桜から考えること

2023-12-06 15:53:00

馬銀炫 上海交通大学

 

中日両国の交流は深い歴史的な根源を持っています。しかし、周知のように、中国と日本の関係は19世紀後半に氷点にまで下がりました。2つの国の関係はいつも良好だったわけではありません。従って、中日両国の関係はこれからも変わっていくと思われます。そして両国の未来は、私たちの世代の若者が決めることになるのではないでしょうか。

日本語の学習者として、私は常に自分にその責任があるべきだと思っています。このような考えを持って、私は日本の文学作品を読み、日本映画を見て、最終的に『海街diary』の中にそのヒントを見つけました。

『海街diary』はとても癒される映画です。ストーリーはわかりやすいですが、深い人生の道理が含まれています。劇中の主人公がこの世を去る度に、監督は桜のシーンを手配します。桜と死を結びつけるのは日本独特の民族文化です。その映画を通じて、私は日本の「物の哀れ」についてより深い認識を持ち、そこから生活への勇気を受け取りました。私は日本人ではないため、文化の根源から「物の哀れ」の概念を認識することはできないかもしれませんが、それに基づいて世界中の人々に伝えられた思想は誰かの心に触れることができると考えています。例えば、日常生活を大切することなど始めて気づきました。

ところで、今年の桜はいつもより早く満開になりました。2023年の3月、中日両国民は桜が互いにもたらす喜びを楽しんでいました。そこから、新しい考えが生まれました。私たちは中日両国民の桜への愛を利用し、国民的な交流活動を行うことができませんか。例えば、相手の国で一緒に花見をしたり、桜の育て方を交流したり、桜が持っている象徴的な意味等をテーマに交流したりするのです。

中国の初代外相周恩来はかつて、「共通点を求めて異を残す」という外交方針を打ち出しました。現在、日本と中国は同じ桜を見て共感でき、文化的に共有している部分もあるし、違う文化を見出している部分もあります。共通点を通して分かり合うことはもちろんですが、相違点を否定せず、お互いの考え方の違いを面白がり、理解し合うことがこれからの中日関係につながるのではないでしょうか。

例えば、中国人は日本人に中国国内の有名な桜の名所であり、国際的に有名な大学でもある武漢大学を紹介することで、中国の大学について共有することができます。そして、日本人は日本での桜の象徴的な意味と、なぜ桜が国花になったのかを語ることもできます。さらに踏み込んで、なぜ日本は凋落の美を普遍的に崇拝しているのか、中国は繁栄で強靭な美をもっと好むのかを巡り、お互いの考えをシェアすることもできます。

『海街diary』の桜のシーンは私に中日関係の未来を考えさせるきっかけとなりました。これからも様々な文化や作品を通して中日両国への理解を深めていきたいです。

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