5年で倍増した中国高速鉄道の営業距離 世界一の鉄道網で移動がより快適に

2021-01-29 11:14:45

 

居庸関長城のそばを走る、北京市と河北省の張家口市を結ぶ京張高速鉄道の復興号(写真=新華社提供)

「北京から崇礼まで車だと少なくとも3~4時間はかかりますが、京張高速鉄道なら約1時間で済みます。時間を節約できるので、これからもたびたび来ます!」。スキーが趣味の李博さんはそう言って、スキーウェア姿でストックを持ち、河北省張家口市崇礼区のスキー場へと向かっていった。

「1909年に京張鉄道が完成し、2019年に京張高速鉄道が開通した。自主設計建設によるゼロの突破から、今では世界最先端の水準に達し、時速35キロから350キロになり、京張線は中国における鉄道の発展を目撃し、中国の総合的な国力の飛躍も目撃した」。2019年12月30日、京張高速鉄道が開業した際、習近平中国共産党中央総書記は重要な指示を出した。

2020年末までに、中国の高速鉄道の営業距離は3万7900キロに達し、2015年末の1万9800キロに比べると、第13次五カ年計画(2016年~2020年)の期間でほぼ倍増し、世界一の座をゆうに占めている。

世界一の鉄道網で移動がより快適に

「今は実家で何か急用があってもすぐに戻って来られるので、落ち着いてよその土地で仕事ができるようになりました」。2019年12月に張家口市と山西省の大同市を結ぶ張大高速鉄道が開通したのち、北京市から大同市までの所要時間は約6時間から1時間45分に短縮され、北京で家政婦として働く楊さんはとても便利だと感じている。

延伸に次ぐ延伸により、高速鉄道は人々の距離をますます近づけている。この5年間、黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市と牡丹江市を結ぶ哈牡高速鉄道、内蒙古自治区通遼市と遼寧省新民市を結ぶ新通高速鉄道が相次いで営業を始めた。また、河南省鄭州市と重慶市を結ぶ鄭渝高速鉄道、鄭州市と安徽省阜陽市を結ぶ鄭阜高速鉄道が開通し、中部における「2時間経済圏」の青写真は現実となった。さらに、広東省広州市と深圳市、香港地区を結ぶ広深港高速鉄道により、粤港澳大湾区の交通網はますますスムーズになっている。

絶えずアップグレードするサービスの革新

復興号の254項目の重要な基準のうち、84%は中国基準で、性能はこれまでの列車にくらべて一段と優れている。中車四方公司の郭鋭チーフエンジニアは、「すべての細かな点で完璧を追い求め、ボギー台車の取り付け案だけでも90種類設計し、数千回に渡って繰り返し検証を行っています」と語る。また、中国工程院の何華武院士は、「中国は先駆けて時速400キロ以上の高速鉄道システムで要となる技術パラメータの変化の法則を見つけ出すことに成功し、高速鉄道の技術の自主化、標準化、シリーズ化を全面的に実現し、高速鉄道における中国の核心的な競争力は非常に高まりました」と述べた。

技術を自主コントロールし、運行もより安全でスマート化したものとなる。京張高速鉄道が北斗衛星測位システムを採用し、自動運転などを実現したことにより、中国は初めてスマート高速鉄道を持つこととなった。インターネットを使った切符購入でのオンライン座席指定、顔認識による速やかな駅への入場、携帯電話での食事予約などのサービスは、高速鉄道の旅客にモバイルインターネットによる利便性をもたらした。

地域の調和した発展で経済はより繁栄する

「交通が便利になり、訪れる観光客がますます増えて、観光園は60以上の貧困世帯に増収をもたらし、暮らしはより満ち足りたものになりました!」。そのように語るのは、江西省吉安市万安県のフラワー観光園で責任者を務める郭慶全さんだ。2019年に江西省南昌市と贛州市を結ぶ昌贛高速鉄道が開通したのち、万安県の農村観光は新たなチャンスを迎え、昨年の中秋節と国慶節の期間には1日当たりの観光客が延べ1万2000人となった。特産品も昌贛高速鉄道によって売上げを伸ばし、現地の経済を力強く刺激した。

開通に次ぐ開通で、高速鉄道は発展をよりバランスの取れたものとしている。四川省成都市と貴州省貴陽市を結ぶ成貴高速鉄道が通ったことにより、四川省南部の宜賓市、雲南省北部の昭通市、貴州省西部の畢節市などの地域では初めて高速鉄道が乗り入れることとなった。また、陝西省宝鶏市と甘粛省蘭州市を結ぶ宝蘭高速鉄道の開通で、中国北西地域は全国の高速鉄道網と完全に繋がった。2019年末までに、50万人以上の人口を有する都市に対する高速鉄道網のカバー率は86%に達している。

高速鉄道の運行により、沿線には産業ベルトと観光エリアが徐々に形作られ、中国における人の移動、経済の循環、物流などはますます活発になってゆく。

「北京週報日本語版」2021128

関連文章