8000万人党員をどう管理(下)

2021-02-09 11:13:13
  党員幹部に対する思想的指導と理論的思考の訓練を重視し、時代の変化に応じて積極的に思想面の調整と理論上の刷新を行っているのが中国共産党の際立った特徴である。

思想・理論の構築を重視 

  当初、中国共産党はソ連の経験をそのまままねて党を管理し、度重なる失敗に遭遇した。毛沢東は率先してマルクス主義の中国化という命題を打ち出し、党員が革命の実践において、中国の実情に照らして、マルクス主義の弾力的な運用を学ぶように指導した。その後、中国共産党はマルクス主義の中国化の成果を「毛沢東思想」と呼ぶようになった。

  1970年代末、鄧小平氏は党指導部の核心となり、中国がいかに自らの道を歩むべきかについて一連の視点を打ち出した。中国共産党はそれらを「鄧小平理論」としてまとめ、この理論のおかげで、党は世界に向けて中国の扉を開き、経済・社会発展にふさわしくない体制・メカニズムを改革し、中国を急速に発展させた。

  江沢民氏は中国共産党中央総書記に就任後、党の建設を特に重視した。彼は「三つの代表」という重要な思想を提唱し、党に対して、中国の先進的な生産力の発展の要請、中国の先進的な文化の前進する方向、中国の最も広範な人民の根本的利益の三つを終始代表するよう求めた。

中国経済・社会の急速な発展に伴い、「高投資、高消費、高汚染と低水準、低利益」を特徴とした発展パターンはエコロジーに深刻な影響を与えただけではなく、発展の持続性を制約した。これに対して、胡錦濤総書記は「科学的発展観」という重要な戦略的思想を主唱し、全面的、調和的で持続可能な発展を求め、人間本位を堅持し、統一的な計画で各方面に配慮する方法を取るべきだと指示した。

 以上のように、中国共産党のここ数代の指導部は「実事求是」(事実に基づき真実を求める)と「務実創新」(実務に励みながら刷新を図る)の基礎の上に構築した思想・理論によって、「中国の特色ある社会主義理論」の体系を確立し、さらに絶えず充実させてきた。この体系が中国の発展を導く根本的な指針となっている。

執政の方式を絶えず改善 

  中国で、共産党の指導を離れることは明らかに現実的ではない。しかし、党が自らの役割を越えて、国家と社会の煩雑、複雑な問題の管理に陥ると、必然的に政府の発展を阻害することになる。中国共産党は自らの意志と政策を貫徹させるには、人民代表大会(人代)が法定手続きを履行し、その後、政府によって執行される仕組みをスタートさせた。党委員会が政策を決定し、政府がこれを執行するという仕組みが、党と政府の構造的な定位置である。さらに、一連の規定によって、党と政府は具体的な職能分担について、明確に線引きし、再び党が政府の行政事務を請け負うことはなくなった。

  改革開放以来、人代の役割はますます大きくなっている。最も大きな変化は全国人民代表大会(全人代)常務委員会と省クラスの人代委員会が立法権を持つようになったことである。近ごろでは、人代が立法、重要政策の決定、重要な人事の任免で発揮する役割は次第に明確になってきた。中国の党・政府の構図に新たな変化が起きている。

  中国で実施されている政党制度は中国共産党指導下の多党協力制度である。数十年来、政治協商会議(政協)はすでに共産党と民主諸党派および無党派人士が協力して課題に取り組み、ともに協議する場となっている。毎年開かれる人代と政協は中国共産党が意見を聞き、政策を改善するプラットホームになっている。

  また、中国共産党には厳格なエリート採用制度がある。幹部の選抜・登用にあたって、才徳兼備、徳を先として、実績を重んじるという原則の堅持を強調している。

  上述のいくつかのルートを通じて、中国共産党は国家、社会問題の管理を実現してきた。こうしたルートの中には、あまり規範に合わない部分もあったため、現在、中国共産党は執政方法を調整すべきだと認識している。こうして党は煩雑な行政事務から解放され、重大な政治方針の研究に専念でき、またこの「超大型政党」の管理に精力を注入することができる。

人民中国インターネット版

関連文章