未来で待ってる

2023-12-07 15:55:00

黄順子  南京工業大学  

 

毎日、だらだらと寮から教室への単調な生活を送り、気づいたらもう大学3年生になってしまった。「今日は何を食べようかな、デリバリーか食堂かな?」これが毎日の頭に浮かぶ唯一の問題かもしれない。パソコンの前に座って、「何を見ようかな?」と考えていたら、動画サイトのホームページに、馴染みのある光景が推薦された。晴れた青空、リュックを背負った女の子が前に向かって全力で走る光景で、「ああ、もう一度見よう」と、すぐに中学2年生の時から何度も見たことのある映画『時をかける少女』をクリックした。

運命の糸が、時の織機で絡まり合い、私を時空の旅に導いてくれた。真琴は普通でありながらも未来に憧れる少女で、偶然に超能力を手に入れ、非凡で不思議な旅に踏み込んだ。真琴のタイムリップの能力は彼女に時間の経過と無情さを深く感じさせた。誰の思い出の中にも、数えきれない未完成の物語がある。夢を追い求める日々、努力を惜しまなかった瞬間は今や追憶の破片となり、時間の経過とともに遠ざかっていきた。しかし、『時をかける少女』を観るたびに、私はそれら貴重な瞬間を思い出した。

映画の中の真琴や彼女と周囲の人々の物語、そして自分自身との対話は、私に過去を考えさせた。失われた友情、逃したチャンス、そしてかつての胸の高鳴り、映画のシーンは、私を人生の分岐点に連れ戻してくれた。自転車を押しながら頬を赤くしているマコトと、私も同じだった。でも、マコトは千昭の告白と向き合っていたし、ぼくは過去の自分と向き合っていた。

映画では成長と自己探求のテーマも明らかにされている。真琴は彼女のタイムリップの旅の中で、多くの困惑と矛盾を経験した。彼女は自分の人生の方向について常に考え続けている。それは私にとって自分の道に深く共鳴する。私たちは勇気を持って自分自身の内なる声に立ち向かい、自分自身に本当に属する道を見つける必要がある。

かつての私も真琴と同じように未来への夢を抱いていた。しかし、日々過ぎ去る時間の中で、夢は現実の網に捕らわれていきた。今の私はただ毎日を過ごし、平凡な人生を受け入れるだけの存在かもしれない。真琴が時空の波紋の中で愛と希望を探し求める様子を見て、私もかつての情熱的な心を取り戻した。

真琴とは異なり、私たちは過去を変える能力もなく、時空を超えて後悔を埋めることもできない。しかし、真琴の冒険を見て、私はひとつの真理を理解した:過去は変えられないが、過去への向き合い方を変えることはできるのだ。過ぎ去った後悔や偶然の出来事は、今日の私を形作り、私をより強くし、現在をより大切にするのだ。時間は容赦なく流れ去るものであり、私たちは忙しさの中で自分自身を見失うことがよくある。私たちは現在をより大切にして、今を生きるべきだ。すべての瞬間は心を込めて、それを体験し宝物とすべきだ。誰もいない教室の黒板に残された『time waits for no one』のように、これからの日々がますます貴重になろう。

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