雲南省鎮雄県:教育の力で輝かしい未来を

2020-10-10 14:56:09

顧思騏=

「中国政法大学に合格するために、先生やクラスメイトの力を借りて頑張りたいと思います」。記者の質問に対し、落ち着いた口調で自信満々にそう答えたのは、雲南師範大学付属鎮雄高校2年の裴婷さん(16)だ。

 

取材を受ける裴婷さん(顧思騏)

貧困家庭に生まれながらも成績優秀な彼女は、いい大学に進学し、安定した仕事を持つのが一番の夢だ。建設現場で働く父親と食堂で夜勤をしている母親にこれ以上の苦労をかけたくないと彼女は思っている。

裴婷さんのように、雲南師範大学付属鎮雄高校の生徒の多くは貧困家庭の出身である。2019年春学期の在校生のうち4916人が鎮雄に籍をもち、その中でも1197人が認定貧困家庭の子供だ。

 

雲南師範大学付属鎮雄高校(鎮雄県党委員会宣伝部

開校する前、鎮雄県の教育レベルは高くなく、保護者たちはここの教育に不満を抱いており、毎年1万人近い生徒が昆明や曲靖の学校に通っていた。このために保護者が負担しなければならない経費は毎年2億元以上にのぼった。

 

校舎(顧思騏)

   20168月に雲南師範大学付属鎮雄高校が開校すると、家の近くで優れた教育資源を享受できるようになり、県外の学校に通う際にかかる交通費、寮費、食事代などが不必要となった。そればかりか、奨学金や一般からの寄付、学費減免といった取り組みを通じて、貧困家庭の子供の大学進学の夢、さらには貧困脱却の夢がより身近なものとなった。裴婷さんもまさにこうした受益者の一人である。

   国や社会からの援助に対し、「私は恵まれていると思います。学業を完成させてくれる国や先生に感謝の気持でいっぱいです。私たちの肩には国の将来が託されているので、恩返しできるようしっかり努力を重ねていきたいです」と裴さんは感謝の気持を込めて語る。

 

教室(顧思騏)

   貧困支援において教育支援はとても重要な意味をもつ。貧困地域の子どもたちに良い教育を受けさせることは、貧困支援における重要な任務であり、代々続く貧困を断ち切るための重要な方法である。雲南師範大学付属鎮雄高校の胡克州校長は、「教育は未来をまく事業です。人の未来、家庭の未来、社会の未来、そして国の未来の種をまくのです」と語る。貧困家庭の子供が一人でも大学に進学できたら、卒業後、その家庭を貧困から脱却させることが期待できる。5000人近い在校生たちは、家庭を貧困から救い出すという夢を背負っているだけでなく、ふるさと、社会、国の将来の建設者・後継者として、地元を活性化し、中国を豊かで強い国にし、民族を復興させるという使命と責任をも背負っているのである。

 

学校をメディアに紹介する胡克州校長(顧思騏) 
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