日本文学に見る芸者

2023-12-07 15:07:00

韋小売  大連民族大学外国語学院  

 

日本文学は第二次世界大戦後、人間関係、家庭、愛情、青春などを主題とし、人々の心情や心理を表現してきた。例えば村上春樹の『ノルウェイの森』は自己救済、孤独、迷いの感情を表現し、東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は人と人との絆を表現し、愛と家庭を核心とした。一方、中国現代文学は社会の現実、歴史、政治などの問題に注目している。また、中国は弁明文化に属し、日本は謝罪文化に属するといわれる。日本映画『楢山節考』は、老人子に背負われて山に連れていかれる物語で、老人は労働力を失うと子供に迷惑をかけるのを恐れる描写があり、日本文化「他人に迷惑をかけるのが怖い」という心理を反映している。

日本文学で描かれるテーマの中でも、私が最も興味を持っているのは芸者文化。日本の芸者文化は京都の特色ある風情絵巻、桜の花々、さらさらとした清流な曲欄橋、暖簾が低く垂れ下がった茶屋酒亭芸者の華麗な着物の裾と淡く落ち着いた紙傘が思い浮かぶ。芸者は化粧、髪型、頭、装身具についても厳し要求があり、厳しい訓練と選抜を経なければならない三味線楽太鼓などの芸を学び、物悲しさや幽玄の美などの日本人の美意識を持ち合わせた舞踊自分の気質を高める芸道である茶道、書道、華道の教養を持ち、まさに日本文化の精髄ともいえる。

しかし、その背後にある彼女たちの心情や心の痛みは知られていない。芸者の生き方には、どんな特徴が見られるだろうか。

川端康成の『雪国』で描かれる芸者たちは小さい頃から厳しい訓練を受け、芸が巧みで、日本人男性の「心理医」とも言われている。しかし、家庭の暖かさや愛の居場所欠けているため、実際には脆弱な心を持っている。『雪国』に描かれているように芸者の生活は多忙で、「駒子はいつも夜明け前に追い返す。それは彼女たちのスケジュールと関係がある。一方、芸者は一般人に比べて、あまり人身の自由がない」。また、芸者は結婚できない。彼女たちは「純潔なイメージ」を保つために集団で住。もし普通の女性になりたいならば、結婚し、男が身代金を払って彼女をこの業界から離脱させなければらならい。これは通常芸者の良い選択とされるしかし、ブ・マーシャル監督のSAYURI』の千代は、自分の好きな会長に出会ったとき、考えを変えて、立派な芸者になることを決めた。厳しい訓練を経て、千代は地元のトップ芸者になったが、大好きな会長とはずっと一緒にいられなかった。

 こうした芸者の生き方からは、彼女たちの葛藤も浮かび上がる。これは芸者になるための代償かもしれないが、同時にそこには苦しい労働の職業の背後にある辛さと成功が見えてくる。また、美しい生活には勤勉、忍耐、堅持が必要だと理解できる。学習、仕事、生活の中でも、成功の裏には苦労や葛藤がある。私たち努力の堅持と信念を持ってこそ、自分を超えて、自分の真の価値を実現することができるのだ    

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