山川・風月・出会い

2023-12-06 16:59:00

井文卿  大連理工大学  

 

1300年余り前、日本奈良時代の長屋王は千点以上の袈裟を作り、袈裟に偈を刺繍して唐の一衆高僧に布施した。この偈は「山川、域を異にすれども、風月、天を同じうす」だ。その中で、一人の僧が大いに感動し、恐らくその時から一衣帯水の隣国に深い好感を持つようになったのであろう。唐の優れた文化を日本に伝えるという理想を抱きながら、六度の渡航で九死に一生を得て日本に辿り着いた。すでに66歳の高齢者で、彼が鑑真である。

鑑真と日本の出会いは中日交流の種をまき、その後、この種は徐々に根を下ろし、芽を出し、豊かな実を結んでいった。

実は中日の文化交流の中で友好の架け橋を築いてきた人は多い。日本から唐に留学した阿倍仲麻呂が帰国したとき、中国の詩人李白や王維などが惜しんで詩を贈り、彼も詩で応えた。真心のこもった詩は彼らの出会いと深い友情の証しである。

コロナの発生以来、日本は積極的に中国に物資を寄付し、中国への支持と激励を表明している。日本が武漢を援助した物資には「山川、域を異にすれども、風月、天を同じうす」と書かれている。

私は千年前に鑑真が日本に渡った物語を思い出さずにはいられない。千年後、「山川、域を異にすれども、風月、天を同じうす」は私達を感働させている。一衣帯水の日本の民衆の善意が彼岸の桜の香りに乗り、中国に伝わってきた。

千万回の出会いの中で、私はただあなたを見ている。中国と日本は一衣帯水の隣国で、これは双方向の選択だ。互いに依存しており、会わなくても海を隔てていつも手を握ることができる。

中日の関係の歴史はいくつかの不協和音は避けられないが、主旋律は依然として積極的で友好的なものである。2022年は中日国交正常化50周年にあたり、これは中日関係の発展史における重要な一里塚だ。これから中日間の絆をどのように強化していくべきだろうか?

日本語専攻に入ったばかりの最初のテキストで、「中日友好交流の架け橋になる」という言葉があったのを覚えている。この言葉は私に深い感動と励ましを与えてくれた。

先日、「中日大学生交流サマーキャンプ」に参加し、中国に交流に来ている日本の大学生と深く交流し、私は初めての日本人の友達ができた。この過程で私達は日本の学生を中国文化体験授業に連れて行った。街を歩きながら、私達は相談して中日の文化と習俗の違いに驚き、双方の国に対して無限の思いを馳せた。

今回の中日の大学生の出会いは私に「どのように中日友好交流の架け橋になるか」という答えを与えてくれた。私達は異なる国におり、それぞれ独自の歴史や文化を持っている。しかし、この無数の違いの中で、一つの共通点を持っているーよりよい生活や文化交流への憧れだ。私達はお互いの出会いを大切にし、心に山川の間にお互いに付き添わせ、この風月の中で共に成長するべきだ。

関連文章