日本の教育について

2023-12-07 15:57:00

王熹  澳門大学

  

  「他の人に迷惑をかけないこと」これは高校の頃、先生に教えられた日本の教育で大切にされている考え方だ。後になって、ちょうど『真実の日本』という本で同じ文を見た時、改めてこの言葉や日本の教育について深く考えさせられた。

 『真実の日本』は教育、人間関係、侍の精神など、各方面から日本を紹介する本だ。私は高校の頃から教育に興味を持っていたが、日本の教育に関する様々なことが段々と分かってきたのは、この本に負うところが大きいと思う。

 二十世紀6、70年代の頃、日本の経済は急速に発展し、学校教育では教育内容の現代化と高度化により、詰め込み教育が行われるようになった。しかしながら、このような教育は知識だけに偏りがちで、子供たちの思考力の低下が問題視されるようになっていった。その結果、本の知識より生活の経験を重視する考え方が次第に強くなっていった。このような考えが今の日本の学校教育に影響を及ぼしている。周知のように日本の学校では、修学旅行があったり、工作の授業があったり、授業で歌舞伎を見たりして、肌で感じる体験を通じて、日本の社会や文化についての理解を深めることができる。また、幼児園や小学校では兎やモルモット等の動物を飼っている場合もあり、子供たちは小さい頃から動物と触れ合うことが出来る。これにより、子供が愛情深くなれることを目指し、生活の経験もさらに増える。

 学校の教育もさることながら、親からの教育も子供に影響を与えるだろう。「他人に迷惑をかけないこと」。これは日本の子供が小さな頃から知っていることだ。たとえ幼児園の子供でも、生活から伝統的な年中行事に及ぶまで、全てのことを自分でやろうとするそうだ。今年の夏休み期間、私は中国でスポーツ試合に参加する日本の子供たちの通訳を手伝った。試合の合間に、中国のスタッフは日本の子供を連れて上の階のトイレに行くつもりだったが、子供の親は「大丈夫です、ありがとうございます。」と言って、子供を自分で行かせた。私は少し驚いた。中国の子供であれば、大人に甘えて、「一緒に行こうよ」と言ってもおかしくない。この出来事を通して「他人に迷惑かけないこと」という日本の教育をはっきり認識し、同時に、自立した生活を送ることも日本の教育の一つ主体だということが分かった。

 学校と親のみならず、日本の社会も教育を重視している。この本を読んで、日本の公共図書館は年齢に応じて違うサービスを提供することが分かった。例えば、学生や若者の場合、卒業した後の留学支援やキャリアアップ支援等があり、お年寄りの場合は健康についての学習支援がある、また、本に書かれている文字を音声化したり、点字にしたりといった障害者向けのサービスもあるそうだ。最近、視覚障害のある児童生徒が理科分野への関心を深めるため、ワークショップを通じて直接物に触る実験が行われたというニュースも見た。このような日本の図書館では年齢に限らず、教育を提供している。私はこうした環境は非常に素晴らしいと思う。

 高校の時から先生になりたいと思っている私は、『真実の日本』を読んで、日本の教育に対しての理解を一層深めることができた。これからもこの本で勉強したことを踏まえて、もっと教育に関わる知識をもっと勉強していこうと思う。

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