却

2020-09-23 15:39:04

顧思騏=文

鎮雄県党委員会宣伝部=写真提供

雲南省・貴州省・四川省の省境に位置する雲南省北東部の鎮雄県は、貧困からの脱却がいまだ達成されていない全国52県の一つであり、この県を本誌記者が現地取材した。

 

写真・顧思騏

 

写真・顧思騏

鎮雄県は、雲南省内の県で最も人口が多く、171万人が暮らしている。高山や深い谷が多いため日照時間が短く、土地はやせており、地質災害も頻繁に起こるため、生産活動が難しく、他に比べて貧困脱却の難度が高い場所となっている。

 

こういった実情を受け、鎮雄県は貧困脱却には他省への労働力提供が最も現実的で効果的な方法だと判断し、その提供先を浙江省の永康、広東省の東莞、安徽省の蕪湖に定めた。

 

鎮雄県は今年に入ってから労働力提供を担当する専門チームを立ち上げ、新型コロナウイルスの感染が広がった2月初めには「バスで家まで迎えに行き、工場へ直行」という仕組みを確立し、貧困脱却支援に乗り出した。現時点で、総労働人口の85%を占める66万6000人の送り出しを実現し、働き手のある貧困世帯の少なくとも一人が、安定した職に就いているという。

 

一方、鎮雄県では、特別な事情により出稼ぎに出られない認定貧困世帯で少なくとも一人は安定した雇用を確保できるよう、公共サービスポストの増設や貧困支援工場の設置、企業の操業再開支援などを行い、県内の雇用拡大に力を入れている。「貧困脱却を年内に実現させるために、県は少しも手を緩めることなく、ラストスパートに向けて引き続き全力で取り組んでいきたい」と鎮雄県党委員会の翟玉龍書記は語る。 
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